日経平均、高市トレードにリスク 週次急騰 よぎる1年半前の悪夢
日経平均は週次1996円高。一時は5万4000円台にのせた。高市トレードの再燃を感じさせるが、期待先行の急騰はリスクもはらんでいる。
日経平均株価の急騰が続いている。日経平均株価の16日の終値は1週間前比1996.28円高で、2カ月半ぶりの大きな上げ幅。14日には5万4000円台をつけ、年明け以降で早くも3度目の最高値更新を果たした。高市早苗首相が月内に衆議院を解散する見通しとなったことが、積極財政路線を好材料視する高市トレードの再燃につながった。ただ、2025年の日経平均の上昇を牽引したソフトバンクグループの株価は不振で、人工知能(AI)ブームが株価押し上げる力の弱まりも感じられる。また、ドル円相場での円安進行は日本政府による為替介入の現実味を高めており、仮に円高が急進した場合には投資家心理が一気に冷え込むリスクもある。実際、日経平均は1年半前の2024年夏、円高急進を機に1か月間で25%超の値下がりに見舞われた経験もある。週明けから2月上旬にかけては、日米の金融政策の発表や企業決算などの重要イベントが相次ぐだけに、日経平均が最高値から転落する恐れもありそうだ。
日経平均株価は週次1996.28円高 衆院解散検討報道で一時5万4341.23円
日経平均株価(N225)の16日の終値は前日比では174.33円安の5万3936.17円だった。9日深夜に伝わった高市氏が衆院解散を検討しているとの報道を受け、3連休明けの13日に1609円高の急騰で5万3000円台乗せを達成。さらに翌14日には5万4341.23円まで記録を伸ばした。15日と16日は大幅高の反動が出たものの、週次での上昇幅(1996.28円高)は、米中協議の進展や円安進行が好材料視された2025年10月27-31日週(3111.69円高)以来、11週ぶりの大きさとなった。高市氏は19日夕方に記者会見を開き、解散の理由や日程などについて説明する。
高市トレードが再燃 アドバンテストと東京エレクトロンが牽引役に
衆院解散見通しが日経平均を押し上げるのは、高い支持率を誇る高市氏が政権基盤を強め、積極財政路線が維持されるとの期待があるからだ。ブルームバーグによると、日経平均の16日の終値は高市トレードの起点となった自民党総裁選挙前日にあたる2025年10月3日終値との比較で17.84%高。2012年12月からのアベノミクス相場の同時期の伸び率(27.32%高)には見劣りするものの、急ピッチでの上昇が再点火した可能性も感じさせる。
個別株の値動きでは、半導体検査装置のアドバンテスト(6857)が週次12.56%高となり、日経平均を680円押し上げ。半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)も週次11.18%高で425円の押し上げ効果を生んだ。両社の値動きは、半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC、TSM)が15日に、2026年の業績について強気な見通しを示したことも追い風になっている。
ソフトバンクグループは週次5.93%安の不振 円安進行で為替介入の現実味増す
ただ、2026年に入ってからの株式市場では、アドバンテストや東京エレクトロンと並んで2025年の日経平均の急騰を引っ張ったソフトバンクグループ(9984)の不振が目立つ。ソフトバンクグループの16日の終値は1週間前比5.93%安。2025年末との比較では8.86%安となって、日経平均の足を引っ張っている。ソフトバンクグループは、対話型AIサービスChatGPTで知られるオープンAIへの出資が好材料視されてきた。しかしオープンAIは巨額のAIインフラ投資のための資金調達手法の不透明さや、アルファベットなどとの競合の結果、成長期待が後退しているもようで、ソフトバンクグループの株価の重荷となっている。
また、日経平均の今後の見通しをめぐっては、ドル円相場(USD/JPY)の動きが波乱要因になる可能性もある。高市氏の積極財政はドル円相場では、日本の財政の健全性を損ねる円安要因との位置づけ。ブルームバーグによると、ドル円相場は14日には1ドル=159.45円をつけ、1年6か月ぶりの円安水準を更新した。日本政府はこうした円安急進に神経を尖らせているだけに、今後の展開次第では、為替介入が円高を急進させる筋書きも考えられそうだ。
2024年夏は円高急進と日経平均急落が同時進行 週明けの日経平均は荒れ模様か
実際、日本政府は1年6か月前の2024年7月11日に為替介入を行ったとみられ、ドル円相場が8月上旬までの1か月で161円台後半から141円台まで円高に進むきっかけを作った。この1か月、日経平均は介入当時の最高値の4万2224.02円から8月5日の3万1458.42円まで、25%超もの値下がりを記録している。為替介入後、日本銀行が利上げに積極姿勢を示したことや、米国の雇用統計で労働市場の弱まりが感じられたことも、円高急進の要因になっていた。
足元の金融市場でも、22、23日に日銀の金融政策決定会合が控えており、ドル円相場が荒れるきっかけになる可能性がある。27、28日の連邦公開市場委員会(FOMC)や、大手ハイテク企業の2025年10-12月期決算発表、2月6日の米国の1月雇用統計なども、投資家心理が大きく揺れ動く重要イベントだ。
さらに米国の株式市場の見通しにも不安は山積している。16日には米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長人事をめぐり、利下げに積極的とされる有力候補が指名争いで後退したとの観測がS&P500種株価指数(SPX)にとっての悪材料になった。日経平均の上昇ペースの急激さが期待先行の結果であることは明らかなうえ、15日には立憲民主党と公明党が統一名簿方式での「新党結成」で合意したと発表するなど、衆院選の見通しが不透明なこともあり、週明け19日以降の日経平均は荒れ模様の展開も想定されそうだ。
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