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米国株の上昇に黄信号 S&P500減速 エヌビディア週次連騰停止

S&P500は週次0.94%高で最高値圏を維持した。しかしエヌビディアの週次連騰は11で停止。22日のパウエル氏の講演に向けて警戒が強まる可能性がある。

米国株の上昇に黄信号 S&P500減速 エヌビディア週次連騰停止 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場の上昇に黄色信号が灯っている。S&P500種株価指数の15日の終値は1週間前比で0.94%高。直近の5営業日で3回の最高値更新を果たしており、高値圏で推移している。15日に発表された7月小売売上高も前向きに受け止められ、投資家心理は悪化していないようだ。一方、急ピッチの上昇は見通しへの警戒感も伴っている。人工知能(AI)ブームの立役者である半導体大手NVIDIA(エヌビディア)は15日までの週次で下落し、連騰記録は11週連続で停止。また、ドナルド・トランプ大統領の高関税政策を背景にした物価上昇加速への懸念が続く中、株式市場が期待する米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げがすんなりとは実現しない可能性もある。週明けの株式市場では、22日にFRBのジェローム・パウエル議長がワイオミング州ジャクソン・ホールで行う講演に向けて、上昇が減速する可能性もありそうだ。

S&P500は週次0.94%高 3日連続最高値の後で小休止

S&P500(SPX)の15日の終値は前日比では0.29%安の6449.80。12日に約2週間ぶりの最高値更新を果たした後、13、14日も記録を塗り替えていたが、上昇は小休止した。とはいえ、15日までの週次では上昇を確保しており、トランプ氏が半導体向けの関税について米国に投資する企業にはかからないと述べたことなどが好感された前週(4-8日週)の2.43%高に続く値上がりとなっている。ブルームバーグによると、トランプ氏が相互関税の一部停止を発表する前日にあたる4月8日につけた安値(4982.77)から4か月あまりで29.44%高となっており、上昇の勢いは維持された。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

7月の小売売上高には前向きな受け止め 幅広い分野で売り上げ上昇

15日に発表された7月の小売売上高も前向きに受け止められたようだ。前月比での伸び率は0.5%で、ブルームバーグがまとめた市場予想の0.6%を下回る一方、自動車と部品を除いたベースでの伸び率は市場予想通りの0.3%。金融市場では幅広い分野での売り上げ上昇が確認されたとの評価が目立った。トランプ氏の高関税政策には税率の引き下げや例外扱いが加えられており、4月の発表当時に懸念されたほどの悪影響は出ていないとの見方もできる。

アメリカの小売売上高の伸び率の推移のグラフ

エヌビディアの週次連続上昇は11でストップ 高値に警戒感

一方、15日の値動きには急ピッチでの上昇への警戒感も垣間見えた。S&P500への影響度が大きい大手ハイテク株では、エヌビディア(NVDA)が15日までの週次で1.23%安となり、2025年2-4月期決算の発表があった5月26-30日週を起点とした週次での連騰は前週までの11でストップ。同様にAIサービスの提供基盤であるクラウド事業の成長が評価されて株価が上昇してきたマイクロソフト(MSFT)も週次で0.36%安となり、2週連続での下落となった。マグニフィセント・セブンと呼ばれる7社の中では、エヌビディアとマイクロソフトを除く5社は上昇している。

エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・コム、テスラ、アップルの株価の推移のグラフ

高値に対する警戒感の背景には米国経済の見通しに対する不安もありそうだ。1日に発表された7月雇用統計は市場予想を大きく下回る悪い内容。14日発表の週次の失業保険関連統計では、3-9日週の新規失業保険申請件数が22.4万件となり、市場予想(22.5万件)をわずかに下回ったが、労働市場悪化への懸念はくすぶっている。

アメリカの新規失業保険申請件数と失業率の推移のグラフ

物価上昇に根強さ 労働市場悪化と同時進行の最悪シナリオも

また、米国経済をめぐっては物価上昇再燃への不安も改めて頭をもたげてきた。14日に発表された7月の卸売物価指数(PPI)の伸び率は前年同月比3.3%で、市場予想の2.5%を大きく上回る悪い結果。12日に発表された7月消費者物価指数(CPI)も食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率が市場予想を超えている。7月CPIは総合指数の伸び率では前月(6月)と同じ2.7%だったとはいえ、トランプ氏の高関税政策が物価上昇圧力となっている感は否めない。

アメリカのCPIとPPIの伸び率の推移のグラフ

FRBの利下げ見通しは後退 パウエル氏のジャクソン・ホールでの講演に注目 

このため米国経済の見通しには、労働市場の悪化と物価上昇の再燃が同時に起きる最悪シナリオもちらつく。こうした事態が現実になれば、FRBが利下げで経済活動を刺激したくても、物価上昇再燃を恐れて利下げに踏み切れないというジレンマに陥る可能性がある。FRBのパウエル氏は4月16日のシカゴでの講演では、「物価の安定がなければ、すべての米国民の利益となる強い労働市場を長期間にわたって達成することはできない」と発言。最悪シナリオのケースでは、物価上昇抑制を優先させて利下げには慎重になる見解を示したと受け止められ、当日のS&P500に前日比2.24%安の急落をもたらした。

実際、金融市場ではFRBの利下げに対する楽観拡大は止まっている。ブルームバーグによると、金融市場で見込まれている9月16、17日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は15日段階で4.114%で、現状の政策金利(4.25-4.50%、中間値4.375%)から0.261%ポイント低い水準。13日にはスコット・ベッセント財務長官が9月の0.5%利下げの必要性に言及し、金融市場では大幅利下げへの期待も強まったが、一方的な流れにはならなかったようだ。

FRBの政策金利の見通しの推移のグラフ

こうした中、週明け以降の株式市場では、米国東部時間22日午前10時(日本時間22日午後11時)に、ジャクソン・ホールで行われるパウエル氏の講演に注目が集まる。パウエル氏が足元の物価上昇についてトランプ関税による「一過性」の現象である可能性に軸足を置けば、利下げ期待を高めてS&P500の追い風になる一方、「不透明感」を強調すればパウエル氏の利下げへの慎重姿勢が悪材料視されることも考えられる。パウエル講演に向けた18日以降のS&P500の値動きは上昇の勢いが衰えることも想定されそうだ。


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