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米国株、中国リスク再燃でショック S&P500急落 エヌビディアに打撃

S&P500は10日に半年ぶりの急落。米中間の緊張再燃がショックとなった。同時に連邦政府職員の一時解雇も始まり、見通しは暗転している。

米国株、中国リスクでショック走る S&P500急落 エヌビディアに打撃 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場に衝撃が走った。S&P500種株価指数の10日の終値は前日比2.71%安となり、半年ぶりの急落。1週間前比でも約5か月ぶりの大幅な値下がりとなった。アメリカのドナルド・トランプ大統領が中国のレアアース輸出規制強化への対抗姿勢をみせたことが要因で、11月1日から中国製品に100%の追加関税をかける方針も示されている。10日は半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の株価が急落するなど、大手ハイテク株が軒並み下落。投資家心理は一気に冷え込んだ。また政府機関の一部閉鎖は依然として解消のめどがついておらず、10日には政府職員の一時解雇(レイオフ)も始まり、やはりS&P500にとっての逆風といえる。一方、米国経済の不透明感が増す中で、金融市場では米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しが強まっており、S&P500にとっての好材料ともいえる。ただ、米国政府が機能不全に陥ると同時に米中対立が再燃するという事態は想定を超えた展開で、S&P500の今後の見通しは暗転した。

アメリカのS&P500は2.71%安 相互関税の混乱期以来、半年ぶりの急落

S&P500(SPX)の10日の終値は6552.51。ブルームバーグによると、前日比での下落率(2.71%安)は、トランプ氏の相互関税一部停止後も中国との対決姿勢が悪材料視されていた4月10日(3.46%安)以来の下落率だ。10日の終値は1週間前比では2.43%安で、トランプ氏が欧州連合(EU)からの輸入品への高関税を示唆するなどした5月19-23日週(2.61%安)以来の大きな値下がりとなった。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

中国がレアアース関連の輸出規制を強化 トランプ氏は中国への100%追加関税表明

10日の急落は米中対立の再燃が原因だ。トランプ氏は10日午前11時前に自身のSNSトゥルースソーシャルへの投稿で、中国が世界各国に書簡を送付し、レアアースに関連する製品の輸出規制を強める考えを示したと公表。「中国が極めて敵対的になった」として、「米国の大統領として金融面での対抗措置に出ざるをえない」とした。さらに取引時間終了後の午後4時50分には、遅くとも11月1日から中国製品に100%の追加関税を課すとともに、重要なソフトウェアの中国に対する輸出規制を実施するとした。S&P500は10日の取引開始後は前日比プラス圏で推移していたが、トランプ氏の最初の投稿後に急落し、取引終了までに下げ幅を広げていく値動きだった。

S&P500の2025年10月10日の値動きのグラフ

エヌビディアは4.89%安 マグニフィセント・セブンはそろって2%超下落

10日の取引ではS&P500への影響度が大きい大手ハイテク株がそろって下落。中国市場をめぐる不安がこれまでも悪材料となってきたエヌビディアの株価(NVDA)は10日終値で前日比4.89%安となった。中国向け半導体「H20」が米国政府による輸出規制に加わったことが逆風となった4月16日(6.87%安)以来の下落率だ。このほか、電気自動車(EV)大手のテスラ(TSLA)は5.06%安、アマゾン・コム(AMZN)は4.99%安となり、マグニフィセント・セブンと呼ばれる7社の株価がすべて2%超値下がりしている。

エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン・コム、テスラ、アップルの株価の推移のグラフ

また10日はエヌビディア以外の半導体株も大きく下落した。アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)の終値は前日比7.72%安、クアルコム(QCOM)は7.29%安、ブロードコム(AVGO)は5.91%安となっている。さらにS&P500構成銘柄ではないものの、英半導体大手アーム・ホールディングスの株価(ARM)も9.29%安となり、10日ぶりに反落した。このうちクアルコムに関しては、中国当局が10日に独占禁止法違反の疑いで調査を始めたと報じられている。

エヌビディア、ブロードコム、アーム・ホールディングスなどの株価の推移のグラフ

投資家心理は急激に悪化 政府機関一部閉鎖は職員の一時解雇にまで進展

米中対立の激化は投資家心理を大きく冷やした。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の10日の終値は前日よりも31.83%高い21.66となり、6月19日(22.17)以来の高水準となった。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいいほど、今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。

VIXとS&P500の推移のグラフ

米国経済をめぐっては、1日から始まった政府機関一部閉鎖という重荷ものしかかっている。米行政管理予算局(OMB)のラッセル・ボート局長は10日、SNSのXへの投稿で「人員削減が始まった」と公表。これまで行われてきた予算失効に伴う一時帰休ではなく、一時解雇に踏み切ったことを明かした。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、ホワイトハウスは一時解雇の影響は「数千人の連邦政府職員に及ぶ」と説明しているという。政府機関閉鎖の悪影響が雇用面で深まったといえ、米国経済に対する下押し圧力を強めるS&P500にとっての逆風といえそうだ。

FRBの利下げ見通しは拡大 米中関係の緊張は週明けのS&P500にも重荷か

一方、米国経済の見通しの急激な悪化はFRBの利下げへの期待を強める動きも生んでいる。ブルームバーグによると、10日の金融市場では、12月9、10日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は3.611%と見込まれ、前日よりも0.037%ポイント低くなった。10月28、29日と12月FOMCの両方で利下げが行われる確率は95%と見積もられている。金利の先安観は株式投資の相対的な魅力を強めるS&P500にとっての好材料とみることも可能だ。また、トランプ氏が中国製品への100%関税の発動日を11月1日に設定していることからは中国との協議による解決を探る意図も感じられる。

FRBの政策金利の見通しの推移のグラフ

ただ、米国で政府機関一部停止が長期化しつつある中で米中対立が再燃する展開はこれまでの金融市場では大きく意識されてこなかった。トランプ氏はSNSへの投稿で「過去6か月の中国との関係は極めて良好だった。それだけに今回の中国の通商面での行動は驚きだ」としている。人工知能(AI)バブル不安の中でも8日に2025年に入って33回目の最高値を更新していたS&P500の力強さは米中関係の悪化が進まないことが前提になっていたともいえ、週明け13日以降のS&P500の見通しをめぐっては、今回の緊張再燃が下落圧力として働き続けることが想定されそうだ。


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