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日経平均、7万円回復に期待 週次3107円上昇 アドバンテスト急上昇

日経平均株価は大幅高で6万8000円台後半。値がさ半導体株の値上がりに株高の裾野の広がりが重なった。高市円安の根強さは株高継続を予感させる。

Source: ブルームバーグ

Written by

小雲 規生

小雲 規生

シニアファイナンシャルライター/Senior Financial Writer

作成日

日経平均株価の反発が本格化してきた。日経平均の14日の終値は1週間前比3107.09円高の6万8000円台後半。半導体検査装置のアドバンテストが急騰するなど、日経平均における主役格が牽引する値動きだった。企業業績への期待は日経平均の極端な割高感の解消につながっており、日経平均の7万円台回復も視野に入っている。同時に東京株式市場全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は7月上旬以来の最高値更新を果たしており、株価上昇の裾野拡大という好材料も出ている。一方、ドル円相場での円高進行が日米両政府による為替介入にも関わらず限定的だったことは、再度の為替介入による円高進行の可能性も感じさせ、改めて日経平均に下落圧力がかかる筋書きも考えられる。ただ、高市早苗政権は9月に向けて飲食料品の消費税率引き下げの制度設計を本格化させる考えで、当面は円安材料が浮上しやすい状況が続きそうだ。日経平均の今後の見通しをめぐっては、円安と株高の同時進行が続く可能性がある。

日経平均株価は週次3107円高 雇用統計を機に4営業日続伸

日経平均株価(N225)の14日の終値は前日比では405.21円高の6万8713.80円。ブルームバーグによると、週次での3107.09円高は、米国とイランが和平覚書の発効を発表した6月15-19日週(5230.02円高)以来の大幅な値上がりとなった。アメリカの7月雇用統計の結果が米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ見通しを弱めたことを受けた週初めの10日に前週末比1363.51円高となり、11日の休日を挟んで4営業日続伸を記録している。

日経平均株価と週次の騰落額の推移のグラフ

値がさ半導体株がそろって上昇 アドバンテストは急騰で最高値

個別株の値動きをみると、半導体検査装置のアドバンテスト(6857)が14日までの週次で14.54%高となり、日経平均を1129円押し上げた。半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)は週次8.50%高となって6週ぶりに反発。ChatGPTで知られるオープンAIに出資し、英半導体大手アーム・ホールディングス(ARM)を子会社に持つソフトバンクグループ(9984)も2週続伸の週次3.37%高となっていて、日経平均の牽引役である値がさ半導体3社がそろって値上がりした。人工知能(AI)ブームが半導体需要を強めるとの期待が日経平均を上昇させている形だ。

日経平均株価を動かした構成銘柄の寄与額のランキング表

このうちアドバンテストは13日、6月25日以来7週間ぶりの最高値更新を果たした後、14日も前日比2.59%高の3万6870円となって記録を伸ばした。アドバンテストは7月29日に行った2026年4-6月期決算発表に際して、2027年3月通期の業績見通しを大幅に引き上げており、決算発表からの約2週間半で株価が46.31%上昇している。

東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクグループの株価の推移のグラフ

日経平均の7万円回復に現実味 TOPIXはすでに最高値に到達

こうしたAIブームへの期待は日経平均構成銘柄の業績予想を引き上げている。ブルームバーグによると、日経平均構成銘柄の今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)は14日段階のデータで2879円。日経平均と予想1株当たり利益の比率を示す予想株価収益率(PER)は23.9倍で、事実上の上限とみなすことができる25倍を下回っている。今後、投資家の株価上昇への期待が強まり、予想株価収益率が24.4倍まで高まれば、日経平均は7月1日以来の7万円回復にたどり着く計算が成り立ち、現実味が出てきたといえそうだ。

日経平均株価と予想株価収益率の推移のグラフ

同時にTOPIXの値動きからは、日本株への期待が半導体株に限定されているわけではない状況も浮かび上がる。TOPIXの14日の終値は週次3.00%高の4197.20で、12日に約5週間半ぶりの最高値更新を果たした後、さらに2日連続で記録を伸ばした。33業種別指数の中では22業種が週次で値上がりしていて、過半数の業種の週次上昇は5週連続となっている。なかでもサービス業指数は週次10.82%高で、7日の取引時間終了後に2027年3月通期の業績見通しを上方修正したリクルート・ホールディングス(6098)の週次24.99%高が貢献した。

TOPIXと日経平均株価の推移のグラフ

ドル円相場で再度の為替介入も 日経平均のリスク要因

一方、日経平均の見通しにとってはドル円相場(USD/JPY)の動向が引き続きリスク要因といえる。ブルームバーグによると、ドル円相場の14日のニューヨーク市場の終値は1ドル=159.32円で、7月末の日米両政府による為替介入後の8月3日につけた155.23円から4.09円の円安水準となった。高市政権の積極財政をめぐる情報発信が円安材料と受け止められる中、FRBの利上げ見通しの後退や日本銀行の利上げ見通しの強まりといった円高材料にも関わらず、円安が進んでいる。日米両政府がさらなる協調介入を行うことも躊躇しないとしていることを踏まえれば、今後も突発的な円高進行が日経平均への下落圧力を強めるリスクがある。また、米国の株式市場で半導体株や大手ハイテク株の株価上昇の勢いが欠けていることも不安要素だ。

日経平均株価とドル円相場の推移のグラフ

高市円安に根強さ 今後は円安と株高の同時進行か

ただ、高市政権は5日の臨時閣議で、飲食料品の消費税率を2027年4月から1%に引き下げる方針を閣議決定。9月の税制改正大綱決定に向けて、詳細な制度設計を進めるとしており、今後も消費税減税がはらむ財政の健全性を損ねかねない側面が円安材料として意識される可能性がある。ロイター通信は12日、高市政権は9月15日に税制改正大綱を閣議決定した後、内閣改造人事を行うとの日程感を報じており、財務省出身で財政政策への見識が深い片山さつき財務相や、積極財政派とされる城内実経済財政担当相の去就をめぐる思惑もドル円相場を揺らすとみられる。

このためドル円相場で為替介入が行われた場合でも、円安圧力の根強さが、日経平均への悪影響を短期間で終わらせることも考えられる。実際、日米の協調為替介入の結果としてドル円相場が1ドル=155円台をつけた3日、日経平均は前週末比607.12円安で踏みとどまり、翌日には値上がりに転じた。日経平均の今後の見通しをめぐっては、円安基調が続く中で7万円回復への動きが出る展開が想定されそうだ。

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