日経平均、参院選前に下落不安 週次続落 与党苦戦で株安再現も
日経平均株価は週次241円安で、4万円回復に失敗した。週明けは参院選の動向が注目され、与党過半数割れの見方が強まれば、下落圧力も高まりそうだ。

日経平均株価の見通しに不安が強まっている。日経平均の11日の終値は1週間前比で241.20円安となり、2週続落。衣料品大手のファーストリテイリングや多くの半導体株、ゲーム株といった注目銘柄がそろって下落する冴えない値動きだった。日本経済をめぐっては、アメリカのドナルド・トランプ大統領が7日に日本に対する25%関税を表明したこともあり、4万円台回復へのハードが上がっていそうだ。一方では、ドル円相場での円安進行や、海外投資家の日本株買いという追い風も続いているが、投資家心理は上向いていない。日経平均の今後の見通しをめぐっては20日に投開票される参議院選挙の行方が焦点。2024年秋の衆議院選挙の前には与党過半数割れへの不安が日経平均を下落させており、週明け14日から参院選当日にかけても日経平均が値下がり圧力にさらされる可能性がありそうだ。
日経平均株価は週次241円安 4万円台回復はならず
日経平均株価(N225)の11日の終値は前日比では76.68円安の3万9569.68円。週次での241円安は、前週(6月30日-7月4日)の339円安に続く、2週続落だ。日経平均は6月27日には週末として、6か月ぶりに4万円台を回復したが、上昇の勢いが失われている。

ファーストリテイリングが週次8.73%安で日経平均を下押し 半導体株も不振
個別株の値動きをみると、ファーストリテイリング(9983)が11日までの週次で8.73%安となり、日経平均を337円押し下げた。ファーストリテイングの週次下落は2週連続。10日に発表した2025年3-5月期の業績で、営業利益が1467億円に留まり、ブルームバーグがまとめた市場予想の1503億円を下回ったことが悪材料視された。ファーストリテイリングの株価は翌11日には前日比6.93%安と急落している。


トランプ氏は日本に25%関税を通知 カナダやメキシコ、EUには30-35%
日本株不振の背景にあるのはトランプ氏の高関税政策への不安だ。トランプ氏は7日に自身のSNSトゥルースソーシャルへの投稿で、日本製品に8月1日から25%の相互関税を課すとする石破茂首相あての書簡を公開。すでに自動車に対する25%関税や鉄鋼・アルミニウムに対する50%関税が課されていることと合わせて、日本経済に対する懸念を強めた。相互関税の発動が7月9日から延期されたことや、税率が4月の発表当時の24%と大差なかったことは安心材料ともいえるが、日経平均の4万円台回復の足を引っ張る結果になっている。
トランプ氏はその後も8月1日からの関税率に関する貿易相手国あての書簡を相次ぎ公表。10日夜にはカナダ製品に35%、12日朝にはメキシコと欧州連合(EU)に30%の関税を課す方針を示した。EUは米国との交渉の前進に期待をもっていたが、思惑通りには進んでいないようだ。
円安は147円台まで進行 海外投資家の日本株買い越しは14周連続に
一方、日本経済への不安はドル円相場(USD/JPY)での円安という日経平均への追い風につながっている。ドル円相場は11日のニューヨーク市場の終値では147.43円となり、終値として5月13日(147.48円)以来の円安水準となった。

また海外投資家の日本株への関心は維持されているもようだ。日本取引所グループが10日に発表した週次の投資部門別売買状況によると、海外投資家は前週、東証証券取引所と名古屋証券取引所の合算ベースで、日本株を5456億円買い越し。前々週に到達した約12年ぶりの連続買い越し記録を14週に伸ばした。

参院選は与党苦戦か 過半数割れ不安拡大で衆院選時と同様の株安も
こうした好材料にも関わらず日経平均が勢いづかない理由には参院選への不安もありそうだ。日本メディアの報道によると、参院選では石破氏を支える与党の自民党と公明党が苦戦。議席過半数の維持も危ぶまれている。仮に参院選後に石破政権が退陣を迫られれば、日本経済の見通し不透明感やトランプ氏の相互関税の8月1日発動が避けられない事態となることが、日本株にとっての逆風になる可能性がある。
約9か月前にあたる2024年10月27日に行われた衆院選挙前の1週間では、やはり与党が過半数割れに追い込まれるとの不安を背景に、円安と株安が同時進行。日経平均は25日までの週次で1067円安となった。今回の参院選でも与党が敗北するとの見方が14日以降に強まっていけば、日本経済への不安が高まる展開が想定されそうだ。
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