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米国株 今週の見通し 7/7~11日:S&P500予想6,100~6,330、金利上昇と調整売りを警戒

トランプ減税と米政権の関税通知は悪い米金利の上昇要因になり得る。今週のS&P500は調整売りを警戒したい。同指数が原資産の株価指数CFD「米国500」の週間予想レンジは6,100~6,330。注目のチャート水準についてIG証券アナリストが分かりやすく解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

・7月相場入りした米国株、S&P500は連日で最高値を更新する好スタート
・大型減税法案の成立と米政権の関税通知は悪い金利の上昇要因に
・高値警戒感が高まる中での米金利上昇は調整売りの要因に
・米国500の週間予想レンジは6,100~6,330




7月相場、S&Pとナスダックは最高値更新で好スタート

7月相場入りした米国株。第1週の市場では主要な株価指数が全て上昇し好スタートを切った。特にS&P500とナスダック総合指数は独立記念日の祝日前に、連日で最高値を更新した。

中小型株のラッセル2000は3.5%高と主要指数の中で最も上昇した。大型のハイテク株だけでなく中小型株にまで買いが広がった状況は、強気相場に勢いがあることを示唆している。

米国株価指数の変動率:6月30日~7月3日

米国株価指数 週間の変動率:6月30日~7月3日

ブルームバーグのデータで筆者が作成


強気相場も上昇の過熱感は否めず、ハイテク株の調整売りを警戒

米株式市場の時価総額の約80%をカバーするS&P500のトレンドを週足チャートで確認すると、フィボナッチ・エクステンション100%の水準6,300の攻防にある。13週線が急速に上昇トレンドへ転じ、52週線との間でゴールデンクロスへ転じた。今週以降、26週線との間でもゴールデンクロスを形成する可能性がある。テクニカルの攻防と動向もS&P500の強気地合いに勢いがあることを示唆している。

今週もS&P500が強気相場を維持すれば、6,300の突破が焦点となろう。このラインの突破は、さらに上値を試すサインとなろう。

S&P500のチャート:週足 2022年以降

S&P500のチャート:週足 2022年以降

出所:TradingView

しかし、今週の米国株については調整売りを警戒したい。日足チャートで直近のトレンドを確認すると、一目均衡表はS&P500の強気相場を示唆している。だが、3日の市場ではトレンドチャネル上限を突破し、RSIとストキャスティクスはともに「買われ過ぎ」の水準にある。50日線との乖離率も6.6%まで拡大している。高値警戒感が意識されやすい状況にある。

S&P500のチャート:日足 4月以降

S&P500のチャート:日足 4月以降

出所:TradingView

また、ブルームバーグのデータによれば予想PERが24倍に迫っている。AI相場による株高が進行した2023年以降の平均21.71倍を上回る状況にある。

S&P500予想PER:日足 2023年以降

S&P500予想PER:日足 2023年以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

5月以降、米株高をけん引してきたのが、マグニフィセントセブンに代表される大型のハイテク株である。7月3日時点でエヌビディア(NVDA)は46.3%高、メタ・プラットフォームズ(META)は31%高とS&P500の12.8%高を大きく上回る状況にある。マイクロソフト(MSFT)とアマゾン・ドットコム(AMZN)の上昇率も20%台にある。およそ2か月の間に急上昇したこれらの銘柄は、高値警戒感が意識されやすい状況にある。

ハイテク株に売りが入れば、今週のS&P500は調整売りを警戒したい。その要因として注目したのが、下で述べる米債市場の動きである。

S&P500とマグニフィセントセブンの変動率:5月1日~7月3日

S&P500とマグニフィセントセブンの変動率:5月1日~7月3日

ブルームバーグのデータで筆者が作成


大型減税法案の成立、トランプ政権の関税通知、米金利の上昇を警戒

米連邦議会下院は3日、「大きく美しい1つの法案(OBBB)」と名付けられた大型の減税・歳出法案を可決した。トランプ米大統領が4日に署名し成立した。

この法案の柱となるのが、2025年末に期限を迎える大型減税の恒久化である。また、時限的にチップと残業代を非課税化する他、州・地方税(SALT)控除の上限も1万ドルから4万ドルに引き上げられる。後者の措置は5年後に終了し、その後は従来の上限である1万ドルに戻る。大規模減税はアメリカの個人消費と景気を下支え要因である。一方で、財政悪化の要因でもある。米議会予算局(CBO)の試算によれば、今後10年間で財政赤字は約3.4兆ドル増加する見通しである。

米経済にとってプラスとマイナス両面がある大型減税の成立について、今週の米債市場がどちらの面を重視するのか?この点に注目したい。10年債利回りは4.2%付近で底打ち感が出ており、現在は4.3%台へ反発している(4時間足、黒矢印を参照)。超長期の20年債と30年債の各利回りも4.7%台で同じく反発のムードが漂う。

先週3日の金利上昇は予想を上回った6月雇用統計の影響が大きかった。しかし、今週の上昇局面では、財政悪化を意識した「悪い金利の上昇」となる可能性がある。悪い金利の上昇は、米国株の過熱感(上昇の過熱感)を市場参加者に意識させるだろう。米金利の動向次第で、今週の米国株は調整売りに直面することが予想される。

トランプ米政権の関税政策も悪い金利の上昇要因になり得る。関税交渉の期限である7月9日が迫る中、トランプ大統領は4日、各国に適用する関税率を通知する書簡に署名し7日に送付すると明らかにした。対象となる12か国の具体的な言及はなく、関税率や文章の内容はそれぞれ異なると述べた。今週中に判明する詳細次第では、インフレ再燃の懸念が悪い米金利の上昇を促す可能性がある。

米10年債利回りのチャート:4時間足 5月以降

米10年債利回りのチャート:4時間足 5月以降

出所:TradingView / 7月3日までの動向


米国500の週間見通しとテクニカル分析

週間予想レンジの上限:6,330
S&P500は強気相場にある。今週もこの地合いを維持する場合は、同指数が原資産の株価指数CFD「米国500」もまた、6,300のラインを突破するだろう。5月以降の上昇局面で、S&P500が週間ベースで100ポイントを下回ったのは6月第1週の88.67ポイントのみである。7月第1週までの平均の上昇幅は161.46ポイントである。先週の終値が6,279.35だったことを考えるならば、6,400を目指す可能性がある。

だが、今週の米国株について筆者は調整売りを警戒している。米国500は原市場が休場だった先週4日の市場で6,229へ反落し、フィボナッチ・エクステンション100%の水準を再び下抜ける状況にある。従って、今週の予想レンジ上限を6,400より下のフィボナッチ・エクステンション127.2%の水準6,330と想定したい。

米国500が6,330をトライするサインとして、まずは先週3日の高値6,284レベルの攻防に注目したい。このレジスタンスポイントの突破は、6,300のラインをトライするサインと捉えたい。米国500が6,300のラインも突破すれば、予想レンジの上限6,330を目指すことになろう。

「悪い金利の上昇→調整売り」が筆者の杞憂に終わりS&P500の強気相場が加速すれば、米国500は6,330のラインを突破する可能性がある。この場合は6,400のラインとフィボナッチ・エクステンション161.8%の水準6,442のトライが視野に入ろう。

レジスタンスライン
・6,442:フィボナッチ・エクステンション161.8%
・6,400:レジスタンスライン
・6,330:予想レンジの上限、フィボナッチ・エクステンション127.2%
・6,300:レジスタンスライン
・6,284:7月3日の高値

週間予想レンジの下限:6,100
一方、「悪い金利の上昇→調整売り」でS&P500が調整売りに直面すれば、米国500は以下にまとめたサポートラインの攻防を意識したい。週間の予想レンジ下限はサポートラインへ転換する兆しが見られる6,100。このラインをトライするサインとして、同じくサポートラインへ転換する可能性がある6,180、そして6月27日の安値6,130の攻防に注目したい。

4時間足のストキャスティクスはすでに「売られ過ぎ」の水準にある。RSIも同様の状況となれば、相場の反発を想定したい。特に今回取り上げたサポートラインをトライする局面で「売られ過ぎ」のサインが重なる場合は、反発の可能性を強く意識したい。

サポートライン
・6,180:サポート転換の可能性あり
・6,130:6月27日の安値
・6,100:予想レンジの下限


米国500のチャート

4時間足:5月中旬以降

米国500のチャート 4時間足:5月中旬以降

出所:IGチャート


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