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米国株、急落リスク克服 S&P500週次上昇 エヌビディア久々反発

S&P500は週次1.59%高となり、好調を維持。雇用統計とCPIを通過し、急落リスクをしのいだ。今後は16、17日のFOMCで示される利下げペースが焦点だ。

米国株、急落リスク克服 S&P500週次上昇 エヌビディア久々反発 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場が急落リスクをしのいだ。S&P500種株価指数の12日の終値は1週間前比で1.59%高。11日までは3日連続で最高値を更新するなど、好調さが維持された形だ。11日発表の8月の消費者物価指数(CPI)が市場予想通りだったことで、米連邦準備制度理事会(FRB)が継続的な利下げに踏み切るとの見方が強まったことが好材料になった。また対話型人工知能(AI)サービスChatGPTで知られるオープンAIの動向はAIブームを再燃させており、半導体大手NIVIDIA(エヌビディア)の株価は5週ぶりに反発。S&P500の今後の見通しに晴れ間が広がった。ただ、米国の実体経済をめぐっては労働市場の悪化を示すデータが改めて出ており、株価に追い風が吹いているとばかりは言えない。週明け15日以降には、FRBの連邦公開市場委員会(FOMC)が控えており、FRBが示す利下げペースが市場の想定よりも緩やかになれば、S&P500の上昇が失速する可能性もある。

アメリカのS&P500は週次1.59%高 8月CPIを好感で急落リスクをしのぐ

S&P500(SPX)の12日の終値は前日比では0.05%安の6584.29。5日ぶりの反落で前日につけた最高値(6587.47)からわずかに後退したものの、2週連続での値上がりを果たした。前日の最高値は、朝方に発表された8月CPIが市場予想通りの結果だったことで、ドナルド・トランプ大統領の高関税政策による物価上昇圧力は想定内に留まっているとの見方が強まったことが要因。金融市場ではFRBが年内3回の利下げに踏み切るとの見通しが深まった。S&P500をめぐっては5日に発表された8月雇用統計が労働市場の悪化を示したことから急落リスクが高まっていたが、難所は越えたようだ。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

オープンAIの積極展開が好材料に エヌビディアは5週ぶり反発の6.47%高

S&P500の好調さにはAIブームの再燃も貢献した。10日にはクラウド事業を手掛けるオラクルがオープンAIとの間で5年間3000億ドルの契約を結んだと報じられ、オラクルの株価(ORCL)は12日までの週次で25.51%値上がり。オープンAIによる積極的な事業展開は株式市場でのAIブームを活気づかせ、エヌビディアの株価(NVDA)も週次で6.47%高となった。前週(1-5日)までの4週続落の不振を断ち切ったといえる。このほかの半導体株では、オープンAIと共同でAI向け半導体を開発すると報じられていたブロードコム(AVGO)が週次7.46%高。S&P500構成銘柄ではないものの、英半導体大手のアーム・ホールディングス(ARM)も週次9.03%高となった。

エヌビディア、ブロードコム、アーム・ホールディングスなどの株価の推移のグラフ

失業保険申請件数は3年10か月ぶりの高さ アマゾンなど大手ハイテクは勢い不足

一方、米国の実体経済に関しては悪いデータも出ている。11日に発表された週次の失業保険関連統計では、8月31日-9月6日週の新規失業保険申請件数が26.3万件となり、2021年10月下旬以来の3年10か月ぶりの高水準を記録。ブルームバーグがまとめた市場予想の23.5万件も大きく上回った。新規失業保険申請件数の増加は企業による従業員の一時解雇(レイオフ)が増えていることを意味する。7月と8月の雇用統計では就業者の増加が大幅に抑えられていることが明らかになっており、今後は失業率の上昇が始まるおそれもありそうだ。

米国の新規失業保険申請件数と失業率の推移のグラフ

また、AIブームへの期待は、S&P500を牽引してきた大手ハイテク株全体を押し上げるには至らなかった。クラウド事業でオラクルと競合するアマゾン・コム(AMZN)の株価は12日までの週次で2.34%安。AIサービスの提供でオープンAIとライバル関係にあるメタ・プラットフォームズ(META)は週次0.42%高で、熱気は高まっていない。9日のiPhone(アイフォン)17の発表にサプライズがなかったアップル(AAPL)は週次2.34%安だ。一方、オープンAIの大株主であるマイクロソフト(MSFT)は6週ぶり反発の週次3.01%高となり、12日の終値で509.90ドルとなっているが、8月4日の最高値(535.64ドル)まではまだ距離がある。

エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アマゾン・コム、アルファベット、テスラ、アップルの株価の推移のグラフ

FOMCで示される利下げペースの見通しは? 小売売上高もFRBの思惑を左右か

こうした中、S&P500の今後の見通しをめぐっては、FRBが16、17日に開くFOMCに注目が集まる。金融市場では今回を含めて年内3回の利下げが有力視されているものの、FRBが示す経済見通しやジェローム・パウエル議長の記者会見の中で今後の利下げペースについてどような見方が示されるか次第で、利下げ見通しが後退するおそれもぬぐえない。

パウエル氏は8月22日のワイオミング州ジャクソン・ホールでの講演で「雇用に関する下振れリスクが増している」と述べており、依然よりは利下げ姿勢は強まっているもよう。ただ、4月のシカゴでの講演では「物価の安定がなければ、すべての米国民の利益となる強い労働市場を長期間にわたって達成することはできない」と述べたこともあり、金融市場の期待ほどには利下げに前向きでない可能性もある。この講演があった4月16日のS&P500は前日比で2.24%安と急落した。

また、FOMCの結果公表前日の16日午前8時30分(日本時間16日午後9時30分)には8月の小売売上高も発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想では、前月比での伸び率が0.3%となり、前月(7月)の0.5%から消費が減速する見通し。一方、自動車と部品を除いたベースでの伸び率は0.4%となり、前月(0.3%)よりも高くなるとみられている。実際に発表される結果が予想を大幅に上回る強さだった場合、金融市場で消費の強さが物価上昇圧力とみなされ、FRBの利下げへの期待を削ぐ可能性があり、S&P500の値上がりの足を引っ張ることも考えられそうだ。

アメリカの小売売上高の推移のグラフ

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