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米国株、CPI警戒 S&P500下落も エヌビディアは政府と異例ディール

S&P500は11日は反落。12日発表の7月CPIへの警戒やエヌビディアとトランプ氏の異例の取引が悪材料になった。投資家の楽観度合いが試される局面だ。

米国株、CPIを警戒 S&P500反落 エヌビディアの「取引」は逆風? 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場が7月の消費者物価指数(CPI)を警戒している。S&P500種株価指数の11日の終値は前週末比0.25%安で、大手ハイテク株の大半が下落する冴えない値動き。12日に発表される7月CPIで物価上昇の加速が確認されれば、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げを遠のかせる株価にとっての悪材料になるおそれがあることが影響した。また人工知能(AI)ブームを牽引する半導体大手NVIDIA(エヌビディア)をめぐっては、ドナルド・トランプ大統領との間で、中国向け半導体「H20」の売り上げの15%を政府に収めるという異例の「ディール(取引)」が成立したことも判明。株価の逆風になったようだ。ただ、株式市場ではFRBの利下げやAIブーム継続への期待が根強いことも事実。7月CPIで物価上昇が加速してもトランプ関税による一時的な効果だとみなされれば、投資家の楽観が崩れない可能性もありそうだ。

アメリカのS&P500は0.25%安 アップルなど大手ハイテク株も不調

S&P500(SPX)の11日の終値は6373.45。前週末8日の終値(6389.45)は7月28日の最高値から0.32ポイント(0.01%)安の水準まで迫っていたが、11日の記録更新はならなかった。11日にはトランプ氏が中国との大幅関税引き下げ合意の期限を90日間延長し、11月9日までとする大統領令に署名したとも報じられたが、上昇にはつながっていない。それでも11日の終値は最高値から0.26%安の水準で、引き続き高値圏での値動きといえる。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

11日はS&P500への影響度が大きい大手ハイテク株も不調だった。8日までの週次で13.33%高という5年ぶりの上昇率を記録したアップル(AAPL)は11日に前週末比0.95%安となり、4営業日ぶりの下落。アマゾン・コム(AMZN)は2営業日続落の0.62%安となり、7月31日に行った2025年4-6月期決算発表後の下落基調からの反転が見通せない。マグニフィセント・セブンと呼ばれる大手ハイテク7社の中ではテスラ(TSLA)を除く6社が11日に下落した。

エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・コム、テスラ、アップルの株価の推移のグラフ

7月CPIは物価上昇が加速する見通し FRBの利下げ期待の後退も

S&P500の最高値更新を阻んだのは物価上昇に対する警戒感だ。米労働省は12日午前8時30分(日本時間12日午後9時30分)に7月CPIを発表する予定。ブルームバーグがまとめた市場予想では、総合指数の伸び率は前年同月比2.8%となり、前月(6月)の2.7%から物価上昇が加速する見通しだ。食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率も3.0%と見込まれており、やはり物価上昇率が前月(2.9%)よりも大きくなると予想されている。7月CPIの結果が物価上昇圧力の根強さを示したと受け止められれば、FRBの利下げへの期待が後退し、S&P500の上昇の足を引っ張る可能性がある。

アメリカの消費者物価指数の伸び率の推移のグラフ

こうした中、11日の金融市場ではウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)が4営業日ぶりに上昇。シカゴ・オプション取引所によると、11日の終値は前週末よりも7.26%高い16.25となった。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。

VIXとS&P500の値動きの推移のグラフ

エヌビディアはトランプ氏と取引 中国向け輸出の売り上げの15%を支払い

また、12日の株式市場ではエヌビディアをめぐるニュースも悪材料視された。米英メディアの報道によると、エヌビディアはH20の中国への輸出で得た売り上げの15%を米政府に収めることで合意。トランプ氏は11日に記者団に対して、米政府としてエヌビディアに対して20%の支払いを要請したが、ジェンスン・ファンCEOとの協議の結果、15%に落ち着いたと説明した。ブルームバーグによると、アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)の中国向け半導体「MI308」についても同様の合意がなされているという。エヌビディアの株価(NVDA)は11日に前週末比0.35%安。AMDの株価(AMD)も0.28%安となっている。

エヌビディア、ブロードコム、アーム・ホールディングスなどの株価の推移のグラフ

H20をめぐっては4月、トランプ政権が輸出規制の対象であることを明確にしたことが判明。エヌビディアは2-4月期決算で45億ドルの損失を計上し、5-7月期についても80億ドルの収入が失われるとしていた。しかしエヌビディアは7月14日、トランプ政権がH20の中国向け輸出を認めることを確約したと発表。株価上昇を後押ししてきた。エヌビディアが輸出許可を受ける見返りに売上の15%を収める形となる今回の異例の取引は、トランプ氏の企業に対する強権的な対応を示す、S&P500にとっての悪材料といえそうだ。

7月CPIで物価上昇加速でも強気は崩れず? 株式市場の楽観度が問われる局面

ただ、S&P500の上昇機運を強めてきたFRBの利下げ期待とAIブームに不安がよぎったとしてもS&P500の底堅さは崩れない可能性もある。7月15日に発表された6月CPIは総合指数でもコア指数でも物価上昇の加速を示す結果だったが、S&P500の大崩れにはつながらず。またエヌビディアは5月段階でH20への輸出規制による巨額の損失を発表しつつも、5-7月期は総収入が1.5倍になるという強気な見通しを示していた。エヌビディアの株価は2-4月期決算発表があった5月下旬から前週(4-8日)まで11週連続で上昇しており、過去最長タイ記録となっている。

FRBのジェローム・パウエル議長は利下げに慎重姿勢をとりつつ、トランプ氏の高関税政策が物価にあたえる影響は「短期的なものになる可能性がある」との見方も示してきた。ブルームバーグによると、11日の金融市場では9月16、17日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げが確実視される情勢。12日の7月CPI発表では、FRBの利下げがS&P500の上昇につながるという楽観的なシナリオに対して投資家が抱く信頼感の強さが試されることになりそうだ。


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