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【7/30米国株】S&P500、強気相場維持はハイテク決算次第 マイクロソフト、クラウド事業の成長性は?

S&P500の強気相場継続はハイテク決算次第。30日にマイクロソフト決算。クラウド事業の成長性が焦点に。S&P500の株価指数CFD「米国500」の展望と注目のチャート水準についてIG証券のアナリストが簡単解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

・29日の米国株は反落するも投資家の心理は落ち着いている
・S&P500はパウエルFRB議長の会見とハイテク決算にらみ
・マイクロソフト決算、焦点はクラウド事業の成長性
・米国500の展望と注目のチャート水準について




関税不安が後退、落ち着いた投資家心理

29日の米株式市場は調整売り優勢となった。ナスダック総合株価指数は5営業日ぶり、多くの機関投資家が運用のベンチマークにするS&P500種株価指数は7営業日ぶりに反落した。

しかし、投資家の心理は落ち着いている。S&P500を対象とするオプション取引のボラティリティー指数のVIXは、警戒水準の20ポイントを下回る水準にある。

トランプ米政権が日本に続き欧州連合(EU)とも関税交渉で合意。中国との協議では、来月12日までとしている一部関税の停止期限を延長する方針を確認。最終的にトランプ米大統領が判断するという。関税不安の後退で投資家の心理は安定している。

VIX指数のチャート:年初来

VIX指数のチャート:年初来

ブルームバーグのデータで作成

30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見が焦点となろう。注目ポイントについては、以下のIG米国株レポートを参照されたい。

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30日にマイクロソフト決算、焦点はクラウド事業の成長性

エヌビディアを猛追するマイクロソフト
今日から明日にかけて大手ハイテク企業が続々と決算を発表する。30日にメタ・プラットフォームズ(META)とマイクロソフト(MSFT)、31日にアマゾン・ドットコム(AMZN)とアップル(AAPL)が決算を発表する。

マグニフィセントセブンの年初来パフォーマンスを確認すると、30%高でトップを走るエヌビディア(NVDA)をマイクロソフトが猛追している。S&P500の上昇率も上回っている。

マグニフィセントセブンの変動率:年初来

マグニフィセントセブンの変動率:年初来

ブルームバーグのデータで作成 / 7月29日時点

マイクロソフトの株価トレンドは決算次第
今年に入りマイクロソフト(MSFT)の株価トレンドは決算にらみの状況にある。この点を日足チャートで確認すると、1月29日発表の2024年10〜12月期決算では、AI事業の中核を担うインテリジェントクラウド部門の成長懸念を受け、株安トレンドを形成した。しかし、4月30日発表の2025年1~3月期決算では一転してクラウド基盤「Azure(アジュール)」などの売上高が33%増と、前四半期の31%増を上回り成長懸念を払しょく。株価は上昇トレンドにある。

一目の遅行線は日足ローソク足を上回る水準にあり、転換線はサポートラインとして株価を支えている。右肩上がりのトレンドチャネル内で推移している状況も考えるならば、強気地合いを維持している。

マイクロソフトの株価チャート:年初来

マイクロソフトの株価チャート:年初来

出所:TradingView

割高感が意識されやすい状況に
しかし、マイクロソフト(MSFT)の株価は年初来で21%上昇している(年初来パフォーマンスチャートを参照)。株高の進行で株価収益率(PER)は40倍近くにあり、AIブームによる米株高が始まった2023年の平均33.6倍を超えている。株価売上高倍率(PSR)も14倍と、2023年以降の平均11.7倍を超えている。日足のRSIが「買われ過ぎ」の水準で推移している状況も考えるならば、マイクロソフトの株価は高値警戒感が意識されやすい状況にある。

30日の決算が投資家の失望を誘う場合は、短期的に50日線までの調整売りを想定したい。この移動平均線は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%戻し482ドル付近まで上昇している(上の日足チャート、青ラインを参照)。一方、前回に続き今回の決算も投資家の期待に応える内容となれば、株高トレンドを維持しよう。

マイクロソフトのPERとPSR:2023年以降

マイクロソフトのPERとPSR:2023年以降

ブルームバーグのデータで作成

決算の焦点はクラウド事業の成長性
30日の引け後にマイクロソフトが2025年4~6月期(第4四半期、以下では4Q)決算を発表する。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によれば、4Qの売上高は前年同期比14.16%増の738億9,100万ドルが見込まれている。1株利益(EPS)は3.37ドルの予想にある。前年同期は2.95ドルだった。

売上高と1株利益の推移:2022年以降

売上高と1株利益の推移:2022年以降

ブルームバーグのデータで作成 / 赤の棒グラフ:4Qのアナリスト予想

上述した通り、インテリジェントクラウド部門の成長性がマイクロソフトの株価トレンドに大きな影響を与えている。ブルームバーグのアナリスト予想によれば、4Qの売上高は前年同期比22.34%増の290億9,800万ドルが見込まれている。

インテリジェントクラウド部門の売上高推移:2022年以降

インテリジェントクラウド部門の売上高推移:2022年以降

ブルームバーグのデータで作成 / 赤の棒グラフ:4Qのアナリスト予想

マイクロソフトの見通しではクラウド基盤「Azure(アジュール)」などの売上高は、為替変動を除くベースで34〜35%の増収を見込む。ブルームバーグのアナリスト予想は34.23%にある。アナリスト予想を下回る場合は、株価の重石となろう。また、巨額の設備投資に対する懸念も高める要因となろう。マイクロソフトの2025年6月期通期のデータセンター向け投資額は800億ドルに達する見通しにある。

一方、4Q決算と業績見通しが総じて投資家の期待に応える内容となれば、株高トレンドの維持が予想される。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によれば、2025年7~9月期の売上高は前年同期比13.43%増の743億9,000万ドル、1株利益(EPS)は3.59ドル(前年同期は3.30ドル)が見込まれている。

7~9月期の業績予想
・売上高: 743億9,000万ドル(前年同期比13.43%増)
・1株利益:3.59ドル(前年同期3.30ドル)

出所:ブルームバーグ、7月29日時点


米国500の見通しとテクニカル分析

6,420と6,454レベルの攻防
関税不安が後退するなか、パウエルFRB議長の会見とハイテク決算が株高の要因となれば、週後半のS&P500は上値を目指す展開が予想される。この場合、同指数が原資産の株価指数CFD「米国500」は、28日に上昇を止めたフィボナッチ・エクステンション100%の水準6,420レベル(6,417)の突破とサポートラインへの転換を確認したい。このテクニカルラインを完全に上方ブレイクすれば、フィボナッチ・エクステンション127.2%の水準6,454レベルのトライを想定したい。

昨日の反落で短期サポートラインを下方ブレイクし、28日のIG米国株レポートで取り上げた週間予想レンジ上限6,500が若干遠のいた。続伸の局面では6,454レベルでの反落を警戒したい。

レジスタンスライン:1時間足
・6,500:週間予想レンジの上限、フィボナッチ・エクステンション161.8%
・6,454:フィボナッチ・エクステンション127.2%
・6,417:フィボナッチ・エクステンション100%

6,300の維持
S&P500の日足RSIは買われ過ぎの水準で低下のムードにある(日足チャート、黒矢印を参照)。短期的な上昇の過熱感が意識されやすいなか、米FOMC関連のイベントとハイテク決算が株高の調整要因となれば、米国500は、28日のIG米国株レポートで取り上げた週間予想レンジの下限6,300を視野に下落幅の拡大を想定したい。

昨日は、28日のレポートで取り上げた6,370レベルでひとまず反発した。(1時間足チャート、黒矢印を参照)。今日以降、このラインを下方にブレイクする場合は、サポート転換の可能性がある6,355レベルと6,335レベルのトライを想定したい。後者の6,335にはS&P500の10日線と一目の転換線が上昇している(日足チャートを参照)。重要なテクニカルラインが重なる6,335を下方ブレイクする場合は、予想レンジ下限6,300の攻防を意識したい。S&P500の20日線が6,291レベルまで上昇している。

サポートライン
・6,370:サポートライン(1時間足)
・6,355:サポートライン(1時間足)
・6,335:サポートライン(1時間足)、10日線と転換線(日足)
・6,300:予想レンジの下限、20日線(日足)


S&P500のチャート

日足:6月以降

S&P500のチャート 日足:6月以降

出所:TradingView

米国500のチャート

1時間足:7月14日以降

米国500のチャート 1時間足:7月14日以降

出所:IGチャート


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