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オープンAI関連株、日米で転落 最高値から4割安 財務や競合に不安

オラクルとソフトバンクグループの株価は秋以降につけた最高値から急落。AIブーム継続性や財務への不安などが悪材料になっている。

オープンAI関連株、日米で転落 最高値から4割安 財務や競合に不安 出所:ブルームバーグ

人工知能(AI)ブームの火付け役であるオープンAIとの関わりが深い銘柄の値下がりが日米の株式市場で続いている。オープンAIとの巨額契約が追い風となっていたオラクルや、オープンAIへの出資を進めるソフトバンクグループ(SBG)の株価は9月以降につけた最高値から4割値下がり。株式市場でのAIブームの継続性をめぐる不安のほか、オープンAIの資金調達手法の不透明さやライバルの台頭といった課題が山積していることが影響したようだ。また各社の株価にとっては、米連邦準備制度理事会(FRB)の2026年の利下げペースの見通しが定まっていないことも不安材料。今後、FRBの利下げがスローペースになるとの見通しが強まれば、財務に不安を抱えるオープンAI関連銘柄の値下がりが進む可能性もありそうだ。

オラクルの株価は9月の最高値から42%安 ソフトバンクグループも1か月半で39%安

オープンAIとの関係が株価に影響した銘柄の代表格が、クラウド事業を手掛けるオラクル(ORCL)だ。オラクルの株価は16日の終値で10月末比28.16%安の188.65ドル。9月10日にオープンAIと3000億ドルにも上る契約を結んだことが好材料視された際は、株価が前日比35.95%高となって最高値(328.33ドル)をつけたが、その後、株価は失速した。オラクルの16日の終値は9月10日との比較では42.54%安にあたる。

またソフトバンクグループ(9984)の株価の16日の終値は10月末比38.89%安の1万6540円。10月29日には最高値にあたる2万7315円をつけていたが、一気に株安が進んだ。ソフトバンクグループが11月11日に発表した2025年7-9月期決算資料によると、ソフトバンクグループはオープンAIへの300億ドルの追加出資を進めており、年内にはオープンAIに対する持ち株比率が約11%に達する見通しだという。ソフトバンクグループとオラクルは、オープンAIの大規模AIインフラ構築構想「スターゲート」で連携を組む関係にある。

オラクル、ソフトバンクグループなどオープンAI関連株の値動き

このほか、オープンAIに約27%出資するマイクロソフト(MSFT)の株価の16日終値は10月末比で8.00%安。オープンAIに最大1000億ドルを投資する構想を示しているNVIDIA(エヌビディア、NVDA)の株価も同様に12.23%安となった。さらにマイクロソフトやエヌビディアなどともにスターゲートの技術パートナーとなっている英半導体大手アーム・ホールディングス(ARM)の株価は、11月以降に28.69%安となった。同じ期間のS&P500種株価指数(SPX)が0.58%安にとどまっていることを踏まえれば、オープンAI関連株の下落傾向は鮮明だ。

AIブームの継続性に対する不安が拡大 オープンAIの資金調達に不透明感

オープンAIをめぐる投資家心理の変化は10月下旬の大手ハイテク各社の決算発表が節目となった。マイクロソフトは10月29日に発表した7-9月期決算で利益の伸び率が大きく減速したうえ、設備投資額が前年同期比74.5%増の349億ドルに急拡大。2026年6月通期の設備投資額についても増加が加速する方向性を示し、AIブームの継続性に対する投資家の不安を駆り立てた。同じ日に決算発表を行ったメタ・プラットフォームズ(META)も設備投資の増加加速見通しが投資家心理を冷やしている

マイクロソフト、アマゾン・コム、メタ・プラットフォームズ、アルファベットの設備投資額の推移のグラフ

また、オープンAI自身にも巨額の設備投資費用に対する不安がつきまとう。オープンAIはエヌビディアやアドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)、ブロードコム(AVGO)から半導体を調達し、合計30ギガワット(3000万キロワット)超規模のデータセンターインフラを構築する考え。サム・アルトマンCEOは10月28日の配信動画で、1兆4000億ドルの資金が必要になるとした。ただ、オープンAIがどのようにして巨額の資金を調達するかは不透明。ブルームバーグは13日、関係者の話として、オラクルがオープンAI向けに進めているデータセンター計画の一部の完成時期を2027年から2028年に後ろ倒ししたと報じている。

アルファベットとの競合関係も逆風に ジェミニ3にはGPT-5を超える評価

これに対して、株式市場ではオープンAIのライバルにあたるアルファベット(GOOGL)の株価が好調だ。アルファベットがマイクロソフトなどと同じ10月29日に発表した7-9月期決算は総収入と利益の伸びが加速。株価は11月に入ってから足元までに9.03%高となっている。アルファベットが11月18日に発表した新型AIモデル「ジェミニ3」はオープンAIの「GPT-5」を超える性能だと評価されており、オラクルなどのオープンAI関連株にとっての逆風となっている。またアルファベットは財務面の堅実性への評価も高い。9月末段階での社債やリース債務などを含む長期債務残高は500億ドルで、直近4四半期の営業利益の0.4倍に抑えられている。

アルファベット、マイクロソフト、アマゾン・コム、メタ・プラットフォームズの長期債務残高の推移のグラフ

11月雇用統計は利下げ見通しを強めず オープンAI関連株にとっての逆風か

こうした中、米国の株式市場にはFRBの利下げ見通しが定まっていないという不安材料もある。米労働省が16日に発表した11月雇用統計は、非農業部門の就業者数が前月比6.4万人増となり、ブルームバーグがまとめた市場予想の5.0万人増を上回る結果。一方、失業率は4.6%となって市場予想(4.5%)を超え、2021年8月(4.7%)以来の高水準となった。株式市場ではFRBの利下げ見通しにとっては中立的な内容だと受け止められ、S&P500は3営業日続落の前日比0.24%安となっている。

雇用統計の推移のグラフ

今後、経済指標などを受けてFRBの利下げ見通しが後退すれば、財務の健全性が不安視され始めたオープンAI関連株への逆風はいっそう強まりそうだ。なかでもオラクルは11月末段階の長期債務が1367億ドルとなり、直近12か月の長期金利に対する比率は7.4倍になっている。オラクルの株価への不安は日本の株式市場ではソフトバンクグループの株価を下落させる可能性もあり、オープンAI関連銘柄をめぐる不安は長期化する可能性がある。

オラクルの長期債務残高と直近12か月の営業利益の推移のグラフ

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