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米国株に経済指標リスク S&P500続落 雇用統計とCPIで波乱も

S&P500は2営業日続落。16日の雇用統計と18日のCPIで労働市場悪化と物価上昇圧力の強さが確認されれば、S&P500が急落するリスクもある。

米国株に経済指標リスク S&P500続落 雇用統計とCPIで波乱も 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場に緊張感が出ている。S&P500種株価指数の15日の終値は前週末比0.16%安で、2営業日連続で値下がりした。同時にウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数は2営業日連続で上昇しており、投資家心理も揺らいでいる。米国経済をめぐっては、16日に11月の雇用統計、18日に11月の消費者物価指数(CPI)が発表される予定。労働市場の悪化と物価上昇の根強さが同時に確認された場合には、経済状況悪化の中で米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しが後退する恐れがあり、S&P500に波乱が起こる可能性がありそうだ。また、米国の株式市場では人工知能(AI)ブームの継続性をめぐる不安もくすぶっており、半導体大手ブロードコムなどの急落も続く。AIブームとFRBの利下げへの期待はS&P500の値上がりの原動力となってきただけに、悪材料が出た場合の下落反応が大きくなるリスクが高まっている。

アメリカのS&P500は2営業日続落 投資家心理も悪化

S&P500(SPX)の15日の終値は6816.51。前週末12日の1.07%安に続く値下がりとなった。ブルームバーグによると、長期金利(10年物米国債利回り)は15日のニューヨーク債券市場の終値で4.174%となり、3営業日ぶりに低下したものの、引き続き3か月ぶりの高水準といえ、株価上昇の足を引っ張ったとみられる。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

また15日の金融市場では投資家の不安も強まった。シカゴ・オプション取引所によると、VIX指数(VIX)の15日の終値は前週末よりも4.83%高い16.50。2営業日連続での上昇となった。14日につけた3か月ぶりの低水準(14.85)から反発が続いた形だ。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。

VIXとS&P500の推移のグラフ

雇用統計とCPIの発表が間近に FRBの利下げ見通しを左右

S&P500の下落の背景にあるのは、11月12日までの政府機関閉鎖の影響で遅れていた重要経済指標の発表が間近に迫っているという事情だ。米労働省は16日午前8時30分(日本時間16日午後10時30分)に11月雇用統計を発表。2日後の18日午前8時30分には11月CPIを発表する。

このうち11月雇用統計は労働市場の悪化が見込まれている。ブルームバーグがまとめた事前予想によると、非農業部門の就業者数は前月比5.0万人増となり、最新発表データである9月の11.9万人増から雇用拡大が減速する見通し。また失業率は4.5%と見込まれ、2021年10月(4.5%)以来、4年ぶりの高さになると予想されている。さらに平均時給の前年同月比での伸び率は9月よりも0.2%ポイント低い、3.6%となりそうだ。実際に発表されるデータが市場予想に沿った内容になれば、FRBの2026年の利下げ見通しが裏付けられ、S&P500にとっての値上がり要因といえる。

アメリカの雇用統計(就業者数増減、失業率、平均時給伸び率)の推移のグラフ

労働市場悪化と物価上昇の根強さでS&P500が急落するリスクも

ただ、FRBの利下げ見通しは18日の11月CPIでも大きく左右される。労働市場の悪化と同時に、物価上昇圧力の強さも確認された場合、FRBが雇用拡大のために利下げをしたくても物価上昇過熱への警戒から利下げを決断できないという、S&P500にとって最悪のシナリオが浮上するリスクがある。ブルームバーグによると、15日の金融市場では、ジェローム・パウエル議長の任期中最後のFOMCとなる4月会合後の政策金利の水準は3.431%と見込まれ、4月までの利下げ確率は85%とされている。雇用統計とCPIが最悪シナリオの可能性を感じさせれば、利下げ見通しが大きく後退し、S&P500が急落する可能性も否定できない。

金融市場で見込まれるFRBの政策金利の見通しの推移のグラフ

AIブームへの期待も揺らぎ ブロードコムは3日続落で17.72%安

また、米国の株式市場ではAIブームの継続性をめぐる不安もくすぶる。11日に行った2025年8-10月期決算発表が投資家の期待に応えられなかったブロードコム(AVGO)の株価は15日の終値で前週末比5.59%安。3営業日続落の間に17.72%安となっている。また、10日の9-11月期決算発表が悪材料となった、クラウド事業を手掛けるオラクル(ORCL)の株価も15日までの3営業日続落で合計17.08%安となった。

ブロードコム、エヌビディア、アーム・ホールディングスなどの値動きの推移のグラフ

エヌビディアなど大手ハイテク株も不振 波乱リスクの背景に

こうした中、S&P500への影響度が大きい「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社の株価も不振だ。15日の取引ではアマゾン・コム(AMZN)が3営業日続落の前週末比1.61%安となるなど、7社中の4社が値下がり。一方、AIブームの立役者である半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の株価は0.73%高となったが、前週末までの4日続落で合計5.68%安となった後だけに、完全復調とはいえなさそうだ。BITA社が7社の株価に基づいて算出するマグニフィセント・セブン指数(MAGSEVEN)は15日までの4営業日続落で、合計2.25%安となっている。

アルファベット、エヌビディア、アップル、メタ・プラットフォームズ、テスラ、マイクロソフト、アマゾン・コムの株価の推移のグラフ

現在の株式市場は2023年以降の株価上昇の背景なってきたAIブームへの期待と、2025年の株価上昇を支えてきたFRBの利下げ見通しが同時に危ぶまれている状況。11月雇用統計と11月CPIが株式市場にとって悪い内容とみなされた場合には、S&P500が波乱に見舞われる展開も想定されそうだ。


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