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アーム、AIブーム期待で株価上昇も 30日決算 弱気見通しなら下落か

アームの4-6月期決算発表はAIブームの影響が注目点。2026年3月期の見通しを示せば好材料だが、水準が不十分なら株価下落のきっかけにもなりえる。

アーム、AIブーム期待で株価上昇も 30日決算 弱気見通しなら下落か 出所:Adobe Images

英半導体大手のアーム・ホールディングスが30日の取引時間終了後に行う2025年4-6月期決算は2026年3月通期の業績見通しを示せるかが焦点だ。アームは5月の前回(1-3月期)決算発表に際し、アメリカのドナルド・トランプ大統領の関税政策をめぐる経済活動の混乱を背景として、通期の業績見通しを示さず。しかしその後、世界の半導体企業の間では業績に前向きな声が強まっており、アームも今回の決算発表では強気な見通しを示す可能性がある。ただ、人工知能(AI)ブームがアームの業績に及ぼす追い風の強さは不透明で、通期業績の見通しが示されたとしても物足りない水準に終わる可能性も否定できない。このためアームの決算発表内容に対して、株価が下落で反応するシナリオも想定されそうだ。

アームの2025年4-6月期決算は増収減益の見通し

アームは米国東部時間30日午後5時(日本時間31日午前6時)から決算会見を開く。ブルームバーグがまとめた市場予想によると、アームの4-6月期決算は総収入が前年同期比12.1%増の10.52億ドルになる見通し。調整ベースの1株当たり利益(EPS)は12.5%減の0.35ドルと見込まれている。アームは2023年9月14日に米ナスダック市場に米国預託証券(ADR)を上場。その後に発表した7回の四半期決算はいずれも、総収入と1株当たり利益が市場予想を超えている。

アーム・ホールディングスの業績(総収入、1株当たり利益)の推移のグラフ

アームの株価は2024年末比で26.86%高 上値の重さも

アームの株価(ARM)の22日の終値は156.50ドルで、2024年末比で26.86%高。トランプ氏が相互関税を一部停止する前日の4月8日につけた安値(85.82ドル)からは82.36%高となっている。6月27日には165.46ドルまで上昇する場面もあった。しかし1月22日につけた直近の高値(179.93ドル)は超えられておらず、上値の重さも感じられる。

アーム・ホールディングスの株価と予想株価収益率の推移のグラフ

ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は22日時点で81倍で、前回決算発表当日(5月7日)の約65倍から割高感が増している。株式市場でのAIブームを象徴する銘柄である半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の34倍程度と比べても大きく割高だ。アナリストが提示する目標株価の平均は144ドル程度で、現状よりも8%ほど安い。45人のアナリストのうち24人は買いを勧める一方、17人は維持、4人は売りを推奨している。

2026年3月通期の見通しを示せば好材料 AIブームの継続は追い風

アームの30日の決算発表で焦点となるのは2026年3月期の見通しを示すことができるかだ。アームは前回決算発表に際し、「顧客企業のほとんどすべてが通年の計画を明らかにしていない」として、通期業績見通しの公表を見送り。翌日(5月8日)の株式市場ではアームの株価は前日比6.18%安となった。

一方、世界の半導体企業からはその後、業績への前向きな姿勢が目立っている。エヌビディアは5月28日の2-4月期決算発表で、5-7月期の総収入が前年同期比1.5倍になるとの見通しを提示。さらに7月14日にはトランプ政権から中国向け輸出にストップがかかっていた半導体製品「H20」について、トランプ政権の許可を得て中国向け輸出が再開できると発表した。また、半導体受託製造最大手の台湾積体電路製造(TSMC、TSM)は17日の4-6月期決算発表に際し、2025年の総収入伸び率の見通しを前年比30%として、これまでの20%台半ばから引き上げた。

このためアームが30日に2026年3月通期の業績見通しを示せば、前向きな材料として受け止められる可能性がある。この場合は株価に上昇圧力がかかることも考えられそうだ。

ロイヤルティ収入は前期並みの成長か 弱気な見通しなら株価下落も

ただ、アームが通期業績の見通しを示すことができたとしても、水準が不十分にとみなされる可能性もある。アームは前回決算発表に際し、顧客企業がアームの技術を用いた半導体の製造で得た収益に応じて受け取るロイヤルティ収入について、4-6月期は前年同期比25-30%増になり、7-9月期は前期比で横ばい、さらに2026年3月までの2四半期は前期比10-15%の成長になるとの見通しを示していた。単純に計算すれば通期でのロイヤルティ収入は前年同期比20.6%増となり、2025年3月期の実績(20.3%増)から成長の勢いが増さないことになる。

アーム・ホールディングスのロイヤルティ収入とライセンス収入の推移のグラフ

またロイヤルティ収入と並ぶアームの収益源である、顧客企業との間でアームの技術を用いた半導体製造の契約を結ぶ際にアームが受け取るライセンス収入は変動が大きい。ブルームバーグによると、金融市場では2025年4-6月期は前年同期比3.4%減の4.56億ドルとみこまれており、1-3月期の53.1%増からは大きく減速するとの見立てだ。ライセンス収入が7月以降に大きく加速するかどうかは大型契約を確得できるかどうかにかかってくる。

アームのこれまで四半期決算発表では、慎重な見通しが嫌気され、株価が下落で反応する場面が目立つ。30日の決算発表もアームの業績見通しが弱気だと受け止められ、株価が下落するきっかけになる筋書きも考えられそうだ。


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