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日経平均、週明け急落不安も 週次5230円上昇 ホルムズ海峡再封鎖

日経平均株価は7万1000円台の最高値。一方、イランは20日にホルムズ海峡再封鎖を宣言しており、週明けの不安材料。マイクロンの決算発表も焦点となる。

日経平均、マイクロンショックも 週次5230円上昇 割高感は上限 出所:ブルームバーグ

日経平均株価の上昇が止まらない。日経平均の19日の終値は1週間前比で5230.02円高となり、週次として過去最大の上げ幅。週初めから5日連続での最高値更新で、一気に7万1000円台に到達した。半導体株など人工知能(AI)関連銘柄が軒並み急騰する値動きで、日経平均の4月以降の上昇率は、欧米や中国の株価指数をはるかにしのぐ勢いとなっている。また日経平均は高市早苗政権誕生のきっかけとなった2025年10月の自民党総裁選挙以降の伸び率が1.5倍以上となっており、2012年12月以降のアベノミクス相場の熱狂に迫る力強さもみせている。ただ、日経平均の割高感はAIブームが本格化した2023年以降で最高水準となっており、上限に達したとみることもできそうだ。またイランはホルムズ海峡の再封鎖を表明しており、週明け22日に日経平均が急落する恐れがある。さらに週後半には米メモリ半導体大手マイクロン・テクノロジーの四半期決算発表が予定されており、AIブームへの期待に支えられた日経平均にショックが走る恐れもある。

日経平均株価は週次5230.02円上昇 7万1250.06円の最高値

日経平均株価(N225)の19日の終値は前日比では196.57円高の7万1250.06円。週初めの15日は、イラン戦争の和平に関する覚書の内容が合意されたと伝わり、前週末比3297.46円高の急騰。日本時間18日には和平覚書の発効も伝わり、ホルムズ海峡開放に向けた動きも始まった。また、日本時間の16日と18日に発表された日本銀行と米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策は、ドル円相場を円安方向に動かしており、日経平均の上昇にブレーキをかけることはなかった。週次での上昇幅(5320.02円高)は、アメリカとイランが2週間の停戦で合意した4月6-10日週(3800.62円高)を超える、過去最高記録だ。

日経平均株価と週次の騰落額の推移のグラフ

アドバンテストが最高値を更新 キオクシアは週次33.74%高

個別株の値動きをみると、AI関連銘柄の貢献が際立つ。半導体検査装置のアドバンテスト(6857)は週次16.16%高。4月27日以来の最高値更新を果たし、日経平均を1065円押し上げた。半導体製造装置の東京エレクトロンは週次10.82%高、メモリ半導体のキオクシアホールディングス(285A)は33.74%高となって、それぞれ日経平均の値上がりを後押ししている。週次で日経平均を100円以上押し上げた11銘柄ののうち、衣料品大手のファーストリテイリング(9983)を除く10社は、半導体や半導体関連の電子部品、データセンターとの関係が深いAI関連銘柄だった。

日経平均株価を動かした構成銘柄の寄与額のランキング表

イラン和平への期待が高まった4月以降の上昇率が2倍を超えている8銘柄の中では、キオクシアに次いで、積層セラミックコンデンサ(MLCC)が注目されている太陽誘電(6976)が週次22.83%高を記録。村田製作所(6981)も週次37.33%高、データセンター向けICパッケージ基板が好調なイビデン(4062)も週次28.55%高で、勢いが維持されている。東京エレクトロン(8035)やルネサスエレクトロニクス(6723)も同じ期間での上昇率が2倍を超えている。

キオクシア、太陽誘電、村田製作所、イビデンなどの株価の推移のグラフ

日経平均の上昇ペースは欧米の株価指数を大きく超える勢い 7万3500円も視野か

AI関連株の影響度が大きい日経平均は他の主要国の株価指数と比べても上昇の勢いが強い。日経平均の19日の終値を3月末と比較した場合の伸び率は39.53%高で、アメリカのS&P500(SPX)の14.89%高や、ドイツのDAX(10.17%高)を大きく凌いでいる。同じ期間では、日本と同様に半導体産業の重要性が高い韓国の韓国総合株価指数(KOSPI)が79.17%高、台湾の加権指数も46.47%高となっていて、日経平均は世界的なAIブームの波に乗っているといえる。

日経平均株価、ハンセン指数、S&P500、DAXの推移のグラフ

こうした日経平均の上昇は2012年12月から始まったアベノミクス相場の熱狂に近づいているといえそうだ。日経平均の19日の終値は、高市氏が自民党総裁選で勝利する前日にあたる2025年10月3日の終値との比較では55.67%高。一方、2012年12月16日の衆議院選挙を機に誕生した第2次安倍晋三政権の経済政策への期待を追い風にしたアベノミクス相場では、日経平均が衆院選から5か月あまり経過した2013年5月22日に60.48%高となっていた。仮に、足元の高市トレードがアベノミクス相場の上昇率に追いつくとすれば、日経平均には約7万3500円までの上昇も期待できることになる。

高市トレードとアベノミクス相場における日経平均株価の推移の比較の表

日経平均の割高感は最高水準 企業業績への期待を超えるペースで株価上昇

ただ、日経平均の割高感はすでに上限に到達した感もある。ブルームバーグによると、日経平均の水準と構成銘柄の今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)から算出される株価収益(PER)は19日段階で25.8倍程度で、株式市場でAIブームが本格化した2023年以降での最高値。19日までの1週間では、予想1株当たり利益が2.39%増となったのに対し、日経平均は7.92%高となっており、企業業績への期待をはるかに上回るペースでの株価上昇には危うさもはらむ。

日経平均株価と予想株価収益率の推移のグラフ

イランがホルムズ海峡再封鎖を宣言 週後半の米マイクロン決算でショックも

またイラン情勢は再び緊張が高まっている。イラン国営メディアによると、イラン軍は20日午後、ホルムズ海峡の再封鎖を宣言。17日に発効した和平覚書に米国側が違反したことを問題視している。覚書にはイスラエルとレバノンを拠点とする親イラン組織ヒズボラとの停戦が含まれており、イラン側はイスラエル軍が覚書発効後もレバノン南部への攻撃を続けていることを問題視している。一方、米中央軍は20日、ホルムズ海峡の安全な航行は確保されているとの声明を発表しているが、和平覚書合意に基づいたホルムズ海峡開放への期待は日経平均の上昇を後押ししてきただけに、週明け22日の東京市場では日経平均に下落圧力がかかりそうだ。

さらにAIブームに対する強気を背景に急騰してきた日経平均は、投資家心理の急変で一気に急落する恐れもある。米国の株式市場では、マイクロン(MU)が24日午後4時30分(日本時間25日午前5時30分)に2026年3-5月期の決算会見を行う。マイクロンは韓国のサムスン電子やSKハイニックスと並ぶAI向け最先端メモリ半導体を手掛けており、4月以降に株価上昇の勢いが増してきた。ただしマイクロンが発表する実績や業績見通しが期待外れと受け止められれば、株価下落の引き金を引く可能性があり、半導体株への依存度が大きい日経平均に大きなショックが走る展開も考えられそうだ。


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