コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

ドル円、高市円安の再進行も 159円台 日銀利上げ見通し拡大帳消し

ドル円相場は159円台で、日米為替介入の円高効果の半分が消えた。日米の金融政策の方向性という円高要因もあるが、高市円安の根強さが目立つ。

Source: ブルームバーグ

Written by

小雲 規生

小雲 規生

シニアファイナンシャルライター/Senior Financial Writer

作成日

ドル円相場で円安圧力がくすぶり続けている。ドル円相場は日本時間14日昼の取引で1ドル=159円台で推移。日米両政府による為替介入で進んだ円高効果の半分が失われた。高市早苗政権の積極財政に関する情報発信が円安を促した側面があり、投資家は「高市円安」継続の可能性を意識している。一方、日米の金融政策をめぐっては円高材料が目立つ。米国の経済指標では物価上昇の過熱感が出ておらず、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ見通しは後退。また日米両政府が円安を警戒する中、日本銀行が9月に利上げに踏み切るとの見方が強まっており、日米の金利差は縮小が進んでいる。ただ、ドル円相場の足元の水準は、為替介入や金融政策面での円高材料が高市政権の動きで帳消しにされたとみることもでき、ドル円相場の今後の見通しをめぐっては円安が一段と進む展開も考えられそうだ。

ドル円相場は一時159.57円 高市政権の情報発信で円安進行

ドル円相場(USD/JPY)は日本時間14日正午段階で1ドル=159.41円で取引されている。ブルームバーグによると、午前5時台には159.57円をつける場面もあった。日本政府と米国政府による為替介入後の8月3日につけた155.23円との比較では4.34円の円安水準だ。ドル円相場は為替介入前の7月30日午前1時台につけていた163.91円から8月3日にかけて8.68円の円高が進んだが、この円高効果のちょうど半分が失われたといえる。

ドル円相場の日足チャートと主な出来事のグラフ

ドル円相場での円安進行の背景にあるのは高市政権の情報発信だ。城内実経済財政担当相は10日午後8時台に配信されたブルームバーグのインタビューで、高市政権の経済政策について「むしろ、円に上昇圧力をかける可能性がある」と発言。積極財政路線が日本への投資を促進することで、円への需要が高まるとの分析を示した。同時に財政の持続可能性についても「非常に重視している」との立場を強調したが、ドル円相場では高市政権が積極財政の正当性を主張する姿勢が円安材料としてとらえられたようだ。ドル円相場は11日午前4時台には159.36円をつけ、インタビュー配信前の10日午後7時台につけていた158.89円から約0.5円の円安となって、為替介入後初の159円台に突入した。

FRBの早期利上げ見通しが後退 7月CPIと雇用統計に弱さ

一方、日米の金融政策をめぐっては円高材料が積み重なっている。米国で12日に発表された7月の消費者物価指数(CPI)は物価上昇率が前月よりも低くなり、物価上昇の過熱を感じさせない結果。また7日発表の7月雇用統計は非農業部門の就業者数が前月比2.3万人減という悪い結果だった。いずれもFRBが物価上昇抑制のために利上げする必要性を弱める、ドル円相場での円高材料だったといえる。ブルームバーグによると、13日の金融市場で見込まれている9月15、16日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は3.716%で、3営業日連続で前日よりも低くなった。9月利上げ確率は34%で、7月雇用統計発表前日(6日)の水準である56%からの低下が進んでいる。

FRBの政策金利の見通しの推移のグラフ

日銀の9月利上げ見通しは強まる 利上げペース加速の声も

また日銀の金融政策をめぐっては9月利上げ見通しが強まっている。ブルームバーグによると、日本時間14日正午の金融市場で見込まれている9月17、18日の金融政策決定会合後の政策金利の水準は1.162%で、為替介入前日にあたる7月29日の水準(1.048%)から0.114%ポイント上昇。9月利上げ確率は73%まで高まった。共同通信は10日午後9時、複数の日本政府関係者の話として、米国が7月31日の為替介入に踏み切った決め手は日銀の植田和男総裁が同日の決定会合後の記者会見で9月以降の早期利上げを強く示唆したことだったと報道。ドル円相場では、実際に米国が為替介入を行ったことで、日銀の早期利上げが公約化したとの見方につながった。

日銀の政策金利の見通しの推移のグラフ

実際、日銀が10日に発表した7月31日までの決定会合での主な意見では、人工知能(AI)関連需要の拡大や円安が物価上昇要因として働いているとの見方が目立ち、「利上げのペースが市場の想定よりも早まることも考えられる」といった指摘や、海外の金融情勢に応じた「機動的対応や利上げ幅」に関する議論が必要があるといった意見、「金融緩和度合いの調整をペースアップする必要がある」との声が出ていた。

こうした日銀の早期利上げ観測は、金融政策の見通しを反映しやすい2年物の日本国債利回りを上昇させている。ブルームバーグによると、2年物国債利回りの13日の終値は1.642%で、7月29日との比較で0.169%ポイント高くなった。日米の2年物国債の利回り差は2.500%ポイントとなり、7月23日の2.859%ポイントからの縮小が続いている。

日米の2年物国債利回りの差とドル円相場の推移のグラフ

足元での円安は鎮静化 今後は「高市円安」の一段の進行も

このためドル円相場での円安は、11日以降は鎮静化している。ブルームバーグのデータで、円の対ドル相場の13日のニューヨーク市場の終値を10日終値と比較すると、0.13%の円安に留まっている。同じ期間では、ポンドの対ドル相場(GBP/JPY)が0.15%のポンド安、ユーロの対ドル相場(EUR/JPY)が0.13%のユーロ安、豪ドルの対ドル相場(AUD/JPY)は0.06%の豪ドル高で、主要通貨がそろってドルに対して横ばいの値動きとなっている形だ。

円、ポンド、豪ドル、ユーロの対ドル相場の推移のグラフ

ただ、足元のドル円相場の水準は、日米両政府による為替介入という異例の動きや、金融政策面での円高材料の積み重なりにも関わらず、投資家の間では円高への期待が盛り上がらない状況といえ、高市円安を材料視する向きの強さを示している。今後のドル円相場の見通しをめぐっては、イラン情勢の悪化などで米国の物価上昇圧力が意識されたり、高市政権が積極財政の維持を強調する情報発信を行ったりした場合に、円安が一段と進む展開も考えられそうだ。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。