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米国株、楽観継続 S&P500連日最高値 失業保険で冷や水のおそれも

S&P500は0.32%高で、7月CPIが好感された前日に続く最高値。ただ、大手ハイテク株の上昇や利下げ期待が落ち着けば、雇用不安が意識される可能性もある。

米国株、楽観継続 S&P500連日最高値 失業保険で冷や水のおそれも 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場の楽観ムードが続いている。S&P500種株価指数の13日の終値は前日比0.32%高で、2日連続で最高値を更新。12日に発表された7月消費者物価指数(CPI)で不安が拡大しなかったうえ、13日にはスコット・ベッセント財務長官が連邦準備制度理事会(FRB)が9月に0.5%利下げに踏み切る必要性に言及。FRBの利下げが株価を押し上げるとの見方が安心材料となった。ただ、13日の取引では、半導体大手NVIDIA(エヌビディア)など大手ハイテク株は総じて不調。また、7月CPIが物価上昇再燃懸念を打ち消したわけではなく、FRBの利下げへの期待には脆さもある。14日以降には失業保険関連統計など、雇用や物価、消費に関する経済指標が相次いで発表されるだけに、S&P500の上昇基調に冷や水がかかるおそれもありそうだ。

アメリカのS&P500は0.32%高 連日で最高値を更新

S&P500(SPX)の13日の終値は6466.58だった。12日の取引では7月CPIの結果が前向きに受け止められて前日比1.13%高となり、約2週間ぶりに最高値を更新。13日もこの勢いが続いた形だ。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

ベッセント氏が9月0.5%利下げに言及 FRBの利下げ見通しが強まる

13日にはS&P500の上昇を支えてきたFRBの利下げに対する期待が高まるという追い風もあった。スコット・ベッセント財務長官は13日、ブルームバーグテレビでのインタビューで、7月雇用統計で5月と6月の非農業部門の就業者数が大幅に下方修正されたことを踏まえ、FRBによる利下げの必要性を強調。「9月の0.5%を皮切りに、連続的な利下げを実施できるだろう」と述べた。ブルームバーグによると、13日の金融市場で見込まれる9月16、17日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利は4.063%となり、現状の政策金利(4.25-4.50%、中間値4.375%)から0.312%ポイント低い水準となった。

金融市場で見込まれるFRBの政策金利の見通しの推移のグラフ

マイクロソフトは1.64%安で勢い止まる エヌビディアも0.86%安

ただ、13日の株式市場の値動きには上昇へのためらいも感じられた。S&P500への影響度が大きい大手ハイテク株では、マイクロソフト(MSFT)が前日比1.64%安の520.58ドルとなり、12日(1.43%高)の値上がり分を吐き出した。マイクロソフトは7月30日に2025年4-6月期の好決算を発表し、7月雇用統計の発表を挟んだ8月4日には最高値(535.64ドル)を更新したが、その後は勢いが止まっている。13日にはメタ・プラットフォームズ(META)も1.26%安、エヌビディア(NVDA)も0.86%安となっており、マグニフィセント・セブンと呼ばれる7社のうち5社が値下がりした。

エヌビディア、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コム、アルファベット、テスラ、アップルの株価の推移のグラフ

7月CPIは物価上昇の根強さも示唆 労働市場悪化の懸念も残る

また米国の実体経済をめぐる不安が消えたわけではない。7月CPIは総合指数の伸びが前年同月比2.7%となり、ブルームバーグがまとめた市場予想の2.8%を下回る半面、食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率は3.1%となり、市場予想(3.0%)を上回った。目まぐるしく変化するドナルド・トランプ大統領の高関税政策の影響がどれだけあったかの見極めは難しいものの、2か月連続でコア指数の伸び率が前月を上回ったことは、FRBのジェローム・パウエル議長の警戒感を強め、利下げから距離をとる理由になる可能性がある。

アメリカの消費者物価指数(CPI)の伸び率の推移のグラフ

さらにS&P500にとっては労働市場の悪化への懸念も残っている。7月雇用統計が悪い結果を示した1日にはS&P500は前日比1.60%安。週明け4日には、人工知能(AI)ブームに沸く大手ハイテク株の値上がりと、FRBの利下げへの期待が1.47%高の反発につながったが、今後、大手ハイテク株の上昇が息切れし、物価上昇の根強さが意識されるようになれば、S&P500には労働市場の弱含みという悪材料だけが残るシナリオも考えられる。

失業保険関連統計が悪材料になる可能性 PPIや小売売上高もS&P500を左右か

このため株式市場では14日午前8時30分(日本時間14日午後9時30分)に発表される週次の失業保険関連統計に注目が集まりそうだ。7日に発表された7月20-26日週段階での失業保険の総受給者数は197.4万人となり、約3年9か月ぶりの高水準となっていた。一方、新規失業保険申請件数は7月27日-8月2日週段階で22.6万件となり、上昇傾向は出ていないが、14日に発表される3-9日週分が市場予想を超えた場合には投資家の不安を高める恐れもある。ブルームバーグによると、3-9日週の申請件数は22.5万件と予想されている。

アメリカの新規失業保険申請件数の推移のグラフ

米国経済をめぐっては失業保険関連統計と同じ14日に7月の卸売物価指数(PPI)が発表されるほか、翌15日には7月の小売売上高の発表も控えている。トランプ氏の高関税政策が経済の見通しを悪くする中、労働市場の弱まりが感じられるていることはS&P500にとって大きな環境の変化であることは間違いないく、経済指標の結果次第で株式市場での楽観ムードが急変するリスクも潜んでいそうだ。


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