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米国株、悪材料でも上昇 S&P500再び最高値 雇用統計は悪化見通し

S&P500は2日に反発。労働市場やテスラをめぐる悪材料を跳ね返した。3日発表の雇用統計は悪化見通しだが、上昇のきっかけになる可能性もある。

米国株、悪材料でも上昇 S&P500再び最高値 雇用統計は悪化見通し 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場の強気が続いている。S&P500種株価指数の2日の終値は前日比0.47%高で、2営業日ぶりに最高値を更新。労働市場関連の統計や電気自動車(EV)大手テスラの販売台数が予想を下回るという悪材料があったものの、株価の勢いは衰えなかった。またドナルド・トランプ大統領は2日にベトナムとの通商協議での合意を発表しており、高関税政策が米国経済を混乱させることへの過度な懸念も後退している。こうした中、S&P500の今後の見通しは3日に発表される6月雇用統計で揺れる可能性がある。金融市場では就業者の増加ペースが鈍化すると予想されており、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げへの期待がS&P500の上昇につながる可能性もありそうだ。ただ、最高値を更新したS&P500は割高感も意識され始めており、雇用統計がS&P500を押し上げる効果が小さくなることも想定される。

アメリカのS&P500は0.47%高で最高値更新 8営業日で4.35%高

S&P500(SPX)の2日の終値は6227.42で、6月30日につけた最高値を塗り替えた。S&P500はトランプ氏がイスラエルとイランの停戦合意を発表した23日から上昇が勢いづいており、2日までの8営業日で4.35%高となっている。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

ADPの雇用者数は2年3か月ぶりマイナス テスラは販売台数予想割れでも株価上昇

2日の金融市場では朝方に、株式市場にとっての悪材料が相次いだ。民間雇用サービス会社ADPが2日に発表した6月の全米雇用リポートでは、非農業部門の雇用者数(政府部門除く)が前月比3.3万人減となり、2023年3月(5.3万人減)以来のマイナス。ブルームバーグがまとめた市場予想の9.8万人増を大きく下回った。また、テスラの2025年4-6月期の販売台数は38万4122台で、直前の市場予想の38万9407台を超えられなかった。

しかし悪材料が目立つ中でも、S&P500への影響度が大きい大手ハイテク株の2日の値動きは堅調だった。テスラの株価(TSLA)は前日比4.97%高。前日にイーロン・マスクCEOとトランプ氏との関係悪化が材料視され、6営業日続落の5.34%安となっていたこともあり、販売台数に関する悪いニュースに見舞われながらも大きく反発した。また、半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)は2.58%高。アップル(AAPL)も2.22%高の4営業日続伸となったほか、アルファベット(GOOGL)も1.59%高となっている。

エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アップル、アルファベット、アマゾン・コム、テスラの株価の推移のグラフ

トランプ氏はベトナムとの協議成立を発表 VIX指数は低下

S&P500が強気を維持できた背景にはトランプ氏の高関税に対する過度な不安の後退もありそうだ。トランプ氏は2日午前に自身のSNSトゥルースソーシャルへの投稿で「ベトナムとの通商合意をまとめた」と公表。ベトナムからの輸入品への関税は原則20%とし、他国からベトナム経由で米国に輸入される製品には40%の関税がかかる。これに対してベトナムは米国に対して市場を開放し、米国製品への関税はゼロになるという。トランプ氏が4月2日に相互関税を発表した際は、ベトナムの税率は46%となっていた。

トランプ政権はイギリスと中国との間ではすでに合意が成立しているとしており、ベトナムとの合意は3か国目となる。米商務省のモノの貿易に関する2024年のデータによると、ベトナムは米国にとって8番目の規模がある貿易相手国。米国が抱える貿易赤字の大きさは対中国、対メキシコに次ぐ3番目の大きさだ。

2日の金融市場では投資家心理も改善。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の2日の終値は16.64で、前日よりも1.13%低くなった。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど、今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。

S&P500とVIXの推移のグラフ

6月雇用統計は就業者数が前月比10.6万人増の見通し 雇用拡大ペース鈍化予想

こうした中、S&P500の今後の見通しをめぐっては、3日午前8時30分(日本時間3日午後9時30分)に発表される6月雇用統計に注目が集まる。ブルームバーグがまとめた事前予想では、非農業部門の就業者数は前月比10.6万人増が見込まれ、前月(5月)の13.9万人増から雇用拡大のペースが減速する見通しだ。また失業率は4.3%と予想され、前月(4.2%)から悪化する見込み。平均時給の伸び率は3.8%との予想で、前月(3.9%)から低下するとみられている。

アメリカの雇用統計(就業者数、失業率、平均時給伸び率)の推移のグラフ

労働市場の悪化はFRBの利下げを後押しか S&P500の割高感は重荷

6月雇用統計の結果が労働市場の弱さを示したと受け止められれば、金融市場ではFRBの利下げ見通しが強まりそうだ。ブルームバーグによると、金融市場では9月の連邦公開市場委員会(FOMC)までの利下げが確実視されているうえ、12月までにはさらに1回の利下げが行われるとみられている。FRBが利下げに動くとの期待は株式市場の投資家心理を上向かせる可能性があり、S&P500に上昇圧力がかかることも想定されそうだ。

ただ、S&P500が最高値の更新を続ける中、株式市場では割高感も意識され始めた。ブルームバーグによると、S&P500の水準と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は2日時点で22.8倍で、2020年以降の平均値(20.7倍)を上回っている。このため6月雇用統計が悪い結果となった場合、S&P500の値上がりに対する期待の拡大が限定的になる可能性もある。

S&P500と予想PERの推移のグラフ

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