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日経平均、エヌビディア決算前に急落も 週次2697円安 イラン情勢逆風

日経平均株価は金利高を受けた大幅安で7万円回復への楽観が失われた。週明けはイラン情勢とエヌビディア決算への警戒が波乱要因となる。

日経平均、エヌビディア決算前に急落も 週次2697円安 イラン情勢逆風 Source: ブルームバーグ

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小雲 規生

小雲 規生

シニアファイナンシャルライター/Senior Financial Writer

作成日

日経平均株価の見通しに暗雲が漂っている。日経平均の21日の終値は1週間前比2697.44円安の急落。イラン戦争長期化を背景とした長期金利(10年物国債利回り)の上昇が悪材料となって、一時は6万5000円台まで転落する場面もあった。値がさ半導体株がそろって値下がりしており、7万円回復に向けた楽観ムードは失われている。一方、投資家の間で日経平均構成銘柄の業績に対する期待が崩れていないことは好材料。投資家心理が回復しさえすれば、日経平均が改めて値上がり基調に戻る可能性はある。ただ、人工知能(AI)ブームを背景とした業績期待が膨らむ中でも、半導体企業間の競争は厳しさを増しており、投資家の銘柄選別の目は厳しくなる可能性もある。またイラン情勢をめぐっては週明け24日にアメリカのドナルド・トランプ政権がイランへの「経済作戦」を打ち出すとしており、投資家心理を冷やすリスクがありそうだ。さらに日本時間27日早朝には、米国の半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の2026年5-7月期決算発表も控えているだけに、日経平均の今後の見通しをめぐっては警戒感からの急落が進む恐れがある。

日経平均株価は週次2697円安 一時は6万5000円台に転落

日経平均株価(N225)の21日の終値は前日比では200.43円安の6万6016.36円。ブルームバーグによると、週次での下落(2697.44円安)は3週ぶりで、下落幅は台湾積体電路製造(TSMC、TSM)の4-6月期決算発表が過剰投資の恐れを高めた7月13-17日週(4416.61円安)以来の急落だった。週初めの17日は6万9220.25円まで上昇して7万円回復が視野に入ったが、18、19日の急落で合計3893.83円安となり、6万5326.42円まで後退する場面もあった。

日経平均株価と週次の騰落額の推移のグラフ

長期金利が29年11か月ぶり高さ 値がさ半導体株がそろって下落

日経平均を急落させたのは長期金利の上昇だ。トランプ大統領が17日、2カ月前に発効が公表されたイランとの和平合意の覚書の期間延長を望んでいないと述べたことが原油価格を上昇させ、世界的な金利高につながった。ブルームバーグによると、日本の長期金利は18日終値で2.945%となり、1996年9月16日以来、29年11か月ぶりの高水準に到達。金利高は株式投資の相対的な魅力を低くする要因といえ、日経平均にとっての逆風となった。

日経平均株価と長期金利の推移のグラフ

個別株の値動きでは半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)が21日までの週次で8.19%安となって、日経平均を486円押し下げた。ChatGPTで知られるオープンAIに出資するソフトバンクグループ(9984)も週次8.43%安、半導体検査装置のアドバンテスト(6857)も週次2.63%安となっていて、日経平均の牽引役となるはずの値がさ半導体株がそろって下落した。日経平均を構成する225銘柄中、66%にあたる148銘柄が週次で値下がりしている。

日経平均を動かした構成銘柄の寄与額のランキング

企業業績への期待は維持 7万円台回復の可能性は残る

一方、投資家の間では日経平均構成銘柄の業績への期待はさらに高まっている。ブルームバーグによると、日経平均構成銘柄の今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)は21日段階でのデータで2939円。日経平均が週次3.93%安となる中でも、予想1株当たり利益は1週間で1.17%増となった形だ。日経平均の水準と予想1株当たりの比率を示す予想株価収益率(PER)は21日段階で22.5倍。仮にこの倍率が23.9倍まで高まれば、日経平均は7万円に到達するとの計算が成り立ち、引き続き、7万円回復への期待は続いていきそうだ。

日経平均株価と1株当たり利益の推移のグラフ

キオクシアは週次1.08%高を確保 競争激化でシェアは低下

こうした中、メモリ半導体のキオクシアホールディングス(285A)は値がさ半導体株の不振を尻目に、21日の終値で週次1.08%高を確保。7月31日に発表した4-6月期決算で営業利益(non-GAAP)が前年同期比29倍の1兆3262億円になる驚異的な成長をみせたことへの評価が残っていそうだ。

太陽誘電、村田伊製作所、イビデン、キオクシアなどの株価の推移のグラフ

ただ、半導体株をはじめとするAI関連企業への期待は中期的にはブレーキがかかる可能性もある。市場調査会社のトレンドフォースが18日に発表したNAND型フラッシュメモリ市場のデータでは、キオクシアの市場シェアは13.6%となり、1-3月期の13.9%から低下。米マイクロン・テクノロジー(MU)に抜かれ、4位に転落した。キオクシアと協業関係にある米サンディスクもシェアを13.9%から11.4%へと落としており、半導体企業同士の競争が激しくなっている。キオクシアの株価は18日と19日は合計で19.23%安となり、長期金利上昇に揺れた日経平均の足を引っ張った。

イラン情勢は悪材料 エヌビディア決算への警戒での急落も

また、日経平均にとってはイラン情勢も引き続き悪材料だ。トランプ氏は19日にイランに関する経済制裁の強化を打ち出す方針を発表。スコット・ベッセント財務長官は具体策について週明け24日の記者会見で明らかにするとしており、ホルムズ海峡封鎖の長期化に対する懸念が強まれば、改めて世界的な金利上昇の引き金を引く可能性がある。この場合は日本の長期金利が3%に向かって上昇し、日経平均をめぐる投資家心理を冷やすことが想定される。またイラン情勢悪化が米国株式市場の急落を招くケースでも翌日以降の日経平均に強い下落圧力がかかる恐れがある。

また米国のエヌビディアが日本時間27日早朝に行う5-7月期決算も日経平均にとっての波乱要因だ。エヌビディアが3カ月前の日本時間5月21日朝に2-4月期決算を発表した際の値動きでは、日経平均は21日以降は大きく上昇したものの、この前日までは5営業日続落で合計3467.70円安となっていた。足元の米国の株式市場ではエヌビディアの株価が21日までに6営業日続落という4年ぶりの悪い記録に到達しているだけに、週明け24日以降の東京株式市場では日経平均が急落に見舞われるリスクがある。

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