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金価格 見通し(3/4):有事のドル買いで急落、5000-5300ドルの攻防

IG証券のアナリストによる金価格の見通し。「有事のドル買い」で急落。一時5000ドル割れ。その後反発する荒れた展開に。目先は急変動を警戒。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 3日の取引で金価格が急落。下げ幅は一時300ドルを超した。ゴールド売りの主因は「有事のドル買い」。イラン紛争が周辺国に拡大。「原油急騰→インフレ懸念」で米利下げ期待が後退しドル指数が急騰。中東不安が長引けば、金価格は急変動を警戒したい
  • 本日のADP雇用統計とISM非製造業指数が米ドル高の要因となれば、金価格は5000ドルの再トライを意識したい。5000ドルを下方ブレイクすれば下落拡大を警戒
  • 一方、反発局面で5200ドル台へ上昇すれば、5300ドルのトライが焦点となろう。フィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目


300ドル超急落、5000ドル割れ

3日の取引で金価格が急落した。下げ幅は前日比で一時300ドルを超えた。IG取引プラットフォームの安値は4996ドル。2月20日以来となる節目の5000ドルを一時下抜けた。その後5100ドル台へ急反発する荒れ相場となった。

金価格 15分足チャート:3月2日~3日の動向

金価格 15分足チャート:3月2日~3日の動向

出所:IG取引プラットフォーム


今は「有事のドル買い」、金は変動拡大を警戒

金価格の急落要因として注目したいのが、「有事のドル買い」だ。

米国・イスラエルによるイラン攻撃前日まで米10年債利回りは3.93%へ低下していた。しかし、中東の地政学リスクが高まると上昇に転じ、3日の米債市場では一時4.11%台と、2月13日以来の水準へ急上昇した。

米10年債利回り 1時間足チャート:2月26日以降

米10年債利回り 1時間足チャート:2月26日以降

TradingView提供のチャート

本来であればリスク局面での米国債は、安全資産として買われ、利回りは低下する。しかし今回、米金利が急上昇した背景には、原油価格の急騰がある。

イランによるホルムズ海峡の封鎖を受け、NY原油先物価格(4月物)は前日比3.33ドル(4.7%)高の1バレル74.56ドルで取引を終えた。一時77.98ドルと、昨年6月下旬以来約8カ月ぶりの水準へ急騰する場面が見られた。イラン紛争は中東の周辺国に拡大しており、昨日の原油価格の急騰は、今回の紛争が早期に終結せずエネルギー価格の高騰が持続するとの見方を反映している。

また、インフレ懸念は米利下げ期待を後退させている。翌日物金利スワップ(OIS)市場では、イラン紛争前に有力視されていた6月と7月の利下げ確率がそれぞれ30%前後へ低下している。

米FOMC 利下げ確率の推移:2026年1月以降

米FOMC 利下げ確率の推移:2026年1月以降

ブルームバーグ、OIS市場のデータで作成 / 3月4日午前11時時点

これら一連の動きは、外為市場で「有事の米ドル高」進行を主導した。米ドルのトレンドを示すドル指数(DXY)は昨日、相場の反発を止めていた50日線はおろか、90日線やレジスタンスラインも上方ブレイクし、昨年11月の下旬以来となる99.68レベルまで急騰する場面が見られた。米国が他の主要国に比べてエネルギー供給の問題に対する耐性が高いとの評価も、米ドルへの資金集中を後押ししたとの見方がある。

ドル指数 日足チャート:2025年10月以降

ドル指数 日足チャート:2025年10月以降

TradingView提供のチャート

昨年10月からの動向を踏まえれば、金価格の下落・急落局面では買い戻しが入るだろう。しかし、中東紛争の長期化に伴い原油高が持続すれば、「インフレ懸念→FRBの利下げ期待がさらに後退→米ドル高加速」という連鎖を意識する状況が続こう。

米ドル高がさらに進行する場合、金価格は安全資産としての地位を巡る激突で上下に大きく振れる荒れ相場となりやすい状況にあることを、3日の急落が示唆した。


金価格のテクニカル分析、5000-5300ドルの攻防

変動拡大を警戒
金価格の予想変動率(1ヶ月、年率換算)が上昇に転じている。レポート掲載時点では33%付近へ上昇している。目先は上下に大きく振れる展開を警戒したい。

金価格の予想変動率:2026年1月以降

金価格の予想変動率:2026年1月以降

ブルームバーグのデータを基に作成
※予想変動率:1ヶ月、年率換算

5000ドルの攻防
3日のIGコモディティレポートで取り上げた下限予想5100ドルを日足ローソク足の実体ベースでは維持している。しかし、下ヒゲで5100ドルを下方ブレイクしたことを考えるならば、昨日のサポートラインとして意識された5000ドルの再トライを意識する状況が続ている。
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本日、そのきっかけとして注目したいのが米経済指標だ。ADP雇用統計(2月)とISM非製造業指数(2月)が米ドル高の要因となれば、金価格の下落拡大を警戒したい。5000ドルを下方ブレイクする場合は、1000ドル幅で下値の攻防を見極めたい。

4900ドルをも下抜ける展開となれば、50日線が視野に入ろう。この移動平均線のトライは、4800ドルの維持を見極める攻防でもある。
注目のチャート水準:サポート
・5065ドル:25日線
・5000ドル
・4900ドル
・4827ドル:50日線
・4800ドル

5300ドルの回復
1時間足チャートでトレンドを確認すると、RSIが売られ過ぎの水準から50を視野に反転している。ADXは上昇ムードが一服しているが、40台と高い水準にある。現在レジスタンスラインとして意識されていた5160ドルを突破。反発ムードが強まる状況にある。

このまま反発が続けば、1時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。5200ドルの上には半値戻し、レジスタンスラインに転換する可能性がある5240ドルの上には61.8%戻し、そして5300ドルの上には76.4%戻しが推移している。

特に半値戻しと76.4%戻しは1000ドル幅の節目水準の攻防という観点からも、重要レジスタンスラインとして意識したい。5300ドルを再び回復できるかどうかが、目先の上値焦点となろう。
注目のチャート水準:レジスタンスライン
・5300ドル:76.4%戻し(5319ドル)
・5240ドル:61.8%戻し(5257ドル)
・5200ドル:半値戻し(5207ドル)


金価格の日足チャート:2026年1月以降

金価格の日足チャート:2026年1月以降

TradingView提供のチャート

金価格の1時間足チャート:2月23日以降

金価格の1時間足チャート:2月23日以降

TradingView提供のチャート


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