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米国株、FOMCで下落も S&P500連騰記録停止 利下げ見通し後退

S&P500は5日に10営業日ぶり下落。企業業績への不安が膨らむ一方、FRBの利下げ見通しは後退しており、7日のパウエル氏の記者会見が注目される。

米国株、FOMCで下落も S&P500連騰停止 利下げ見通し後退 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場で上昇の勢いが削がれた。S&P500種株価指数の5日の終値は前週末比0.64%安で、20年半ぶりの連騰記録は9でストップ。株式市場の好調さの背景となってきた米中間の関係改善期待に具体的な進展がなく、企業業績への不安が解消されていないことが背景にある。米自動車大手フォード・モーターは5日の取引時間終了後に、トランプ氏の高関税が年間15億ドルの業績下押し効果を生むとの見通しを示し、時間外取引で株価が下落した。ただ、こうした中でも、足元の経済指標には堅調さも感じられ、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しは後退している。ジェローム・パウエル議長が6、7日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見でも利下げへの慎重姿勢を示せば、S&P500への下落圧力として働くことも考えられそうだ。

アメリカのS&P500は10営業日ぶり反落 長期金利上昇が逆風に 

S&P500(SPX)の5日の終値は5650.38。前週末2日までは2004年秋以来、20年半ぶりの9営業日続伸を記録していたが、ブレーキがかかった形だ。一方、長期金利は3営業日連続で上昇。ブルームバーグによると、5日のニューヨーク債券市場での長期金利の終値は4.345%。長期金利はトランプ氏がパウエル氏の解任を否定した4月22日から30日にかけて7営業日連続で低下してきたが、このところは上昇に転じている形だ。長期金利の上昇は株式の投資先としての魅力を想定的に薄れさせる、S&P500にとっての逆風とされる。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

米中関係改善期待は膨らまず フォードは高関税で15億ドルの悪影響の見通し

S&P500の5日の値下がりの背景には、9連騰の要因となってきた米中関係改善への期待が、膨らまなかったことがある。トランプ氏は4日に放送されたNBCでのインタビューで、「どこかの段階で中国製品への高関税は引き下げる」と発言。しかし具体的な協議進展の見通しには触れず、米国と中国が互いに高関税をかけあっている結果、中国経済は崩壊しつつあり、中国は米国との取引を望んでいるとの立場を繰り返した。また、同じ4日には記者団に対して、今週中に関税協議で一部の国との合意がまとまる可能性が「十分にある」とも述べたが、投資家の期待をこれまで以上に高めることはなかった。

逆に5日の取引時間終了後には企業業績への不安の大きさも印象付けられた。フォードは5日に行った2025年1-3月期決算発表に際し、2025年の利払い・財引き前利益(EBIT)が高関税の影響で15億ドル押し下げられるとの試算を公表。そのうえで高関税がもたらす混乱は「重大な産業上のリスクだ」として、2025年の業績の見通しを示さなかった。5日の時間外取引でフォードの株価(F)は直前の終値から2%超安となっている。自動車大手ではゼネラル・モーターズ(GM)も1日に、高関税により2025年の業績が40億-50億ドルの悪影響を受けるとの見通しを示している。

アップルの株価は決算発表から2日で6%超安 経済指標は大崩れを回避 

トランプ氏の高関税が業績を下押しするとの見通しは、S&P500への影響度が高い大手ハイテク株でも高まっている。アップル(AAPL)は1日の1-3月期決算発表に際して、トランプ氏の高関税は4-6月期の業績に9億ドルの悪影響をもたらすとの見通しを提示。株価は2日、5日と続落し、合計6.76%安となっている。アマゾンも同じ1日の決算発表で成長加速に自信を示したが、投資家の不安は解消されず、株価(AMZN)は5日までの2営業日続落で2.02%安となった。電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA)も4月22日の1-3月期決算発表で2025年のEV販売台数が2024年よりも増えるとの見通しを撤回している。

マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コム、アップル、アルファベット、テスラ、エヌビディアの株価の推移のグラフ

ただ、こうした中でも足元の経済指標は大崩れを回避している。2日発表の4月雇用統計は非農業部門の就業者数の3か月平均での増加ペースが前月比15.5万人増で維持される堅調な結果。また、米サプライマネジメント協会(ISM)が1日と5日に発表した、4月の製造業と非製造業(サービス業)の景況感指数は、いずれもブルームバーグがまとめた市場予想を上回る結果だった。

ISMの製造業PMIの推移のグラフ
ISMのサービス業PMIの推移のグラフ

FRBの利下げ見通しは後退 パウエル氏がFOMC後に慎重姿勢ならS&P500下落も

このため、FRBが経済の減速を防ぐため利下げ姿勢を積極化させるというシナリオは後退した。CMEグループによると、FRBが年末までに行う利下げの回数が4回に達することについて投資家の動向から算出される確率は、日本時間6日午前11時の段階で34%。4月30日段階の75%から大きく低下している。FRBの利下げはS&P500の上昇期待を強めるカギとなるだけに、投資家にとっては不安材料といえそうだ。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)は5日の終値で23.64となり、3営業日ぶりに反発した。

VIXとS&P500の推移のグラフ

S&P500の今後の見通しをめぐってはパウエル氏がFOMC後の7日に行う情報発信の重要度が高まる。FOMC自体は利下げ見送りが確実視されているが、パウエル氏がトランプ氏の高関税政策が経済や物価に及ぼす影響についてどのような見解を示すかが焦点なりそうだ。パウエル氏は4月16日の講演で、物価上昇再燃への警戒から利下げに慎重な姿勢を示し、S&P500の値下がりの材料を提供した。今回のFOMC後の記者会見でもパウエル氏が同様の立場をとれば、9連騰で示されたS&P500の上昇機運が改めて削がれることも想定される。


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