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米国株、上昇の勢い復活 S&P500大台回復 米中協議は見通しに影

S&P500は週次1.50%高。雇用統計の堅調さが好感され、6000の大台を突破した。ただ、9日の米中協議の見通しは不透明で、5月CPIにも注目が集まる。

米国株、上昇の勢い復活 S&P500大台回復 米中協議は見通しに影 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場に上昇の勢いが戻った。S&P500種株価指数の6日の終値は1週間前比1.50%高の6000.36。2月下旬以来の6000台突破を果たし、最高値更新も視野に入ってきた。6日に発表された5月雇用統計で労働市場の悪化が進まなかったことが好材料となり、投資家心理が改善した結果だ。半導体大手NVIDIA(エヌビディア)などの大手ハイテク株も堅調な値動きとなっている。ただ、S&P500の今後の見通しをめぐっては、ドナルド・トランプ大統領の高関税政策が火をつけた米国と中国の対立が引き続き相場の重荷となる。トランプ氏は米中が9日にロンドンで閣僚級協議を行うと発表したが、大きな進展がみられるかは見通せない。また、労働市場の安定は米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げへの期待を弱めており、11日発表の5月の消費者物価指数(CPI)で物価上昇の加速が感じらるかどうかは、S&P500の方向性を大きく左右する可能性がありそうだ。

【関連記事】米国株、米中協議を楽観 S&P500小幅高 5月CPIは上昇加速見通し(2025年6月10日)

アメリカのS&P500は週次1.50%高 6000台復帰で最高値まであと2.40%

S&P500(SPX)の6日の終値は前日比では1.03%高。トランプ氏が欧州連合(EU)製品への50%関税の発動を先送りしたことなどが好感された5月27日(2.05%高)以来の上昇率だった。6000台突破は2月21日(6013.13)以来で、19日につけた最高値(6144.15)まであと2.40%の上昇で到達する水準に達している。週次での上昇は前週(5月26-30日)の1.88%高に続き、2週連続だ。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

5月雇用統計で労働市場の大幅悪化はみられず VIXは2月下旬以来の水準に低下

S&P500の大台回復の要因は6日に発表された5月雇用統計だ。非農業部門の就業者数は前月比13.9万人増で、ブルームバーグがまとめた市場予想の12.6万人増を上回る結果。失業率は前月と同じ4.2%で、市場予想と一致した。平均時給の伸び率は前年同期比3.9%で、市場予想の3.7%を上回っている。一方、3月と4月の就業者数の増加幅が合計9.5万人下方修正される悪材料もあったが、株式市場で懸念されてきた労働市場の大幅な悪化はみられなかったといえそうだ。

アメリカの雇用統計(失業率、就業者数増減、平均時給伸び率)の推移のグラフ

こうした中、S&P500をめぐる投資家心理は改善。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の6日の終値は16.77で、前日から9.25%低下し、2月20日(15.66)以来の低さとなった。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど今後の値動きが荒くなることへの警戒感が強いことを示す。

S&P500とVIXの推移のグラフ

エヌビディアは週次4.88%高で最高値に接近 テスラは14.81%安の急落

S&P500への影響度が高い大手ハイテク株の値動きも堅調だ。エヌビディアの株価(NVDA)の6日の終値は141.72ドル。週次4.88%高の上昇を果たし、1月6日の最高値(149.43ドル)まで5.44%%に迫った。メタ・プラットフォームズ(META)は週次7.76%高、アマゾン・コム(AMZN)は4.18%高となっている。電気自動車(EV)大手のテスラ(TSLA)が週次14.81%安となっていることを除けば、大手ハイテク株の見通しは明るくなっているといえそうだ。

マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、エヌビディア、アマゾン・コム、アルファベット、テスラ、アップルの株価の推移のグラフ

テスラの株価は、イーロン・マスクCEOとトランプ氏の蜜月関係が崩壊したとみられることが悪材料となった。マスク氏は3日午後、SNSのXへの投稿でトランプ氏が後押しする債務上限引き上げを含んだ減税関連法案を「むかつくほど嫌いだ」と批判。これに対してトランプ氏は5日、自身のSNSトゥルース・ソーシャルへの投稿で、予算規模縮小のための最も簡単な方法はマスク氏の企業に対する補助金や政府との契約を打ち切ることだと応戦。決別が決定的になったとみられている。テスラの株価をめぐっては6月中に見込まれる新型車の発表などが追い風になる可能性があったが、見通しは暗転した。

また、エヌビディア以外の半導体株も株価上昇の勢いが戻った。半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(AMAT)は6日までの週次で6.37%高で、3週ぶりの反発。アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)も週次4.93%高となっている。またS&P500構成銘柄ではないものの、英半導体大手アーム・ホールディングス(ARM)の株価は週次6.88%高となり、AMDと同様に3週ぶりの反発となった。

エヌビディア、ブロードコム、アーム・ホールディングスなどの株価の推移のグラフ

米中は9日に閣僚級協議を開催 レアアース問題解決への見通しは不透明

ただ、S&P500の今後の見通しをめぐっては米国と中国の対立という不安要素がある。トランプ氏は6日、トゥルースソーシャルへの投稿で「ロンドンで9日」に、米中間の閣僚級協議を行うと公表。米国側からはスコット・ベッセント財務長官、ハワード・ラトニック商務長官、ジェミソン・グリア米通商代表部(USTR)代表が参加するとした。トランプ氏は5日に中国の習近平国家主席と電話会談したが、米国が問題視する中国によるレアアースの輸出規制をめぐる協議に前進があったかは不透明。9日の協議でも大きな進展が確認されなければ、S&P500に下押し圧力がかかることも考えられそうだ。

また5月雇用統計で示された労働市場の強さは、株式市場で期待されているFRBの利下げの見通しを弱める結果となっている。ブルームバーグによると、金融市場が見込んでいる12月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は6日時点で3.885%となり、前日から0.089%ポイント上昇した。CMEグループのデータでは12月までに2回の利下げが行われる確率は日本時間7日朝の段階で60%程度で、前日の74%程度から大きく下がっている。

金融市場で見込まれているFRBの政策金利の水準のグラフ

こうした中、米国で11日に発表される5月CPIで物価上昇率の再燃が懸念される結果が出れば、FRBの利下げ期待をさらに遠のかせ、S&P500の値上がりの勢いを削ぐことも考えられそうだ。逆に、トランプ氏の高関税にも関わらず物価上昇圧力が大きくは高まっていないとの結果になれば、利下げ期待が強まり、S&P500の上昇を後押しする展開も想定される。


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