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米国株、緊張感高まる S&P500反落 EUとの関税協議は追い風期待

S&P500は7日に反落。トランプ氏の高関税政策への不安が影響した。EUとの関税協議が前進すれば、投資家心理が上向く可能性もある。

米国株、緊張感高まる S&P500反落 EUとの関税協議は追い風期待 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場で緊張感が高まっている。S&P500種株価指数の7日の終値は3連休前比0.79%安で、3営業日ぶり反落した。米国のドナルド・トランプ大統領が日本や韓国など14の貿易相手国に高関税を通知する書簡を送り、公開したことが要因だ。高関税は米国内の物価上昇圧力を強める可能性があり、米連邦準備制度理事会(FRB)の9月利下げへの期待は後退。半導体大手NVIDIA(エヌビディア)など大手ハイテク株が下落し、投資家心理が悪化している。ただ、トランプ氏は4月に発表した相互関税一部停止の期限を8月1日まで延長しており、14か国に示された関税率からは強硬姿勢の強まりは感じられない。S&P500の今後の見通しをめぐっては、今回書簡が公表されなかった欧州連合(EU)との協議が焦点で、合意が成立すればS&P500に上昇圧力がかかることも考えられそうだ。

アメリカのS&P500は0.79%安 3週間ぶりの下落率で最高値から後退

S&P500(SPX)の7日の終値は6229.98。3連休前の3日につけた最高値から後退した。S&P500はトランプ氏がイスラエルとイランの停戦合意を発表した6月23日から上昇基調にあったが、7日の下落率(0.79%安)は6月17日の0.84%安以来、約3週間ぶりの大きさとなった。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

トランプ氏は各国あての書簡を公表 日本への関税は8月1日から25%に

投資家の楽観ムードを冷やしたのはトランプ氏の高関税政策だ。トランプ氏は7日、相互関税一部停止の期間を9日から8月1日へと延長する大統領令に署名。自身のSNSトゥルースソーシャルへの投稿では、日本からの輸入品に対して8月1日から25%の関税を課すとする石破茂首相あての書簡を公開した。その後、日本を含めて14か国に対する書簡を相次いで投稿。14か国の関税率は25-40%の範囲で、韓国に25%、南アフリカに30%、タイに36%、ラオスに40%などとしている。

一方、トランプ氏は米国の主要な貿易相手国の中でEUや台湾については書簡を公開していない。また、トランプ政権は5月8日に発表した英国との合意では関税率を10%とし、7月2日に発表したベトナムとの合意では原則として20%の関税を課すとした。また米国は中国との間では5月12日に関税大幅引き下げで合意。中国製品への相互関税を125%から10%に引き下げると当時に、違法薬物フェンタニルの流入阻止などを理由として3月までに発動した20%関税は維持している。

高関税への懸念でFRBの利下げ見通しは後退 9月利下げ確率は68%に低下

実際に各国からの輸入品に高関税が課されれば、米国内の物価上昇につながるおそれがあり、FRBの利下げを難しくする要因だ。ブルームバーグによると、金融市場で見込まれる9月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利は7日時点で4.160%となり、3日段階の4.146%から上昇した。利下げ確率は67.8%で、3日の73.1%から低下している。米国の金利が下がっていくとの見通しが弱まったといえ、S&P500にとっては逆風といえそうだ。

金融市場で見込まれるFRBの政策金利の推移のグラフ

エヌビディアは0.69%安 マスク氏の新党立ち上げでテスラは6.79%安

こうした中、7日の株式市場ではS&P500への影響度が強い大手ハイテク株が下落。エヌビディアの株価(NVDA)が3連休前比で0.69%安と値下がりしたほか、アップル(AAPL)は1.69%安、アルファベット(GOOGL)は1.53%安となった。また、電気自動車(EV)大手のテスラ(TSLA)も7日に3連休前比で6.79%安。イーロン・マスクCEOが5日にXへの投稿で新たな政党として「アメリカ党」を立ち上げると表明したことが、トランプ氏との決別をより決定的にし、マスク氏の経営への関わりを薄めるとの不安につながっている。

メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、テスラ、アップル、アマゾン・コム、アルファベット、エヌビディアの株価の推移のグラフ

エヌビディア以外の半導体株では7日、クアルコム(QCOM)が3連休前比で2.54%安。アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)が2.26%安となっている。S&P500構成銘柄ではないものの、英半導体大手のアーム・ホールディングス(ARM)は5.29%安となり、5月29日(5.49%安)以来の大きな下落率となった。

エヌビディア、ブロードコム、アーム・ホールディングスの株価の推移のグラフ

7日の金融市場では投資家心理も悪化した。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の終値は17.79で、米国の株式市場が休場だった4日終値との比較では1.77%上昇。VIXは4日の取引でも、トランプ氏が各国の関税率が最大70%になる可能性があるとも述べたことなどから、前日比6.72%上昇していた。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。

VIXとS&P500の推移のグラフ

高関税に交渉の余地 米国のEUの協議が合意に至ればS&P500に追い風

ただ、トランプ氏が高関税をめぐる各国との交渉期限を8月1日まで延長したことは状況が改善する可能性も感じさせる。トランプ氏は各国あての書簡の中で、米国に対して市場を開くのであれば、「書簡の内容を修正することを考慮する」としている。また、今回の書簡で各国に示された税率は、4月2日の発表内容とほぼ同じか低い水準に設定されており、トランプ氏が態度を強硬化させたとはいえなさそうだ。4月2日に発表された日本に対する相互関税は24%で、今回の書簡で示された8月1日以降の税率(25%)と大きな違いはない。

このためS&P500の今後の見通しをめぐっては、今回書簡が公開されなかったEUとの協議の行方が注目される。トランプ氏は5月にEU製品に50%の関税をかける方向性を示したが、発動は7月9日まで延期。ブルームバーグは関係者の話として、EUは8月1日以降10%の関税率となることを目指して週内にも合意にこぎつけたい考えだ報じている。実際に合意が成立すれば、米国経済の不透明感が和らぐ、S&P500にとっては追い風になりそうだ。


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