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マイクロソフト、株価に割高感の壁 29日決算 設備投資戦略も焦点

マイクロソフトの29日の7-9月期決算は株価の割高感解消が焦点。利益成長を維持しながら、AIサービスでの競争力を高められるかが注目される。

マイクロソフト、株価に割高感の壁 29日決算 設備投資戦略も焦点 出所:ブルームバーグ

マイクロソフトが29日の取引時間終了後に行う2025年7-9月期決算は、株価の割高感解消の道筋を示せるかどうかが意識されそうだ。マイクロソフトの株価は前回(4-6月期)決算での予想を超える成長が値上がりのきっかけとなった後、上昇が頭打ち。他の大手ハイテク株同様、予想株価収益率(PER)での30数倍という水準が壁になった可能性がある。一方、マイクロソフトの業績をめぐっては、人工知能(AI)サービスの提供基盤であるクラウド事業の堅調さが予想されているという好材料もあるが、大手ハイテク企業の間での競争環境はますます厳しくなってきた。29日の決算発表ではマイクロソフトが利益成長で株価の割高感を解消しつつ、AIサービスの提供能力を拡大する投資戦略を示せるかどうかも注目される。

マイクロソフトの7-9月期決算は利益の成長が急減速の見通し

マイクロソフトはアメリカ東部時間の29日午後5時30分(日本時間30日午前6時30分)に決算会見を開く。ブルームバーグのまとめによると、マイクロソフトの7-9月期決算に関する事前予想は、総収入が前年同期比14.9%増の753.86億ドル、1株当たり利益(EPS)が11.5%増の3.68ドルと見込まれている。予想通りになれば、総収入は前四半期(4-6月期)の18.1%増から伸びが減速。1株当たり利益では前四半期(23.7%増)から伸び率が半減することになる。マイクロソフトは直近24回の四半期決算のうち2回で総収入が事前予想を下回った。1株当たり利益では1回、市場予想を超えられなかった。

マイクロソフトの業績の推移のグラフ

マイクロソフトの株価は2024年末比で22.81%高 前回決算発表からは横ばい

マイクロソフトの株価(MSFT)の21日の終値は517.66ドルで、2024年末比では22.81%高。マグニフィセント・セブンと呼ばれる大手ハイテク7社の中では、半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)やアルファベット(GOOGL)の30%台には見劣りするが、好調な値動きといえる。半面、前回決算発表があった7月30日の終値との比較では0.86%高に留まっており、足元では勢いが失われているともいえそうだ。

マイクロソフトの株価と予想PERの推移のグラフ

ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率は21日段階で32倍程度で、前回決算発表時の34倍程度からやや割安となった。アナリストが提示する目標株価の平均は約630ドルで、現状よりも22%ほど高い。72人のアナリストのうち70人は買いを推奨。2人は維持を勧めている。

株価上昇は予想PERが35倍に近づき頭打ち クラウド事業の成長ペースは維持か

マイクロソフトの株価は前回の決算発表後、一時は大きく上昇していた。総収入と1株当たり利益がともに市場予想超えたためで、決算発表から3営業日後にあたる8月4日の終値は決算発表直前から4.36%高の535.64ドルとなっていた。しかしこの段階でマイクロソフトの株価の予想PERは35倍近くに達しており、さらに上値を追う勢いはつかなかったようだ。大手ハイテク株ではエヌビディアやアップルも2025年に入ってから、予想PERが35倍程度で頭打ちになる傾向が出ている。

主な大手ハイテク企業の株価の予想PERの推移のグラフ

一方、29日発表の7-9月期決算では、AIサービスの提供基盤であるクラウド事業の堅調さが好材料とみなされる可能性がある。ブルームバーグのまとめによると、マイクロソフトの7-9月期のクラウド事業の収入は前年同期比25.2%増の301.71億ドルになる見通し。4-6月期の25.6%増とほぼ同じ水準が見込まれている。エイミー・フッドCFOは3か月前の決算会見で、クラウドサービス全般にわたって受注残高が3680億ドルにも上っていることを明かし、クラウド事業の成長の持続性を示していた。

マイクロソフトのクラウド事業の収入と伸び率の推移のグラフ

クラウド事業の競争激化 設備投資額の増加ペース鈍化にはリスクも

ただ、クラウド事業をめぐっては競争がますます激しくなっている。9月9日に6-8月期決算を発表したオラクル(ORCL)は8月末段階でのクラウド事業の受注残高が4553億ドルになっていると公表し、株式市場を驚かせた。また、オープンAIは23日にオラクルとの間で5年間で3000億ドル超の契約を結んだと明かしている。2022年11月にChatGPTを発表したオープンAIはAIブームの火付け役といえるだけに、オラクルやマイクロソフト、アルファベット、アマゾン・コム(AMZN)といった大規模クラウド事業者の間で大口顧客の奪い合いが始まっているとみることもできる。マイクロソフトはオープンAIと提携関係にあるものの、オープンAIは合計26ギガワット(2600万キロワット)相当のデータセンターを自ら展開する構想も明かしており、AIサービスでの競争も激化しそうだ。

こうした中、マイクロソフトはAIサービス強化のために続けてきた設備投資の増加ペースを緩める方針も示している。2026年6月通期の設備投資の増加率は、2025年6月通期の増加率(58.3%増)よりも小さくなる見通しだという。こうしたかじ取りで設備投資負担が収益を圧迫することを回避することができれば、株価の割高感解消のためには好材料だが、設備投資減速にはAIサービス展開のペースでオープンAIに後れを取るリスクもあり、29日の決算発表では今後の投資戦略に関する言及も注目される。


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