日経平均、6万円再挑戦なるか 週次3800円高 イランリスクは継続
日経平均株価は週次で過去最大の上げ幅。構成銘柄の予想収益は4月1日を境に急上昇し、6万円超えへの期待も浮上するが、イラン戦争リスクは消えていない。
日経平均株価が急騰した。日経平均の10日の終値は1週間前比3800.62円高で5万7000円台が目前に迫る水準。イランでの戦争開始から2日後にあたる3月2日以来の高値となった。アメリカとイランが2週間の停戦で合意し、石油の重要通商ルートであるホルムズ海峡封鎖の解消への期待が強まったためだ。値がさ半導体株に加え、業績予想を上方修正したファーストリテイリングも牽引役となった。またメモリ半導体のキオクシアホールディングスも日経平均の上昇に貢献。日経平均構成銘柄の予想収益はキオクシアが採用された4月1日を境に大きく上昇しており、6万円超えへの再挑戦も期待できる状況だ。ただ、米国とイランによる和平協議は難航しているもようで、日経平均の今後の見通しに急落リスクが潜んでいることは明らか。4月中旬以降の注目企業の決算発表で投資家心理が悪化する恐れもあり、楽観ムードに冷や水がかかる展開も想定されそうだ。
日経平均株価は週次で過去最大の上げ幅 最高値から3.27%安まで回復
日経平均株価(N225)の10日の終値は前日比では1028.79円高の5万6924.11円。週次での上昇幅(3800.62円高)は半導体検査装置のアドバンテストの決算発表などが好材料となった10月27-31日週(3111.69円高)を超え、過去最大となった。ブルームバーグによると、10日の終値は3月2日の5万8057.24円以来の高値で、2月27日の最高値(5万8850.27円)からは3.27%安にあたる。
日経平均を急騰させたのは米国とイランの停戦に対する期待だ。双方が2週間の停戦で合意したと伝わった8日、日経平均は前日比2878.86円高となり、米国のドナルド・トランプ大統領が相互関税の一部停止を決めた翌日の2025年4月10日(2894.97円高)以来の値上がりを記録。日本経済に大きな打撃を与えると懸念されるホルムズ海峡封鎖の解消への期待が追い風となった。
ファーストリテイリングなど値がさ株が急騰 キオクシアは週次37.94%高
個別株の値動きをみると、ファーストリテイリング(9983)やアドバンテスト(6857)、半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)といった値がさ株が14-17%の急騰を演じて日経平均を押し上げた。このうちファーストリテリングは9日の取引時間終了後の決算発表に際し、2026年8月通期の営業利益が7000億円になるとの見通しを示し、従来予想の6500億円から上方修正。翌10日には株価が11.99%高となって、1日だけで日経平均を650円押し上げた。
日経平均の予想1株当たり利益はキオクシアの採用後に急上昇 6万円超え見通しも
こうした中、日経平均には6万円超えの道筋が見えてきたともいえる。ブルームバーグによると、日経平均構成銘柄の今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)は10日段階で2485円。構成銘柄入れ替え前の3月31日段階よりも3.44%高い水準となっている。予想1株当たり利益と株価の比率を示す株価収益率(PER)は自民党が大勝した衆議院選挙後にあたる2月中旬には24.7倍をつけたこともあり、投資家の強気が戻ってくれば、日経平均の6万1000円台という水準も浮上する。
さらに日経平均の懸念材料として浮上していた海外投資家の日本株売りも落ち着きをみせたようだ。日本取引所グループ(JPX)が9日に公表した週次の部門別売買状況によると、海外投資家は前週(3月30日-4月3日)、東京証券取引所と名古屋証券取引所の合算ベースで、日本株を1兆9149億円買い越し。2013年4月8-12日週(1兆5865億円)を超え、過去最高の買い越し額となった。前々週は1兆5090億円の売り越しだった。
米国とイランの和平協議は難航 TSMCなどの決算発表も日経平均の波乱要因に
ただ、米国とイランの停戦が長続きするかどうかは不透明だ。イランのタスニム通信によると、両国が11日に開始したパキスタンでの和平協議は12日朝になって終了。文書を交換する形での交渉は継続されているといい、イラン側は米国がより現実的な対応をとるべきだとしている。一方、トランプ氏は11日、記者団に対して和平協議の合意の有無に大きな意味はないとし、「我々はすでに勝利している」と述べた。
米国とイランの和平協議が成立しなければ、ホルムズ海峡の封鎖も続くとみられ、日経平均にとってのリスク要因が消えることもない。また、15日にはオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング(ASML)、16日には半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSML、TSM)の2026年1-3月期決算発表が予定される中、両社の業績見通しに関する言及が半導体株の逆風になる恐れもあり、週明け13日以降の日経平均の見通しにとっての波乱要素といえそうだ。
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