ドル円、高市円安の第2幕か 日銀4月追加利上げも 為替介入間近?
ドル円相場は衆院解散を見込んだ円安圧力が継続。一方、金融市場では4月利上げの可能性も浮上しているが、円高の流れは強まっていない。
ドル円相場での円安圧力が途切れていない。ドル円相場は日本時間16日昼の取引で1ドル=158円台で推移。高市早苗首相が衆議院解散を検討しているとする9日の報道を機に、高市氏の積極財政路線を材料視する円売りが改めて強まっている。一方、日本銀行の植田和男総裁は年明け以降も、円高要因である追加利上げに前向きな情報発信を継続。金融市場では4月利上げの可能性も浮上している。こうした中、金融市場では日銀が22、23日に開く金融政策決定会合で、今後の利上げについてどのような見通しを示すかへの注目が高まってきた。ただ、足元の円安圧力は強く、日銀が追加利上げ姿勢を強調した場合でも、12月の利上げ時と同様、ドル円相場で円安が進む可能性もありそうだ。この場合は日本政府が為替介入に踏み切ることも想定され、決定会合後の値動きが膠着する展開も考えられる。
ドル円相場は158円台で推移 衆院解散検討報道で159.45円をつける局面も
ドル円相場(USD/JPY)は16日午後1時52分段階で1ドル=158.27円で取引されている。ブルームバーグによると、14日午前には159.45円をつけ、2024年7月12日(159.45円)以来、1年6か月ぶりの円安水準を更新する場面もあった。ドル円相場は2025年11月下旬から7週間程度、154円台前半から157円台後半にかけての狭い値幅での取引が続いていたが、改めて円安圧力が強まった形だ。
ドル円相場が円安に動いたきっかけは9日深夜の高市氏が月内の衆院解散を検討しているとの報道。衆院解散は高い支持率を誇る高市氏の政権基盤の強化につながり、積極財政路線が維持されるとの見方が広がった。高市氏の積極財政は、金融市場では、日本の財務の健全性を損なう円安材料とみなされており、10月の自民党総裁選後の円安急進に続く、「高市円安」の第2幕が始まったかにもみえる。自民党は高市氏が19日に記者会見を開き、解散について説明するとしている。
日銀の4月追加利上げの可能性が60%程度に 1月決定会合後の情報発信は?
一方、日銀の植田氏は円高材料といえる利上げへの前向きな姿勢を繰り返している。ブルームバーグによると、植田氏は14日、全国地方銀行協会の新年の集いでのあいさつで、賃金と物価が緩やかに上昇するメカニズムが維持される可能性が高いとし、「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と発言。5日の全国銀行協会でのあいさつ同様、追加利上げの可能性があることを強調した。日銀が11か月ぶりの利上げを決めた12月18、19日の決定会合における主な意見では、円安が物価上昇圧力として働いていることが利上げを決めた判断材料として挙げられている。
また、金融市場では日銀の利上げのタイミングが前倒しになるとの見方が強まってきた。ブルームバーグによると、16日午後1時52分の金融市場で見込まれている4月の決定会合後の政策金利の水準は0.887%となっており、衆院解散検討報道で円安が進む前の8日段階から0.078%ポイント上昇している。4月までの利上げ確率は64%程度とされ、8日段階の33%程度から大幅に高くなった。
こうした中、金融市場では日銀が23日までの日程で開く決定会合に対する関心が高まっている。今回の決定会合では政策金利の維持が確実視されているとはいえ、声明文や植田氏の記者会見から、追加利上げの可能性がこれまで以上に高まっているとの情報発信があれば、円高材料としてみなされる可能性がある。
円安圧力に強さ 日米金利差縮小や自民党苦戦の可能性でも緩まず
ただ、足元のドル円相場の値動きは、日銀の利上げ見通しにも関わらず円安が進んでいるといえ、高市氏の積極財政を材料視する円安圧力の強さも印象づけられている。ブルームバーグによると、ドル円相場の背景となる日米の長期金利(10年物国債利回り)の差は14日の終値段階で1.954%ポイントとなり、2022年3月18日(1.949%ポイント)以来の小ささを更新しているが、円安の流れを変えるには至っていない。また、衆院解散後の総選挙をめぐっては、立憲民主党と公明党が15日、統一名簿方式での「新党結成」で合意したと発表。自民党の現職が苦戦するとの分析も出ているが、現段階ではやはり高市円安の流れが弱まっているわけではない。
決定会合後に円安の可能性も 為替介入への警戒が高まれば膠着か
このため、日銀が23日までの決定会合で追加利上げに前向きな姿勢を示したとしても、情報発信の力強さ次第では、ドル円相場で円安圧力がかかり続ける可能性もある。実際、12月の決定会合では、利上げ決定と追加利上げの方向性が示されたにも関わらず、投資家は「日銀は追加利上げに慎重」と受け止め、円安が加速した。
同時に、仮に今回の決定会合後に12月同様の円安が進んだ場合には、日本政府が日米経済の実態に反した動きと判断して、為替介入に踏み切る展開も想定される。片山さつき財務相は16日の閣議後記者会見で、このところの円安の流れについて「再三、あらゆる手段を含めて断固たる措置を取るということを言っている」と述べた。ドル円相場の今後の見通しをめぐっては、高市円安と為替介入への警戒で、値動きが膠着することも考えられそうだ。
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