日経平均株価は19日の2134円安で6万5000円台に転落。長期金利上昇が連日の波乱を呼んでおり、今後の見通しは暗くなった。
日経平均株価が連日の波乱に見舞われた。日経平均の19日の終値は前日比2134.31安で、2日連続での急落の末、6万5000円台前半に転落した。18日に長期金利(10年物国債利回り)が約30年ぶりの高水準となったことで、投資家の株高への期待が冷え込んだ結果だ。長期金利の上昇は日本以外の主要国でも進んでおり、イラン戦争に伴うホルムズ海峡封鎖が長期化していることが要因のひとつといえる。ただ、8月に入ってからの日本の長期金利の上昇が他国に比べて大きいことを踏まえれば、投資家の脳裏には高市早苗政権の財政政策への懸念があると考えることも可能。一方では、日経平均の急落は割高感を弱める効果を生んでいるものの、金利高が意識される状況が今後も続けば、日経平均の見通しは暗くなっていきそうだ。
日経平均株価(N225)の19日の終値は6万5326.42円。前日比での下落幅(2134.31円安)は前日の1759.52円安に続く大幅な値下がりで、19日終値は4日(6万3957.53円)以来、2週間ぶりの安値となっている。日経平均は17日の終値では前週末比506.45円高の6万9220.25円となって7万円台復帰が視野に入っていたが、一気に冷や水がかかった。日経平均急落のきっかけは長期金利の上昇が勢いづいたこと。ブルームバーグによると、日本の長期金利は18日の終値で2.945%となり、1996年9月16日(2.959%)以来、29年11か月ぶりの高水準となっていた。金利高は株式投資の相対的な魅力を低くする要因で、日経平均にとっての悪材料といえる。
日経平均をめぐるムードを一転させた長期金利上昇の背景には、イラン戦争長期化への懸念がありそうだ。アメリカのドナルド・トランプ大統領は17日、発効の公表から2カ月が経ったイランとの和平合意の覚書について期間延長を望んでいないと言及。金融市場では原油価格が上昇し、米連邦準備制度理事会(FRB)がいずれは物価上昇抑制のための利上げに追い込まれるとの見方から、米国の30年物国債利回りは19年2カ月ぶりの高さにまで上がった。ブルームバーグのデータで、主要国の長期金利の18日の終値をイラン戦争開始前の2月末と比較すると、日本が0.834%ポイントの上昇となっているほか、フランスは0.896%ポイントの上昇、米国も0.768%ポイントの上昇となっている。
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ただ、主要国の長期金利の8月以降の動向をみると、日本の上昇幅は大きさが目立ち、日本特有の事情があるとみることもできる。日本の長期金利の18日の終値は7月末との比較では0.159%ポイントの上昇で、フランスの0.115%ポイントの上昇や、米国の0.031%ポイントの低下と比べて上げ幅が大きい。高市政権は5日に飲食料品の消費税率を2027年4月から1%に引き下げる方針を閣議決定したほか、10日には城内実経済財政担当相が積極財政路線の維持を強調する発言を行っており、日本の財政の健全性が損なわれるとの見方が国債価格の下落を招き、長期金利の上昇につながった可能性もある。
高市政権の経済政策を材料視した長期金利上昇が株安につながる構図は、これまで続いてきた円安と株高の同時進行に変化の兆しが出ていることの表れとみることもできそうだ。ブルームバーグによると、ドル円相場(USD/JPY)が7月23日につけた1ドル=163.99円は1986年11月24日以来、39年8か月ぶりの円安水準。他方、日経平均が6月25日につけた最高値(7万2366.34円)は高市政権発足の起点となった2025年10月4日の自民党総裁選挙前のとの比較では58.11%高に達していた。
一方、19日の日経平均の終値は7月29日につけた直近の安値(6万1434.19円)との比較では6.34%高で、日経平均の大崩れが進んだわけではない。日本の長期金利は19日の取引では2.8%台で推移しており、18日の水準から低下していることも安心材料だ。また、足元の急落で日経平均の割高感が和らいでいることは今後の反発を予感させる。ブルームバーグによると、日経平均の水準と構成銘柄の今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)との比率を示す予想株価収益率(PER)は18日段階のデータで23.2倍となっており、事実上の上限として機能してきた25倍を下回っている。このため、投資家の株価上昇への期待が戻りさえすれば、日経平均が改めて勢いづく可能性もある。
とはいえ、日本の長期金利に改めて3%に近づく動きが出れば、日経平均の予想PERが依然のようには高まっていかない展開も想定される。日経平均が最高値をつけた段階での予想PERは26倍にも達していたこともあり、当面の間は記録更新の可能性が低下したとの見方も成り立ちそうだ。
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