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米国株、米中首脳会談で反発も S&P500連騰停止 上昇にブレーキ

S&P500は利下げ見通し後退で連騰停止。ハイテク企業決算からも逆風が吹いた。ただAIブームへの期待は強く、米中首脳会談も好感される可能性がある。

米国株、米中首脳会談で反発も S&P500連騰停止 上昇にブレーキ 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場の上昇機運に冷や水がかかった。S&P500種株価指数の29日の終値は前日からほぼ横ばいの0.30ポイント安。5営業日ぶりの反落となった。米連邦準備制度理事会(FRB)が29日に利下げを決めつつも、ジェローム・パウエル議長が12月の利下げに慎重姿勢を示したためだ。また29日の取引時間終了後には、大手ハイテク企業3社が2025年7-9月期決算を発表。このうちメタ・プラットフォームズとマイクロソフトは設備投資の加速方針が嫌気され、時間外取引で株価が下落した。ただ、対話型人工知能(AI)サービスChatGPTで知られるオープンAIは28日にサービス供給能力の拡大を進める方針を公表。半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の時価総額は29日に5兆ドルを超えた。また足元の米国経済の堅調さや米中首脳会談で協調が演出される見通しであることも好材料で、S&P500の今後の見通しをめぐっては上昇圧力が復活する展開も想定されそうだ。

アメリカのS&P500はわずかに下落 最高値の連続更新途絶える

S&P500(SPX)の29日の終値は6890.59。前日の6890.89から極わずかな値下がりだった。ブルームバーグによると、S&P500は前日までの4連騰で2.86%高となり、3営業日連続で最高値を更新していたが、上昇に急ブレーキがかかったといえる。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

FRBのパウエル議長が利下げに慎重姿勢 12月利下げは「既定路線とは程遠い」

S&P500の値上がりに冷や水をかけたのはFRBのパウエル氏だ。FRBは29日までのFOMCで市場予想通りに0.25%幅での利下げを決定。政策金利を3.75-4.00%に設定した。FRBは声明文の中で、利下げの理由について、「この数か月、雇用に関する下振れリスクが増している」と説明した。

一方、パウエル氏はFOMC後の記者会見で今後の利下げには慎重姿勢を示した。12月のFOMCでの利下げについては「既定路線とは程遠い」と述べ、FOMC参加者の中で意見の隔たりが大きいことを強調。直近2回の会合で合計0.50%幅での利下げを行ったことから、次回は様子をみるべきだとの声がある一方、さらに利下げを進めるべきだとの声もあると話した。

12月利上げ見通しが大きく後退 FOMC参加者に意見の隔たり

実際、利下げを決めた29日までのFOMCでも、カンザスシティ連銀のジェブリー・シュミッド総裁は政策金利の維持を主張。これに対してスティーブン・マイラン理事は0.50%幅での利下げを求めていた。こうしたFRBからの情報発信を受け、29日の金融市場ではFRBの利下げに対する期待が大きく後退。ブルームバーグによると、29日の金融市場で見込まれている12月FOMC後の政策金利の水準は3.715%となり、前日から0.089%ポイント上昇した。金利の先安観の後退は、株式投資の魅力を相対的に弱めるS&P500にとっての悪材料だ。

FRBの政策金利の見通しの推移のグラフ

メタとマイクロソフトは時間外取引で株価急落 設備投資負担に不安

また、S&P500には取引時間終了後の大手ハイテク企業による決算発表からも逆風が吹きつけた。メタ・プラットフォームズ(META)とマイクロソフト(MSFT)の7-9月期決算ははいずれも総収入と1株当たり利益が市場予想を超えたものの、今後の設備投資費用の伸び率が加速するとの見通しを示したことが投資家に嫌気された。メタの株価は29日の時間外取引で直前の終値から9%超下落。マイクロソフトの株価も同様に5%近く値下がりした。メタとマイクロソフトの株価は17日から29日にかけての9営業日でそろって5%台の上昇をみせていたが、30日の取引では下落圧力が意識されそうだ。

マグニフィセント・セブンの株価の推移のグラフ

オープンAIは上場も示唆 衰えないAIブームでエヌビディアは時価総額5兆ドル

ただ、株式市場でのAIブームに対する期待は衰えていない。メタやマイクロソフトと同様に29日の取引時間終了後に7-9月期決算を発表したアルファベットもやはり、2026年の設備投資の大幅な積み増しを表明したが、時間外取引で株価は一時、7%超値上がりした。7-9月期の1株当たり利益(EPS)の成長が大きく加速したことが設備投資への不安を和らげたようだ。

またAIブームの火付け役であるオープンAIは28日に組織再編を完了したと発表。非営利段階のオープンAI財団による管理下で、公益を重視する営利企業としてのオープンAIグループがAI開発やサービス展開を担う。オープンAI創業者のサム・アルトマンCEOは28日の配信動画で、これまでに公表したデータセンター構想の規模は合計で30ギガワット(3000万キロワット)超に達していると説明。1兆4000億ドルの資金が必要になるとした。そのうえで、オープンAIの理念を実現するにはさらなる投資が必要だと説明。オープンAIの株式上場による資金調達については、喫緊の課題ではないとしつつ、「最もありえる道筋だ」と述べた。

オープンAIを含む各社の積極投資姿勢は、AI開発やサービス展開に不可欠な高性能半導体への需要を高めることが確実。29日の株式市場では、2023年以降のS&P500の上昇を牽引してきたエヌビディアの株価(NVDA
)が5営業日続伸の前日比2.99%高となった。ブルームバーグによると、終値段階での時価総額は5兆0310億ドルにまで到達している。このほか、ブロードコム(AVGO)の株価も5営業日続伸の3.49%高。アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)は2日ぶり反発の2.45%高となった。

エヌビディアなど半導体株の推移のグラフ

米国経済に底堅さ トランプ氏は中国との協調演出でS&P500に上昇圧力も

さらにS&P500にとっては米国経済の大崩れがみられないことも好材料だ。パウエル氏は29日の記者会見で、1日からの政府機関一部閉鎖で経済指標の発表が見送られる中でも、州レベルで集計される失業保険関連統計などに基づいた判断では「労働市場の悪化が加速しているわけではない」と指摘。同時に24日に例外的に発表された9月消費者物価指数(CPI)を踏まえれば、個人消費支出(PCE)物価指数の食品とエネルギーを除いたコア指数について、関税の影響を除いたベースでの前年同期比伸び率は「2.3-2.4%の範囲にある」との推計を示し、「我々の目標(2.0%)から遠く離れているわけではない」とした。

S&P500の懸念材料となっていた米中関係の悪化への懸念も後退している。ブルームバーグによると、ドナルド・トランプ大統領は29日、記者団に対し、中国からの米国への合成薬物フェンタニル流入に関連してトランプ氏が課していた中国製品への追加関税について「引き下げることになると思う。中国はフェンタニル問題の解決で米国を助けようとしてくれている」と話した。エヌビディアの最新型の半導体システムの扱いについても30日の首脳会談で取り上げるという。

こうした中、S&P500の先物価格は日本時間30日の取引で回復基調だ。午前11時台には、午前3時30分すぎにパウエル氏の記者会見での発言が価格急落を招く直前の水準にまで戻っている。このため30日のS&P500の値動きをめぐっては、上昇圧力の強さも感じられる可能性がありそうだ。

S&P500の先物価格の推移のグラフ

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