項目 |
逆指値注文(ストップ注文) |
指値注文(リミット注文) |
買い注文の設定 |
現在の価格より高い水準 |
現在の価格より低い水準 |
売り注文の設定 |
現在の価格より低い水準 |
現在の価格より高い水準 |
主な用途 |
損切り、新規トレンドへのエントリー |
利益確定、有利な価格での新規エントリー |
執行方式 |
条件到達後に成行注文として執行(スリッページが発生しうる) |
指定価格またはそれより有利な価格で執行 |
使用頻度 |
相場の状況に応じて活用 |
一般的な取引でより多く使用 |
逆指値注文と指値注文は名前が似ているため混同しやすいですが、「現在価格に対してどちら側に注文を置くか」が正反対になる点をおさえておきましょう。
マーケットでの「注文」とは、株式や通貨などの金融資産を新たに保有する、または既に保有している資産を清算する際に、投資家やトレーダーが行う売買指示のことです。通常は証券会社などの取引システムを通じて執行されます。
注文は大きく次の2つに分類されます。
いずれも、あらかじめ価格を指定しておくことで相場を常時監視する手間を省けるのがメリットです。特にクロージング注文は、相場が有利に動けば利益を確定し、不利に動けば損失に歯止めをかける役割を果たします。
そして、このエントリー注文・クロージング注文の両方に使えるのが、逆指値注文(ストップ注文)と指値注文(リミット注文)です。
逆指値注文とは、現在の価格よりもあえて高い水準で買い、あえて低い水準で売る注文方法です。詳しくは逆指値注文の仕組みをご覧ください。
一般的な取引では指値注文の方が多く使われますが、相場状況によっては逆指値注文を用いることで効率的なリスク管理が可能です。マーケットのトレンドと保有ポジションの状況を把握したうえで、2つの注文方法を使い分けましょう。
逆指値注文の活用法は主に2つあります。
すでに保有しているポジションを決済するために使う注文方法で、「ストップロス注文」とも呼ばれます。相場が思惑と逆に動いた場合でも、あらかじめ損切りの逆指値注文を出しておけば、損失の拡大を一定水準で食い止められます。
ストップロス注文の具体例
現物株取引の例です。1株1,000円で購入したA社株を100株保有する投資家Bさんのケースです。A社のCEO引退表明を受け、株価は900円まで下落。Bさんは一時的な下落と見ていますが、念のため900円から200円下の700円でストップロス(損切りの逆指値)注文を設定しました。
その後株価が下落を続け700円に到達すると注文は自動執行され、損失は3万円(300円×100株)に限定されました。仮に注文を出していなければ、株価が500円まで下落した時点で損失は5万円に拡大していたことになります。
※手数料を除いた例です
新たなトレンド発生を見込んで新規ポジションを持つ際にも逆指値注文は使われます。これを「ストップエントリー注文」と呼びます。
C社株が何度も同じ水準で下げ止まっている場合、その水準を「サポートライン」と呼びます。株価がサポートラインを下抜けると判断した投資家Aさんは、その水準より下であえて売りの逆指値注文を出しました。
反対に、株価上昇を何度も止めている「レジスタンスライン」を上抜けると予想する場合は、その水準より上で買いの逆指値注文を出します。想定通りにトレンドが発生すれば、利益を得ることができます。
指値注文(通常の注文)とは、現在の価格よりも低い水準で買い、高い水準で売る注文方法です。詳しくは指値注文の仕組みをご覧ください。
指値注文にも2つの使い方があります。
新規ポジションを保有する際に使う方法です。現在価格よりも有利な水準(買いなら安く、売りなら高く)で約定させたいときに利用します。
リミットエントリー注文の具体例
D社株が現在1,200円で推移している状況で、投資家Eさんは「もう少し株価が調整されてから買いポジションを保有したい」と考えています。過去の値動きから1,100円付近が下値の目安になりそうだと判断したEさんは、1,100円でリミットエントリー(買い指値)注文を出しました。
その後株価は下落に転じ、1,100円に到達したところで買い注文が自動的に執行されました。仮に成行で1,200円で買いポジションを保有していた場合と比べ、1株あたり100円、100株保有なら1万円分有利な価格で新規ポジションを保有できたことになります。
※手数料、レバレッジを除いた例です
このように、リミットエントリー注文は「今すぐでなくていいので、より有利な価格になったら買いたい(売りたい)」という場面で活用され、押し目買いや戻り売りの戦略でよく使われます。
保有中のポジションを利益確定するために使う方法です。買いポジションなら保有時の価格より高い水準で、売りポジションならより低い水準で指値を設定します。
リミットクローズ注文の具体例
商品CFD取引の例です。投資家Gさんは、金(ゴールド)CFDを1トロイオンス3,300ドルで10ロット、買いポジションとして保有しています。その後金価格は上昇を続け、現在3,380ドルまで値上がりし含み益が出ている状況です。
Gさんは「相場が反転する前に、ある程度のところで利益を確定しておきたい」と考え、3,400ドルでリミットクローズ(売り指値)注文を設定しました。
その後も金価格は上昇を続け、3,400ドルに到達したところで売り注文(決済)が自動的に執行されました。結果、1ロットあたり100ドル(3,400ドル-3,300ドル)、10ロット分で合計1,000ドルの利益が確定しました。
※レバレッジを除いた例です
CFDはレバレッジを効かせて取引できる分、価格変動による損益のインパクトも大きくなります。相場を四六時中チェックできない場合でも、リミットクローズ注文をあらかじめ設定しておくことで、狙った水準で機械的に利益を確定させ、「もっと伸びるかもしれない」という感情に流されて利益確定のタイミングを逃すリスクを防ぐことができます。
このように、リミットクローズ注文はCFDのようなレバレッジ取引においても、規律あるリスク管理・利益確定の手段として特に重要な役割を果たします。
逆指値注文・指値注文ともに、注文の「有効期間」を設定する必要があります(「無期限」を選択することも可能)。
逆指値注文で保有ポジションを損切りする場合、「スリッページ」の発生に注意が必要です。スリッページとは、指定した価格と実際の約定価格との誤差のことをいいます。逆指値注文は指定価格到達時に「成行注文」として執行される特性があるため、執行の瞬間に相場が大きく変動すると、約定価格が指定価格から乖離することがあります。この差が「スリッページ」の要因となります。
損切りの逆指値注文でスリッページが発生すると、損失額が想定以上に拡大する可能性があります。このスリッページのことを「ネガティブスリッページ」といいます。
一方、スリッページには「ポジティブ・スリッページ」もあります。
これは、あらかじめ指定した逆指値の価格よりも投資家やトレーダーにとって有利な価格で約定することで発生するスリッページのことです。
スリッページを防ぐには
IG証券ではスリッページを防ぐためのツールとして、「ノースリッページ注文」を提供しています。
ノースリッページ注文とは、一定の保証料(プレミアム)をお支払いただくことにより、指定した価格で確実にストップ注文が執行される注文方法のことです。保証料は、ノースリッページ注文が約定した際にのみ発生します。指定した価格に到達せず約定しない間は、保証料は発生しません。
Q. 逆指値注文と指値注文、どちらを使えばいいですか?
A. 目的によって使い分けます。損切りやトレンド発生時のエントリーには逆指値注文、利益確定や有利な価格での新規エントリーには指値注文が適しています。
Q. 逆指値注文はなぜ「成行注文」として執行されるのですか?
A. 指定した価格に到達した時点で、その時点の市場価格で即座に約定させる仕組みのためです。この特性により、スリッページが発生する可能性があります。
Q. スリッページを防ぐ方法はありますか?
A. IG証券の「ノースリッページ注文」を利用することで、保証料を支払う代わりに指定価格での約定を保証できます。ノースリッページ注文についてはこちらをご覧ください。
Q. トレーリング・ストップ注文とは何ですか?
A. 相場が有利な方向に動くと、指定した値幅を保ちながら自動的に注文価格を更新していく注文方法です。含み益を伸ばしながらリスク管理ができます。