日経平均、決算と日銀会合で波乱も 週次1637円高 最高値へ難関続く
日経平均株価は日米関税合意が好感され今年2番目の週次上げ幅。週明けの値がさ株企業決算や日銀の金融政策決定会合が注目される。

日経平均株価が約1年ぶりの最高値に迫っている。25日の終値は1週間前比で1637.12円高の4万1456.23円。2024年7月の最高値まで2%未満の上昇で到達する水準だ。日経平均急騰の要因は23日に日米関税協議の合意が発表され、構成銘柄の約9割が週次で値上がりしたこと。株式市場では20日の参議院選挙の結果も大きな波乱にはつながらず、懸案が相次いで解消したといえる。ただし日経平均の急激な上昇は割高感の強まりを伴っており、最高値の更新には企業業績が上向くことの重要性が増す。週明け28日以降の金融市場では、日経平均への影響度が大きい値がさ株に関連した決算発表が相次ぐだけに、値動きが大きくなる可能性もありそうだ。また日本時間の31日に相次いで発表される日米の金融政策は円高進行を後押しする可能性もあり、最高値に向けた難関が数多く待ち構えている。
日経平均株価は週次1637円高 日米関税合意で今年2番目の上昇幅
日経平均株価(N225)の25日の終値は前日比では370.11円安。直前の2日間での合計2051.42円高の反動が出たとはいえ、週次での大幅高を楽々と確保した。ブルームバーグによると、28日終値は2024年7月11日につけた最高値(4万2224.02円)まであと1.85%の値上がりで到達する水準だ。週次での1637円高は2025年に入ってからの値動きでは、イスラエルとイランの停戦合意が発表された6月23-27日週(1747.56円高)に次ぐ2番目の大きさだった。日経平均を構成する225銘柄中の202銘柄が週次で上昇している。


日経平均急騰をもたらしたのは23日朝に発表された日米関税協議での合意だ。米国が日本製品に課す相互関税は15%とされ、トランプ氏が7日に通告していた25%を大きく下回る水準。さらに日本製自動車への関税は既存関税と合わせて15%となり、現状の27.5%から大きく下がることになる。自動車株ではスバル(7270)が225銘柄中トップとなる週次12.76%高となったほか、マツダ(7261)も週次11.59%高、トヨタ自動車(7202)も10.77%高となっている。

参院選の与党過半数割れは波乱に至らず 長期金利は17年ぶり高さで銀行株上昇
また、20日投開票の参院選も日本株には悪影響を及ぼさなかった。与党は過半数割れしたものの懸念されたほどの大敗ではなく、石破茂首相は21日には続投を正式表明。即時の政局混乱には至らなかったことが安心材料となった。
一方、参院選後の金融市場では、選挙戦で与野党が公約として掲げた消費税減税や給付金が財政悪化への懸念を強め、日経平均への逆風といえる長期金利(10年物国債利回り)の上昇を招いている。ブルームバーグによると、長期金利は25日には一時、1.610%を記録し、2008年10月14日(1.640%)以来の高さに到達した。半面、金利水準の上昇は銀行の収益力を後押しするとの思惑も広がり、株式市場では三井住友フィナンシャルグループ(8316)が25日までの週次で10.73%高になるなど、メガバンク株が週次10%前後の値上がりとなっている。

日経平均の割高感は1年ぶりの高さ 企業業績の見通しは上向くか?
ただ、日経平均の急激な上昇は割高感の強まりも伴っている。ブルームバーグによると、日経平均の水準と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は25日段階で21.2倍程度で、最高値を記録した2024年7月以来の高水準。人工知能(AI)ブームが本格化した2023年以降の平均値の19.5倍を大きく上回っている。このため日経平均が今後も上昇基調を継続的に維持するには企業業績への見通しが上向くことが重要になる。

アドバンテストと東京エレクトロンの決算に注目 日米金融政策は円高要因にも
こうした中、週明け以降には値がさ株に関連した2025年1-3月期の決算発表が相次ぐ。29日にはアドバンテスト、31日には東京エレクトロン(8035)が決算発表を予定。さらに米国東部時間の30日夕方(日本時間31日早朝)に行われるアームの決算発表はソフトバンクグループの株価への影響が大きくなりそうだ。3社はともに人工知能(AI)ブーム継続期待が追い風となり、好業績や強気の業績見通しが示される可能性がある。一方、発表内容が期待外れに終わった場合は、株価が大きく下落することも考えられそうだ。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)は29、30日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催。日本銀行は30、31日に金融政策決定会合を開く。発表内容やトーン次第ではFRBの利下げや日銀の利上げが意識され、日経平均の下落要因といえる円高につながりかねない。アメリカの株式市場ではS&P500が25日まで5日連続で最高値を更新して楽観ムードが広がっているが、日本の株式市場の28日以降の取引は日経平均が急上昇を果たした直後とあって、反動による値下がりが大きくなることも想定される。
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