日経平均株価は週次で過去最大の下落幅。3連休明け21日以降は、米国での大手ハイテク各社の決算が投資家心理を揺らす恐れがある。
日経平均株価が歴史的な急落に見舞われた。日経平均の17日の終値は1週間前比4416.61円安で、週次として過去最大の下落幅。6月下旬の最高値から11%超安となった。人工知能(AI)ブームへの期待から急騰してきたAI株が同時に急落したためで、投資家心理が一気に悪化したといえる。一方、17日の週次の値動きでは日経平均を構成する225銘柄の半分以上が値上がりしており、投資家がAI株からの資金移動を図っている様子も感じられる。東京証券取引所全体の値動きを反映する東証株価指数(TOPIX)の33業種別指数も半分以上が17日までの週次で値上がりした。ただ、3連休明け21日以降の株式市場では、アメリカでの大手ハイテク企業の決算発表が控えており、投資家心理が揺れやすい状況が続く。急落に見舞われた日本のAI株には依然として下落余地が残っているとみることも可能で、再び波乱に見舞われる恐れがありそうだ。
日経平均株価(N225)の17日の終値は前日比では2694.42円安の6万4141.12円。週次での下落幅(4416.61円安)は、米国のドナルド・トランプ大統領が相互関税を発表した2025年3月31日-4月4日週の3339.75円安を超え、過去最大の週次下落幅となった。ブルームバーグによると、17日終値は6月25日につけた最高値(7万2366.34円)からは11.37%安にあたり、米国の5月雇用統計の過熱感などが悪材料となった6月8日(6万4024.60円)以来の安値となった。
日経平均急落の要因はAIブームの継続性をめぐる不安の拡大だ。半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC、TSM)が16日に行った2026年4-6月期決算発表はAI関連の半導体需要のかつてない強さを確認する内容だったが、16日の米国株式市場では半導体株が急落。AIブームの過熱感は、半導体企業にとっては過剰投資の危険と背中合わせで経営の舵取りを迫られる状況といえ、投資家のリスク回避姿勢を強めたようだ。米国の株式市場では17日も半導体株の急落が続き、半導体株の値動きを示す株価指数は弱気相場入りとなっている。
簡単!3分で口座開設申込
最短1営業日で取引開始
このうち東京エレクトロンの週次下落率は四半期決算での減収が悪材料になった2025年7月28日-8月1日週(19.87%安)以来、11か月半ぶりの大きさ。ソフトバンクグループの下落率は、高市早苗政権の誕生を好材料視する高市トレードの反動で9週ぶりの下落となった2025年11月3-7日週(19.82%安)以来、8か月ぶりの大きさだ。
また17日までの週次の取引ではイラン和平への期待が高まった4月以降に株価が急騰してきた銘柄も急落。メモリ半導体のキオクシアホールディングス(285A)は週次32.32%安の5万2110円となり、6月22日の最高値(10万8700円)から52.06%安まで値下がり。AI向け半導体システムに用いられる積層セラミックコンデンサ(MLCC)が注目されている太陽誘電(6976)も週次25.08%安となり、7月1日の最高値から51.29%安となった。このほか、SUMCO(3436)、イビデン(4062)、村田製作所(6981)も週次で20%を超える値下がりとなっていて、値がさ半導体株とともに2026年上半期の日経平均の上昇を後押しした急騰銘柄をめぐるムードが一変している。
ただ、日経平均は株価の金額が高い構成銘柄の影響を受けやすいという特性があり、週次で値上がりした116銘柄が日経平均を押し上げる効果は488円にすぎなかった。このため日経平均の値動きは引き続き、AI株の動向に左右されることになる。こうした中、太陽誘電やイビデン、村田製作所などの株価は急落後も割高感が残っていることは日経平均にとっての不安要素だ。ブルームバーグによると、太陽誘電の株価と今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)から算出される株価収益率(PER)は17日段階で44.8倍程度で、株式市場でAIブームが本格化した2023年以降の平均値(29.2倍)を大きく超えている。同様の傾向はイビデンや村田製作所の株価水準からも感じられる。
3連休明け21日以降の日経平均の見通しをめぐっては、米国東部時間22日夕方(日本時間23日早朝)に行われるアルファベット(GOOGL)とテスラ(TSLA)の4-6月期決算発表の重要性が高まりそうだ。なかでもアルファベットはAIサービス強化のために巨額の設備投資を積み重ねており、クラウド事業の稼ぐ力に陰りがみられたり、設備投資見通しの上方修正が行われたりすれば、AIブームの継続性への期待が大きく後退する可能性がある。また23日夕方には半導体の名門企業のインテル(INTC)の4-6月決算発表も控えており、TSMCの決算発表同様、投資家心理の揺らぎが日経平均への強い逆風になる可能性がありそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。