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日経平均、円高や米国株安にリスク 週次2688円上昇 急騰一服も

日経平均株価は衆院選での自民党大勝を受けて急騰。ただ、割高感の強まりも伴っており、円高や米国株の動向次第で一服感が出る可能性もある。

日経平均、円高や米国株安にリスク 週次2688円上昇 急騰一服も 出所:ブルームバーグ

日経平均株価の上昇の勢いが止まらない。日経平均の13日の終値は1週間前比2688.29円高。10日には5万7650.54円の最高値を記録した。高市早苗首相率いる自民党が8日の衆議院選挙で圧倒的な勝利を収めたことを受け、人工知能(AI)ブームを背景とした半導体株の上昇が加速している。また長期金利(10年物国債利回り)の上昇に歯止めがかかっていることも、やはり株式市場での追い風となった。ただ、日経平均株価の割高感はAIブームが本格化した2023年以降で最高水準となり、いつまでも上昇が続くとの見方は成り立たない。日本経済への期待が円高を引き寄せる可能性や、アメリカの株式市場で大手ハイテク株の下落が続いていることも踏まえれば、週明け16日以降の東京株式市場では日経平均の急騰が一服する可能性もある。

日経平均株価は週次2688.29円高 史上4番目の大きな上昇幅で最高値連発

日経平均株価(N225)の13日の終値は前日比では697.87円安の5万6941.97円。衆院選翌日の9日に前週末比2110.26円高となって最高値を更新した後、翌10日も1286.60円高と続伸して記録を塗り替えた。ブルームバーグによると、週次での上昇幅(2688.29円高)は、半導体検査装置のアドバンテストの決算発表が急騰につながった10月27-31日週(3111.69円高)などに次ぐ、史上4番目の大きさだった。

日経平均株価と週次の騰落額の推移のグラフ

アドバンテストは週次10.60%高 半導体株が好調で日経平均を牽引

株高の要因は衆院選での自民党の地滑り的勝利。自民党が定数の68%を獲得したことで、積極財政を掲げる高市氏の政権運営が進みやすくなるとの見方が強まった。個別株の値動きでは、アドバンテスト(6857)が13日までの週次で10.60%高となって日経平均を695円押し上げ。衣料品大手のファーストリテイリング(9983)も週次8.90%高で日経平均を453円押し上げた。対話型AIサービスChatGPTで知られるオープンAIに出資するソフトバンクグループ(9984)も週次9.78%高となった。

日経平均を動かした構成銘柄の寄与額のランキングの表

このうちアドバンテストの株価は、AI向け高性能半導体で世界的に注目される米国の半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)をしのぐ力強さだ。アドバンテストの株価の13日の終値はオープンAIがChatGPTを発表した1か月後にあたる2022年12月末との比較で12.8倍。エヌビディアの上昇率(12.5倍)を超えており、日本株の勢いを感じさせる。半導体株ではこのほか、半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)が週次2.34%高。同業のSCREENホールディングス(7735)は週次3.32%高で、8週連続での値上がりを達成している。

アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループなどの株価の推移のグラフ

長期金利の上昇は進まず 高市首相が為替や金利への配慮を強調

また日経平均にとっては衆院選後に長期金利の上昇が進んでいないことも好材料といえる。ブルームバーグによると、13日の長期金利の終値は2.216%で、衆院選前の6日(2.222%)から低下した。長期金利は1月20日の終値で2.351%をつけ、約27年ぶりの高水準を記録。金利水準の高まりは株式投資の相対的な魅力を低くする株安要因といえるが、事態の悪化は進んでいない。高市氏は衆院選後の9日の記者会見で、衆院選で公約した「食料品の消費税率ゼロ」の検討加速について、為替や金利の動向に配慮しながら赤字国債に頼らない方法を前提に進めると強調しており、過度な懸念は後退したといえそうだ。

日経平均株価と長期金利の推移のグラフ

日経平均の割高感は2023年以降で最高水準 円高が急進の可能性も

ただ、日経平均をめぐっては割高感の強まりも鮮明だ。ブルームバーグによると、日経平均の水準と今後12か月の予想1株当たり利益から算出される株価収益率(PER)は13日終値段階で25.1倍。前日終値段階での25.3倍は、株式市場でのAIブームが本格化した2023年以降で最も高い水準だった。13日段階での予想1株当たり利益は前回決算発表シーズンにあたる10月末との比較で8.00%高となっており、同じ期間の日経平均の上昇率(8.64%高)と大差ない水準となっている。

日経平均と予想株価収益率の推移のグラフ

また、高市氏の勝利が火をつけた日本経済への期待は円高を伴う可能性があり、海外で稼ぐ日本企業の業績にとっての逆風になりえる。ブルームバーグによると、ドル円相場(USD/JPY)の13日のニューヨーク市場の終値は1ドル=152.70円で、1週間で4.52円の円高が進んだ。今後の投機筋のの動向次第では、4月から1月にかけて139円台から159円台まで進んだ約20円の円安の巻き戻しが入る展開も考えられる。

日経平均株価とドル円相場の推移のグラフ

米国の株式市場ではハイテク株安止まらず 米国株急落なら日経平均の見通しも悪化

さらに日経平均にとっては米国の株式市場での投資家心理の悪化も悪材料になりかねない。S&P500種株価指数(SPX)の13日の終値は1週間前比で1.39%安となり、約3カ月ぶりの大きな週次での下落率となった。AI関連の巨額の設備投資が嫌気されている大手ハイテク各社の株価下落が進んでおり、投資家心理は悪化している。

日経平均はこれまでS&P500の不振とは対照的な急上昇を続けてきたが、S&P500が急落する事態になれば、金融市場でのリスク回避姿勢の強まりが強い逆風となって吹き付ける可能性もある。米国の株式市場の3連休明けとなる17日以降の値動きが、日経平均の見通しを暗くするとの不安もくすぶりそうだ。


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