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日経平均、ハイテク決算ショック不安 連日急落 キオクシア13%安

日経平均株価は連日の急落で6万1000円台。キオクシアは最高値から6割超安くなった。30日は米国での注目決算発表がショックを走らせる恐れがある。

Source: ブルームバーグ

Written by

小雲 規生

小雲 規生

シニアファイナンシャルライター/Senior Financial Writer

作成日

日経平均株価が連日の急落に見舞われた。日経平均の29日の終値は前日比930.73円安の6万1000円台半ば。前日の2500円超安に続く1%を超える値下がりとなった。約1か月前につけた最高値からは15%安となり、急落が止まらない形だ。29日の急落は、韓国のメモリ半導体大手、SKハイニックスが行った2026年4-6月期決算が悪材料視された結果で、人工知能(AI)ブームの継続性への疑念が投資家の不安を掻き立てている。29日の東京株式市場では半導体製造装置の東京エレクトロンが急落したほか、メモリ半導体のキオクシアホールディングスも13%超値下がりし、最高値から64%安まで売られた。こうした中、29日のアメリカの株式市場では米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策発表が控えており、株価急落の引き金を引く恐れがある。また29日の取引時間終了後には、マイクロソフトなど大手ハイテク各社の決算発表も予定され、設備投資負担の大きさが意識されるなどすれば時間外取引での株価急落が、30日の東京株式市場にショックを走らせる恐れもありそうだ。

日経平均株価は連日の急落で6万1434.19円 最高値から15%安

日経平均株価(N225)の29日の終値は6万1434.19円で、5月20日(5万9804.41円)以来、約10週間ぶりの安値。前日比では930.73円安(1.49%安)にあたり、前日の2566.27円安(3.95%安)に続く、大幅な値下がりだった。29日の終値は6月25日の最高値(7万2366.34円)からは15.11%安の水準で、最高値から足元までの1か月あまりで1%超の急落が10回も発生する荒れた値動きとなっている。

日経平均株価と長期金利の推移のグラフ

韓国SKハイニックスの決算発表で打撃 東京エレクトロン10%超安

29日の急落の要因は、朝方に伝わったSKハイニックスの4-6月期決算発表の内容。総収入は前年同期比3.6倍の79兆3187億ウォン、営業利益は6.6倍の60兆5426億ウォンという爆発的な成長を示したものの、いずれもブルームバーグがまとめた市場予想を5%超下回る結果。ブルームバーグによると、SKハイニックスは2026年通期の設備投資額が少なくとも前年比1.5倍の45兆ウォンになるとの見通しも示している。29日の韓国取引所ではSKハイニックスの株価が一時、前日比19%安となる場面もあった。

これを受けた29日の日経平均を急落させたのもやはり半導体株だ。東京エレクトロン(8035)は28日発生の熊本地震を受けて熊本県内の工場の稼働停止を発表したこともあり、前日比10.59%安となって、日経平均を595円押し下げた。ChatGPTで知られるオープンAIに出資するソフトバンクグループ(9984)も6.95%安となり、日経平均を下押ししている。半導体検査装置のアドバンテスト(6857)も1.22%安となった。このうちアドバンテストは29日の取引時間終了後に4-6月期決算を発表。総収入と営業利益がともにブルームバーグがまとめた市場予想を上回った。2027年3月通期の業績見通しについても、総収入を1兆7140億円、営業利益を8460億円とし、やはり市場予想を大きく上回っている。

日経平均株価を動かした構成銘柄の寄与額のランキング表

キオクシアは13.85%安 最高値から64%安まで値下がり

また29日の取引では、イラン戦争終結への期待で4月以降に株価が急騰した銘柄も急落した。キオクシア(285A)は前日比13.85%安で、前日の18.33%安に続く10%超の値下がり。6月22日の最高値からは64.69%安となっている。さらにAI半導体システムに用いられる積層セラミックコンデンサ(MLCC)が注目される太陽誘電(6976)は12.36%安で、最高値から60.25%安まで値下がり。村田製作所(6981)も12.89%安となり、最高値から49.13%安となっている。

太陽誘電、村田伊製作所、イビデン、キオクシアなどの株価の推移のグラフ

FRBの金融政策の方向性で日経平均に下落圧力も

こうした中、日経平均は30日も、改めて海外発のショックにさらされる恐れがある。米国では29日午後2時(日本時間30日午前3時)に連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表され、30分後にはケビン・ウォーシュ議長が記者会見を開く。今回のFOMCで利上げが決まった場合や、ウォーシュ氏の記者会見から9月利上げへの積極姿勢が感じられた場合には、金利の先高観が米国株を急落させ、30日の日経平均にも下押し圧力がかかる可能性がある。ブルームバーグによると、28日の金融市場では今回のFOMC後の政策金利の水準は3.706%と見込まれ、利上げ確率は32%とされている。

FRBの政策金利の見通しの推移のグラフ

マイクロソフトやメタの決算も焦点 日経平均にショック走るか

また米国株式市場の29日の取引時間終了後にはマイクロソフト(MSFT)とメタ・プラットフォームズ(META)が4-6月期決算発表を行う。マイクロソフトは2027年6月通期の設備投資額の見通しを示すとみられ、伸び率が高くなれば、株価に下落圧力がかかりそうだ。メタも2026年通期の設備投資の見通しが注目されるほか、AIを用いた新事業の展望なども焦点となる。S&P500への影響度が大きい「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社の一角である両社の株価が29日の時間外取引で急落すれば、投資家心理の悪化が30日の日経平均を急落させる恐れがある。

一方、同じ29日の米国株式市場の取引時間終了後にはソフトバンクグループの子会社でイギリス半導体大手のアーム・ホールディングス(ARM)も決算発表を行う。アームの4-6月期は低中価格帯のスマートフォン市場の不振が業績に悪影響を及ぼしている恐れがある半面、3月に参入を表明した自社製半導体事業に対する需要の強さが示されれば、株価にとっての好材料とみなされる可能性もある。ただ、マイクロソフトやメタの決算発表が投資家心理を暗くした場合は、アームの自社製半導体事業への期待も盛り上がらない展開も考えらえ、30日の日経平均にショックが走る不安は拭えない。

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