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東京エレクトロン、急落株価に波乱も 30日決算 中間期見通し焦点

東京エレクトロンの4-6月期決算発表は中間期見通しが焦点。業績への追い風は強いが、最高値から20%安となった株価の再浮上の難易度は高い。

東京エレクトロン、急落株価に波乱も 30日決算 中間期見通し焦点 Source: ブルームバーグ

Written by

小雲 規生

小雲 規生

シニアファイナンシャルライター/Senior Financial Writer

作成日

半導体製造装置の東京エレクトロンが30日に行う2026年4-6月期決算発表は中間期の業績見通しが焦点となる。東京エレクトロンは前回4月の決算発表に際し、経営環境が大きく変化する可能性があることを理由として、2027年3月通期の業績予想を見送るとともに、中間期についてのみ見通しを公表。一方、その後の半導体市場をめぐっては人工知能(AI)関連の需要の強さを感じさせる動きが相次いでおり、中間期の業績見通しの上方修正の可能性は高まっていそうだ。東京エレクトロンの株価はイラン戦争和平への期待の高まりを背景とした4月から6月にかけての急騰後、24日終値までに20%もの急落に見舞われているだけに、今回の決算発表が株価上昇再燃のきっかけとなると期待できる。ただ、すでに出遅れが解消された東京エレクトロンの株価が再上昇するためのハードルは高いうえ、業績には利益率の改善の遅れという課題が残っていることも事実。このため、東京エレクトロンが示す業績見通しが期待はずれとなれば、同時期に予定される他の重要決算発表ともあいまって、株価の値動きが激しくなる可能性もありそうだ。

東京エレクトロンの2026年4-6月期決算は成長が加速する見通し

東京エレクトロンは7月30日午後4時に4-6月期決算を発表する。ブルームバーグがまとめた市場予想によると、総収入は前年同期比37.4%増の7553億円となり、前四半期(1-3月期)の8.6%増から大きく成長が加速する見通し。営業利益は46.1%増の2113億円と見込まれており、やはり前四半期(11.9%増)から伸び率が大きくなる見込みだ。

東京エレクトロンの総収入と営業利益の推移のグラフ

東京エレクトロンの株価は急騰後に急落 最高値から20%安 

東京エレクトロンの株価(8035)の24日の終値は6万2660円。前回決算発表があった4月30日との比較では41.16%高となっている。東京株式市場では、イラン和平への期待が高まった4月以降の投資家心理の改善を背景として、半導体やデータセンターなどに関連したAI株が急騰。東京エレクトロンの株価も7月1日には最高値となる7万8800円をつけ、3月30日からの3カ月で2倍となっていた。24日終値はこの最高値からは20.48%安の水準まで下落している。

東京エレクトロンの株価と予想株価収益率の推移のグラフ

ブルームバーグによると、東京エレクトロンの直近の株価と今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)から算出される株価収益率(PER)は24日段階で35.7倍。前回決算発表前の28.9倍から割高感が出ている。アナリストが提示する目標株価の平均は7万6165円で、足元の水準よりも22%高い。7月中旬には目標株価を10万円超に引き上げる声も出ている。26人のアナリストのうち、21人は買い、5人は維持を勧めている。

AI向け半導体市場に強さ 9月中間期の見通し上方修正も

東京エレクトロンの30日の決算発表で注目されるのは2026年9月中間期の業績予想だ。東京エレクトロンはこれまで四半期決算発表のたびに3月通期の業績予想を示していたが、前回4月の決算発表では2027年3月期の業績予想の発表を見送り。9月中間期についてのみ、総収入が前年同期比33.1%増の1兆5700億円、営業利益が42.2%増の4310億円になるとの見立てを示していた。東京エレクトロンは通期予想を示さない理由として、地政学要因や、投資規模が極めて大きくなった一部の顧客の動向が業績に与える影響が相対的に大きくなったことを挙げている

一方、前回決算発表後、半導体市場ではAI関連需要の強さが確認されている。2026年3月期の有価証券報告書で、東京エレクトロンの総収入の12.9%を占めることが明かされている半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC、TSM)は16日の4-6月期決算発表で、業績や設備投資の見通しを上方修正。同じく、東京エレクトロンの販売高の15.1%を占めるサムスン電子も7日に発表した4-6月期決算の速報値が市場予想を上回った。さらに東京エレクトロンの重要顧客として知られるインテル(INTC)も23日、2027年通期の設備投資額について「2026年よりも大幅に大きくなる」と表明している。

このため東京エレクトロンの30日の決算発表では9月中間期の業績予想が上方修正される可能性がある。この場合は最高値から下落してきた株価が改めて上昇を始める展開が考えられそうだ。ブルームバーグのまとめでは、東京エレクトロンの9月中間期は総収入が前年同期比34.1%増の1兆5823億円、営業利益が45.7%増の4417億円と見込まれている。

東京エレクトロンの通期業績と2026年9月中間期見通しのグラフ

株価の出遅れ感は解消済み 荒い値動きになる可能性も

ただ、東京エレクトロンの株価の4月以降の値上がりは出遅れ感の解消が進んだ結果だったとみることもできる。東京エレクトロンは日本を代表する半導体株銘柄だが、2025年通年での株価上昇率は41.91%高で、半導体検査装置のアドバンテスト(6857)の2.1倍や、ChatGPTで知られるオープンAIなどに出資するソフトバンクグループ(9984)の91.61%高と比べれば見劣りしていた。これが、東京エレクトロンの株価が最高値をつけた7月1日段階では、2024年末からの1年半での伸び率が3.3倍となり、アドバンテストの3.5倍と肩を並べ、ソフトバンクグループの2.6倍を上回っている。東京エレクトロンの予想株価収益率が前回決算発表前から高まっていることあわせて、さらなる株価上昇の難易度は高いといえそうだ。

アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループの株価の推移のグラフ

また東京エレクトロンは営業利益率の伸び悩みという課題も抱える。東京エレクトロンは2022年6月に発表した中期経営計画で2027年3月期までに達成する目標のひとつとして「営業利益率35%以上」を掲げたが、前回の決算発表時に示した9月中間期見通しでの営業利益率は27.5%に過ぎない。こうした中で、東京エレクトロンが30日に示す中間期の業績予想が市場予想を下回ったり、通期の業績予想について慎重な見方を示したりした場合には、利益率の悪さという悪材料も目立つ可能性がありそうだ。日米の株式市場では29日以降に大手ハイテク企業や半導体企業の重要決算発表が数多く控えているほか、日米の金融政策の発表も予定されており、東京エレクトロンの株価が荒い値動きになることも考えられる。

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