ドイツ株価指数(DAX指数、通称「DAX40」「GER40」)とは、フランクフルト証券取引所(FSE)に上場する優良企業40銘柄から算出される時価総額加重平均型の株価指数です。「Deutscher Aktienindex」の頭文字を取って「DAX」と呼ばれています。配当金を再投資したものとして計算する「トータルリターン指数」である点も特徴です。
基準日は1987年12月30日、基準値は1000で、Xetra(電子取引システム)によって算出されています。
DAXはユーロ圏最大の経済大国であるドイツを代表する指数として、国内外の投資家から注目されています。もっとも、構成銘柄が40社に限られるため、DAXの値動きが必ずしもドイツ経済全体の実態を反映しているとは限らない点には留意が必要です。
※上記リアルタイムレートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。
DAXは2021年9月20日、構成銘柄数を30から40に拡大し、採用基準も厳格化しました。背景にあったのは、当時の構成銘柄であったワイヤーカード社の粉飾決算・経営破綻事件です。除外までに時間を要したことが制度上の課題として指摘され、指標の質向上とガバナンス強化を目的にルールが見直されました。
現在のDAXは、年2回(3月・9月)の定期見直しに加えて、上場廃止や自由流動株比率の基準割れなどが生じた場合の緊急(不定期)入れ替えを組み合わせて運用されています。2021年の拡大以降だけでも、以下のような入れ替えが行われてきました。
2022年12月:ポルシェ(自動車メーカー本体、Porsche AG)がIPOに伴い新規採用(プーマと交代)
2023年2月:Lindeがフランクフルト証券取引所上場廃止に伴い除外、コメルツ銀行が採用
2023年3月:防衛関連のラインメタルが新規採用(フレゼニウス・メディカル・ケアと交代)
2024年12月:Covestroが自由流動株比率の最低基準(10%)を満たさなくなったため除外、フレゼニウス・メディカル・ケアが再採用
このように、DAXの構成は数年単位で見ても入れ替わりが多く、記事や資料で銘柄名を扱う際は「公開時点の情報」であることを明記し、定期的な更新が欠かせません。
DAX採用銘柄の対象となる企業は、次の条件を満たしている必要があります。
DAXの新規候補となる銘柄は、直近2年分の通期決算でEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)が黒字であること
監査済みの年次財務報告書と四半期報告書の発行を義務付け。期限までに提出できず、30日間の警告期間のあと、これらの要件に違反した場合、ただちに除外される
すべての構成銘柄は、ドイツのスーパーバイザリー・ボードでの監査委員会の設置に関して、ドイツ・コーポレートガバナンス・コードの勧告(Recommendations)への準拠が必須
取引の売買高は、ランキングプロセスで考慮されなくなり、時価総額によってのみ採用が決定される。構成銘柄は最低の売買高基準を満たす必要がある
自由流動株(フリーフロート)比率が最低10%を下回った場合、基準に抵触し除外対象となる(2024年12月のCovestro除外はこの規定が適用された実例)
新規定の適用に伴い、これまでDAX採用の条件であった「プライムスタンダード」を満たす必要はなくなりました。
DAXは、1987年12月30日の基準値1000を起点として1988年7月1日にFSEでスタートしました。ただし、これはドイツの主要な金融新聞が1959年に始めた「Börsen-Zeitung」という指数の系譜を引き継いだものです。
DAXは発足後急成長し、1993年に2000ポイント、1998年に5000ポイントを突破。2000年初頭には一時7500ポイントを超えましたが、その後のドットコムバブル崩壊で急落し、2003年初めには2500ポイントを割り込みました。
2008年の世界金融危機直前には7500ポイント超えまで回復していたものの、危機発生により再び4000ポイントを割り込みます。その後は回復基調が続き、2015年3月16日には初めて12000ポイントを突破しました。
2018年は米中貿易摩擦などを背景に年間で約18%下落しましたが、2019年に大きく反発。2020年のコロナショックでは急落する場面もありましたが、年間ではプラスで終えています。2022年はロシアによるウクライナ侵攻などを受けて年間約12%下落したものの、2023年以降は3年連続で二桁の上昇率を記録し、2026年1月13日には終値25,420.66ポイント、取引時間中の高値25,507.79ポイントと、いずれも史上最高値を更新しました。
DAXは英国や米国の主要指数と比べて値動きが大きい傾向があり、多くのトレーダーにとって魅力的な市場である一方、リスクも相応に大きい点には注意が必要です。
DAXの運営者であるドイツ証券取引所(Deutsche Börse/STOXX)は、以下のような関連指数も算出しています。
MDAX:1996年追加。DAX銘柄に続く中型株50社が対象(2021年のDAX拡大に伴い60社から50社に変更)
TecDAX:2003年追加。テクノロジー分野の上位30社が対象
HDAX:2003年にDAX100の後継として追加。DAX、MDAX、TecDAXを統合した指数
SDAX:MDAXに続く中小型株70社が対象
以下は、指数算出元であるSTOXX公式サイトに掲載されている構成銘柄一覧(直近の定期見直し反映後)です。指数構成比(ウェイト)が大きい順に掲載しています。
(2026年7月14日閲覧時点でのDAX40構成銘柄です。)
| 銘柄 | セクター | 指数構成比 |
| シーメンス | 資本財 | 11.80% |
| アリアンツ | 金融・保険・不動産 | 8.92% |
| SAP | 情報技術 | 8.01% |
| シーメンス・エナジー | 資本財 | 7.65% |
| エアバス | 資本財 | 6.53% |
| インフィニオン・テクノロジーズ | 情報技術 | 6.27% |
| ドイツテレコム | 通信 | 5.48% |
| ミュンヘン再保険 | 金融・保険・不動産 | 3.60% |
| ドイツ銀行 | 金融・保険・不動産 | 3.48% |
| ラインメタル | 資本財 | 3.28% |
| ドイツポスト | 資本財 | 2.84% |
| ドイツ取引所 | 金融・保険・不動産 | 2.66% |
| BASF | 素材 | 2.56% |
| E.ON | 公益 | 2.37% |
| RWE | 公益 | 2.18% |
| バイエル | 医薬品・ヘルスケア | 2.18% |
| メルセデス・ベンツ・グループ | 消費財 | 1.91% |
| アディダス | 消費財 | 1.84% |
| コメルツ銀行 | 金融・保険・不動産 | 1.55% |
| ハイデルベルクマテリアルズ | 資本財 | 1.36% |
| ダイムラー・トラック | 資本財 | 1.30% |
| MTUエアロエンジンズ | 資本財 | 1.05% |
| メルク | 医薬品・ヘルスケア | 1.01% |
| BMW | 消費財 | 0.98% |
| フォルクスワーゲン(優先株) | 消費財 | 0.97% |
| フレゼニウス | 医薬品・ヘルスケア | 0.95% |
| ヴォノヴィア | 金融・保険・不動産 | 0.88% |
| ハノーバー再保険 | 金融・保険・不動産 | 0.82% |
| シーメンス・ヘルシニアーズ | 医薬品・ヘルスケア | 0.75% |
| シムライズ | 素材 | 0.67% |
| ヘンケル(優先株) | 消費財 | 0.63% |
| GEA Group | 資本財 | 0.51% |
| フレゼニウス・メディカル・ケア | 医薬品・ヘルスケア | 0.47% |
| コンチネンタル | 消費財 | 0.46% |
| キアゲン | 医薬品・ヘルスケア | 0.39% |
| バイヤスドルフ | 消費財 | 0.38% |
| ブレンターク | 資本財 | 0.36% |
| ザランド | 消費者サービス | 0.34% |
| Scout24 | 消費者サービス | 0.32% |
| ポルシェSE(優先株) | 消費財 | 0.28% |
出所:DAX - STOXX 2026年7月14日閲覧
DAXは他の主要指数に比べて変動が大きい傾向があり、トレーダーの間で人気のある指数です。ここでは、DAXの値動きを左右する主な要因をご紹介します。
経済指標:ドイツ企業の業績は景気動向に敏感なため、GDP成長率や製造業PMIなどの経済指標がDAXに大きな影響を与えることがあります。
欧州連合(EU)に関するニュース:ドイツはEU最大の経済大国であり、構成銘柄の多くが欧州市場を主戦場としているため、EUを取り巻くニュースが指数に影響を与えます。
為替レート:BMW、フォルクスワーゲン、バイエルなど輸出依存度の高い企業が多いため、ユーロの為替変動が業績・株価に影響しやすい構造です。
決算報告:時価総額加重型の指数であるため、SAPやシーメンスなど大型銘柄の決算がDAX全体の値動きを左右しやすい傾向があります。
地政学リスク:近年はエネルギー価格や地政学的な緊張(資源供給・貿易摩擦など)もDAXの変動要因として存在感を増しています。
S&P500やダウ、日経平均など他の株価指数と同様、DAXも株式投資のような現物取引はできません。先物取引やCFDなどのデリバティブを通じて取引することになります。
IG証券ではDAXを株価指数CFDで取引できます。CFD取引(差金決済取引)は、資産を保有することなく価格の上昇・下落を予測して取引する手法です。DAXが上昇すると予測すれば「買い取引」、下落すると予測する場合は「売り取引」を選択します。
IG証券でDAXに投資したい場合は、銘柄名「ドイツ40(ドイツ40種株価指数)」を選んでください。
株価指数CFDのほか、ノックアウト・オプション、バイナリーオプションでもDAXを取引することが可能です。
DAXとDAX40、GER40は何が違いますか?
いずれも同じ指数を指します。2021年の拡大以前は30銘柄で「DAX30」とも呼ばれていましたが、現在は40銘柄の「DAX40」が正式名称です。「GER40」はCFD取引などで使われる呼称です。(IG証券では「ドイツ40」です)
DAXの構成銘柄はどのくらいの頻度で入れ替わりますか?
年2回(3月・9月)の定期見直しに加え、上場廃止や自由流動株比率の基準割れが生じた場合は随時、緊急入れ替えが行われます。
DAXの史上最高値はいくらですか?
2026年1月13日に終値25,420.66ポイント、取引時間中の高値25,507.79ポイントを記録しています(2026年7月14日時点)。
DAXはどこで取引できますか?
DAX指数は直接取引ができないので、先物・CFD・オプションなどのデリバティブを通じて取引します。IG証券では株価指数CFD、ノックアウト・オプション、バイナリーオプションでDAXの取引が可能です。