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日経平均に二重の急落リスク 週次反発 相次ぐ決算やFOMCで波乱も

日経平均株価は週次470円高で、前週の4400円超安からの反発は小幅。週明け以降は相次ぐ重要企業決算とFRBの動向が相場を揺らしそうだ。

Source: ブルームバーグ

Written by

小雲 規生

小雲 規生

シニアファイナンシャルライター/Senior Financial Writer

作成日

日経平均株価の大幅安からの反発は不発に終わった。日経平均の24日の終値は1週間前比470.03円高で、前週の4400円超安の後の本格的な反発は果たせず。アメリカでのアルファベットの四半期決算発表をきっかけとして、人工知能(AI)ブームの継続性への疑念が強まったことで、23日までの株価上昇の勢いが絶たれた。一方、日経平均株価には割高感の和らぎがみられており、6月下旬の最高値からの転落に歯止めがかかる可能性も感じさせる。また、日本の株式市場全体での週次の取引では株高の裾野の広がりがみられ、日経平均を下支えする効果もありそうだ。ただ、日米の株式市場では週明け27日以降も注目企業の決算発表が続き、投資家心理が揺れやすい状況が続く。さらに米国では28、29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えており、連邦準備制度理事会(FRB)の動向次第で投資家心理が大きく悪化する恐れもある。このため日経平均の今後の見通しにとっては、ハイテク決算とFOMCが二重の急落リスクとして意識されることになりそうだ。

日経平均株価は週次470.03円高 AIブームへの疑念が重荷

日経平均株価(N225)の24日の終値は前日比では1811.45円安の6万4611.15円で、週次での値上がり(470.03円高)は小幅に終わった。前週(13-17日)に台湾積体電路製造(TSMC、TSM)の決算発表を受けて週次4416.61円安もの急落を演じた後としては、物足りない反発だったといえる。日経平均は23日終値段階では6万6000円台半ばをつけていたが、アルファベットが四半期決算発表に際して2026年通期の設備投資見通しを引き上げたことがAIブームの継続性への疑念を強める結果となり、23日の米国株式市場で大手ハイテク株が急落。24日の日経平均の大幅安につながった。

日経平均株価と週次の騰落額の推移のグラフ

アドバンテストなどは週次で上昇 最高値からは大幅安

個別株の値動きでは半導体検査装置のアドバンテスト(6857)が24日までの週次で5.24%高となり、日経平均を347円押し上げた。ChatGPTで知られるオープンAIに出資するソフトバンクグループ(9984)も週次1.40%高となって、日経平均の上昇に貢献した。逆に半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)は週次3.75%安で、日経平均を245円押し下げている。

日経平均株価を動かした構成銘柄の寄与額のランキング表

ただ、週次での値上がりを確保したアドバンテストも24日は前日比5.83%安、ソフトバンクグループも7.40%安となっており、値上がりが勢いづいているとはいえない。アドバンテストは6月25日の最高値から19.21%安、ソフトバンクグループは6月2日の最高値から36.51%安の水準にあり、株価の不振は明らかだ。

アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループの株価の推移のグラフ

日経平均の割高感は後退 太陽誘電などの急反落には歯止めか

一方、日経平均をめぐっては割高感の後退も感じられる。ブルームバーグによると、日経平均の水準と構成銘柄の今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)から算出される株価収益率(PER)は24日段階で22.9倍。日経平均が7万2000円を超えていた6月下旬の26倍近い水準から大幅に低下している。日経平均の足元の水準は6月25日の最高値(7万2366.34円)からは10.72%安となっており、反発に向けた節目として意識される可能性もありそうだ。

日経平均株価と予想株価収益率の推移のグラフ

また、イラン戦争和平への期待が高まった4月以降に大きく値上がりした銘柄の、6月下旬以降の急反落にも歯止めがかった可能性がある。AI向け半導体システムに用いられる積層セラミックコンデンサ(MLCC)が注目されている太陽誘電(6976)は24日までの週次で3.44%高、同じくMLCCを手がげる村田製作所(6981)も週次8.90%高となっている。データセンター向けICパッケージ基板が好調なイビデン(4062)も週次10.74%高だ。3社は前週末17日段階では最高値から38-51%安まで下落が進んでいたが、急落に一服感が出た。

太陽誘電、村田伊製作所、イビデン、キオクシアなどの株価の推移のグラフ

株高に裾野の広がり 鉱業や銀行が大きく値上がり

同時に日本の株式市場全体を見渡せば、株価上昇の裾野の広がりがみられた。ブルームバーグによると、東京証券取引所全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は24日までの週次で2.35%高となっており、AI株の影響を受けやすい日経平均の0.73%高を大きく上回る成績を残した。33業種別の指数では鉱業(10.06%高)、銀行(7.93%高)など22業種が週次で値上がりしている。

TOPIX33業種の週次の騰落額のグラフ

週明け以降に重要決算発表相次ぐ 日経平均に急落リスク

ただ、日米の株式市場では週明け27日以降も、注目企業の2026年4-6月期決算発表が相次ぐ。日本では29日にアドバンテスト、30日に東京エレクトロン、31日にメモリ半導体のキオクシアホールディングス(285A)が決算を発表。米国株式市場の29日の取引時間終了後には、メタ・プラットフォームズ(META)とマイクロソフト(MSFT)に加え、ソフトバンクグループの子会社でイギリス半導体大手のアーム・ホールディングス(ARM)の決算発表が予定され、翌30日にはアマゾン・コム(AMZN)とアップル(AAPL)の決算発表も控えている。各社の決算はAIブームを追い風とした好業績が見込まれているが、投資家の高い期待に応えられなかった場合や、設備投資負担の重さが悪材料視されるなどした場合には、株価が急落する可能性がある。

さらにFRBが29日までのFOMCに際して、利上げに踏み切ったり、9月利上げの可能性を示唆したりするなどした場合には、金利の先高観が米国の株式市場の下落を招き、日本の株式市場にも悪影響が及ぶ可能性がある。24日の米国株式市場では半導体の名門企業インテル(INTC)の株価が前日の決算発表を受けて急落。同時にイラン情勢の悪化はFRBの利上げ見通しを強めていて、日経平均は週明けから急落リスクにさらされることになりそうだ。

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