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エヌビディア、株価下落の恐れ 26日決算 圧倒的な業績見通し示せるか

エヌビディアの決算発表は8-10月期の業績見通しが圧倒的な内容になるかが焦点。大手企業頼みの成長脱却を示せなければ、株価は下落基調となりそうだ。

Source: ブルームバーグ

Written by

小雲 規生

小雲 規生

シニアファイナンシャルライター/Senior Financial Writer

作成日

半導体大手NVIDIA(エヌビディア)が26日に行う2026年5-7月期決算発表は株価が下落基調に転じるきっかけになる可能性がある。エヌビディアの株価は7月下旬につけた直近の安値からの回復基調にあるが、2025年夏以降の値動きでは、決算発表の度に株価が下落方向に進むパターンが感じられるからだ。エヌビディアの株価がかつての勢いを失っている要因は、大手ハイテク各社の設備投資負担の重さが人工知能(AI)ブームの持続性への不安を高めていること。また、エヌビディアの業績には「循環取引」への懸念も根強く残っており、エヌビディアが26日にこれまで通りに好業績を明らかにしても、投資家が抱く悲観を打ち消すことができない展開も考えらえる。このためエヌビディアの26日の決算発表では、8-10月期の見通しについて投資家の想定を圧倒的に上回る数字を示すことができるかどうかが焦点といえ、一部の大手企業に頼らない成長力をみせられなければ株価下落につながりそうだ。

エヌビディアの2026年5-7月期決算は総収入が98%増の見込み

エヌビディアはアメリカ東部時間26日午後4時20分(日本時間27日午前5時20分)ごろに5-7月期決算を発表。40分後の午後5時から決算会見を開く。ブルームバーグがまとめた事前予想では、総収入は前年同期比96.5%増の918.53億ドル、調整ベースの1株当たり利益(EPS)は98.1%増の2.08ドルと見込まれている。事前予通りになれば、総収入の伸び率は4四半期連続で直前の四半期よりも大きくなる一方、1株当たり利益は前四半期(2-4月期)の130.9%増から成長が鈍化する。前四半期の1株当たり利益は、比較対象となる1年前の業績が輸出規制の悪影響で下振れしていたため、伸び率が大きくなっていた。

エヌビディアの総収入と1株当たり利益の推移のグラフ

エヌビディアの株価は7月下旬の安値から15%高 割安感も

エヌビディアの株価(NVDA)の18日の終値は前日比2.34%安の219.74ドル。直近の安値である7月29日(190.01ドル)との比較で15.65%高だ。直近の安値をつけた29日は米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)後の情報発信がFRBが利上げで出遅れるリスクを感じさせて株式市場が下落していたが、取引時間終了後、マイクロソフト(MSFT)が2026年の設備投資額の見通しが会計基準変更の結果として低くなったと公表し、翌30日の株式市場で好材料視された。足元のエヌビディアの株価は5月14日の最高値(235.74ドル)からは6.79%安となっている。

エヌビディアの株価と予想株価収益率の推移のグラフ

ブルームバーグによると、エヌビディアの直近の株価と今後12か月の予想1株当たり利益から算出される株価収益率(PER)は18日段階で19.9倍。前回の決算発表があった5月20日の23.4倍から大きく低下している。決算発表から足元までに、予想1株当たり利益が15.4%増となる半面、株価は1.67%安に留まっているためで、株価の割安感が強まっている形だ。アナリストが提示する目標株価の平均は304ドル程度で、現状よりも38%ほど高い。81人のアナリストのうち78人は買い、2人は維持、1人は売りを勧めている。

AIブーム継続に疑念 大手ハイテクのフリーキャッシュフローが赤字に

エヌビディアの株価の18日の終値は株式市場でAIブームが本格化する前の2022年末と比較すると15倍にも膨らんでいるが、1年前に行った2025年5-7月期決算発表以降は、決算発表を挟んで株価が下落基調になるパターンが出ている。米国と中国の半導体産業における覇権争いの結果として、エヌビディアの中国向け輸出が奮わなくなっていることに加え、2025年秋以降は大手ハイテク各社の設備投資額の急増がAIブームの継続性への疑念を強めたことが、エヌビディアの急成長にブレーキがかかるとの思惑を広げているためだ。アマゾン・コム(AMZN)やアルファベット(GOOGL)はクラウド事業への設備投資を積み増した結果、フリーキャッシュフローが赤字に転じており、社債発行への依存が強まっている。

アマゾンなどのフリーキャッシュフローの推移のグラフ

循環取引への懸念に根強さ オープンAIの成長不振も不安材料

また、エヌビディアの業績をめぐっては、循環取引への懸念も根強い。エヌビディアは17日、ソフトバンクグループ(9984)などが支援するSBエナジーがオハイオ州で建設中の大規模データセンターにエヌビディアの半導体が独占的に採用され、オープンAIが20年間のリース契約を結んで利用すると発表。同時にエヌビディアがデータセンター建設に関連して最大1050億ドルを支出することに合意したとも報じられている。このデータセンターは2028年から段階的に稼働を開始する。

エヌビディアのジェンスン・ファンCEOは17日のブログへの投稿で、エヌビディアはデータセンター全体のコストや利用料金のすべてを支援するわけではないと強調。オープンAIが利用料を支払うにつれて、エヌビディアが支援を行う可能性は低減していくとした。エヌビディアは2030年までに約6000億ドル相当の収入を得られる機会があるともしている。ただ、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は18日午後6時台に、オープンAIの4-6月期の総収入は前四半期との比較で18%増の67億ドルで、ライバルのアンソロピックの4-6月期の総収入が前四半期比2倍超にあたる116億ドルになったことに見劣りする結果だったと報じており、投資家の不安は高まることになりそうだ。

大手ハイテク頼みの行方は? 8-10月期の見通し次第で株価下落も 

こうした中、エヌビディアは急成長の原動力が、ハイパースケーラーと呼ばれる大規模事業者から、全世界で25万社もあると想定されるACIE(AI Clouds, Industrial, Enterprise)市場に移りつつあると強調。前回の2-4月期決算発表ではハイパースケーラー市場での収入の378.69億ドルに対して、ACIE市場での収入もほぼ同等の373.77億ドルまで成長したことを明らかにした。ファン氏は「ACIE市場はハイパースケーラー市場よりも大きくなる」と述べ、エヌビディアの成長は大手ハイテク各社頼みではないことを強調している。

このため26日の5-7月期決算発表ではエヌビディアが8-10月期の総収入の見通しで投資家不安を払拭する圧倒的な成長の道筋を示せるかが焦点となる。ブルームバーグのまとめによると、金融市場では8-10月期の総収入は前年同期比82.6%増の1041.05億ドルと予想されており、エヌビディアの四半期決算として初の1000億ドル台が見込まれている形。決算発表ではエヌビディアが示す見通しが、この数字に加え、市場予想の上限である前年同期比96.7%増の1121.49億ドルを超えられるかどうかも注目される。

またエヌビディアの5-7月期の実績に関する金融市場の予想では、ハイパースケーラー市場での収入が前年同期比82.3%増の435億ドルになるとされる一方、ACIE市場での収入は142.6%増の417億ドルという高い成長率が見込まれている。ACIE市場での高成長への期待はファン氏の公約が反映された結果といえ、期待はずれの内容に終われば、エヌビディアの株価に下落圧力がかかり、決算発表後に株価が下落基調に入るパターンが繰り返される可能性がありそうだ。

エヌビディアの市場分野別の収入の推移のグラフ

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