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米国株、最高値に追い風 S&P500三連騰 エヌビディアが4%急騰

S&P500は3営業日連続で最高値。エヌビディアがオープンAIに1000億ドルを投資する計画が追い風となったが、FRB利下げ期待の後退は不安材料だ。

米国株、最高値に追い風 S&P500三連騰 エヌビディアが4%急騰 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場が連日の最高値更新に沸いている。S&P500種株価指数の22日の終値は前週末比0.44%高で、3営業日連続の最高値。半導体大手NVIDIA(エヌビディア)がオープンAIに最大1000億ドルを投資する計画を発表したことが好材料となった。エヌビディアの株価は22日に4%近く上昇し、2か月ぶりの急騰でやはり最高値を更新している。一方、AIブームの二枚看板といえる両社の戦略的連携のニュースは、他の大手ハイテク企業の株価を押し上げる効果は生まなかった。また、22日には米連邦準備制度理事会(FRB)幹部から追加利下げに慎重な発言が相次いでおり、金融市場では不安材料として受け止められている。今後のS&P500の見通しをめぐっては、23日に予定されているジェローム・パウエル議長の講演が注目点といえ、投資家心理を改めて揺らす可能性もありそうだ。

アメリカのS&P500は0.44%高 9月だけで8回目の最高値 

S&P500(SPX)の22日の終値は6693.75。最高値更新は2025年に入ってから28回目で、9月だけでも8回目に達している。歴史的にみてS&P500は9月に不振に見舞われる傾向があるが、2年連続で9月のジンクスを跳ね返す力強さを感じさせている。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

エヌビディアがオープンAIに1000億ドル投資へ 株価は3.93%高で最高値更新

S&P500の22日の上昇はエヌビディアへの追い風が原動力となった。エヌビディアとオープンAIは22日、戦略的な連携強化を発表。オープンAIが消費電力でみて10ギガワット(1000万キロワット)超のデータセンターを展開するにあたり、エヌビディアが段階的に最大1000億ドルを投資する構想だ。第一段階となる1ギガワット相当のデータセンターの展開は2026年後半になる予定で、エヌビディアの次世代半導体システムが用いられる。

この発表を受けてエヌビディアの株価(NVDA)の22日の終値は前週末比3.93%高の183.61ドルとなり、8月12日(183.16ドル)以来、約6週間ぶりに最高値を更新。上昇率はエヌビディアが、半導体製品H20の輸出が米国政府に認められるとの方向性を示したことを受けた7月15日(4.04%高)以来の高さとなった。エヌビディア以外の半導体株でも、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(AMAT)が6営業日続伸の5.48%高。S&P500構成銘柄ではないものの、英半導体大手のアーム・ホールディングス(ARM)の株価は1.10%高となって5営業日ぶりに反発した。

エヌビディア、アーム・ホールディングス、アプライド・マテリアルズなどの株価の推移のグラフ

大手ハイテク株には火はつかず AIブームの株式市場全体への影響に疑問符

ただ、AI開発やサービス展開に不可欠な高性能半導体の供給で急成長してきたエヌビディアと対話型AIサービスChatGPTでAIブームに火をつけたオープンAIとの連携というニュースは、S&P500への影響度が大きい大手ハイテク株全体の値上がりにはつながらなかった。メタ・プラットフォームズの株価(META)は22日に前週末比1.70%安。アマゾン・コム(AMZN)は1.66%安となっている。アルファベット(GOOGL)やマイクロソフト(MSFT)の株価も値下がりしており、投資家はAIブームの継続が株式市場全体を押し上げるとの見方には懐疑的になっている可能性がある。

エヌビディア、アルファベット、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コム、アップル、テスラの株価の推移のグラフ

FRB幹部が相次ぎ追加利下げに慎重姿勢 年内2回の利下げへの期待が後退

また22日にはS&P500の最高値更新の背景となっているFRBが今後も利下げを進めるとの見通しにも冷や水がかかった。セントルイス連銀のアルベルト・ムサレム総裁は22日の首都ワシントンでの講演で、17日に0.25%幅で引き下げられた政策金利の水準について、やや引き締め的な水準と中立的な水準の間にあると分析。17日までの連邦公開市場委員会(FOMC)では労働市場の悪化を踏まえて利下げを支持したものの、「さらなる金融緩和の余地は限られている」と述べた。また、ブルームバーグによると、クリーブランド連銀のベス・ハマック総裁は22日のオハイオ州でのイベントで利下げには「極めて慎重であるべき」と発言。アトランタ連銀のラファエル・ボスティック総裁も22日公開の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで物価上昇の根強さが長期化するおそれに懸念を示し、現段階ではこれ以上の年内利下げを支持しない考えを示した。

こうした中、22日の金融市場ではFRBの追加利下げに対する期待が後退。ブルームバーグによると、12月FOMC後の政策金利の水準は3.652%と想定されており、前日よりも0.020%ポイント高くなった。10月利下げの確率は89%、10月を含めた年内2回の利下げの確率は73%程度と見積もられている。米国の金利の先安観が弱まり、金利の高止まりが意識されることは、株式投資の想定的な魅力を低くするS&P500にとっての逆風といえる。

金融市場で見込まれるFRBの政策金利の見通しの推移のグラフ

投資家心理は悪化 23日のパウエル議長の講演に注目

実際、利下げ期待の後退は投資家心理を悪化させたようだ。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の22日の終値は前週末よりも4.21%高い16.10となり、利下げ決定前日の16日(16.36)以来の高さとなった。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。

VIXとS&P500の推移のグラフ

FRBの動向に注目が集まる中、金融市場の関心はパウエル氏がロードアイランド州で23日午前12時35分(日本時間24日午前1時35分)に行う講演に集まっている。パウエル氏の発言が年内2回の利下げに慎重だとみなされれば、最高値更新を続けるS&P500の上昇の足を引っ張るシナリオも考えらそうだ。


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