日経平均、上昇息切れか 週次小幅高 中東や金融政策など見通しに影
日経平均は週次で小幅高。中東情勢悪化が投資家心理を冷やした。週明けは関税協議の進展の有無や日米の金融政策も注目点で、不確定要素が山積している。

日経平均株価の上昇に息切れ懸念が出てきた。日経平均の13日の終値は1週間前比で92円高の3万7000円台後半。13日朝にイスラエルがイランの核施設を攻撃したと伝わり、投資家心理が一気に冷え込んだ。一方、日経平均の値上がりを引っ張ってきた半導体株は粘りを発揮。海外投資家の日本株買いも追い風といえ、3万8000円台再回復の足掛かりは維持できている。ただ、個別株の値動きをみれば、週次では225銘柄中の6割が値下がりしており、株式投資全般への期待が後退したおそれもある。週明け以降は高関税見直しへの期待がかかる日米首脳会談の有無が注目されるほか、日本とアメリカの双方で金融政策の発表が予定されている。日経平均の今後の見通しには不確定要素が山積しているといえ、投資家心理が大きく悪化するリスクもありそうだ。
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日経平均株価は週次92円高 イスラエルのイラン攻撃で3万8000円台から転落
日経平均(N225)の13日の終値は前日比では338.84円安の3万7834.25円。ドル円相場(USD/JPY)で1ドル=145.46円まで進んだ円安を背景に、12日まで終値ベースで4営業日連続での3万8000円台を維持してきたが、13日朝にイスラエルによるイラン核施設攻撃が伝わり、一気に3万7000台に落ち込んだ。中東情勢悪化が投資家のリスク回避姿勢を強めたとともに、13日の取引時間中には円高が142.80円まで進み、日経平均にとっての逆風となった。


また、海外投資家の日本株買いにも減速の兆しは出ていない。日本取引所グループが12日に発表した部門別売買状況によると、東京証券取引所と名古屋証券取引所の合算ベースで、海外投資家は前週(2-6日)も日本株を3985億円買い越した。海外投資家の買い越しは10週連続で、2023年3月下旬から6月中旬にかけての12週連続以来の記録。日経平均が再び3万8000円を回復する足掛かりは崩れていないといえそうだ。

日経平均は構成銘柄の6割超が週次下落 ファーストリテイリングは3週ぶり反落
ただ、個別株の値動きからは日経平均をめぐるムードの悪さも感じられる。13日までの週次での値動きでは日経平均を構成する225銘柄中の138銘柄が値下がり。日経平均が223円安に沈んだ前週(2-6日)の147銘柄ほどではなかったが、構成銘柄の6割超が値下がりした形だ。日経平均への影響度が大きい値がさ株の筆頭であるファーストリテイリング(9983)も3週ぶり反落の4.92%安となっている。13日までの週次の小幅反発はソフトバンクグループとアドバンテストの2銘柄だけで合計338円の押し上げ効果があったことの影響が大きく、アメリカのドナルド・トランプ大統領の相互関税が発表された4月上旬につけた3万1136.58円を底値とした上昇の勢いが息切れしてきた可能性もある。

トランプ氏は自動車関税引き上げに言及 日米の金融政策の見通しも日経平均に影響
日経平均の今後の見通しをめぐっては、トランプ氏の高関税の脅威が強まるおそれもある。トランプ氏は12日、ホワイトハウスでのイベントで、4月に発動した輸入自動車への25%関税は自動車メーカーなどに米国内での投資を促す効果があったと言及。「そう遠くない将来にこの関税をさらに引き上げることになるだろう」と述べた。日本はカナダで週明け16、17日に開かれる主要7か国(G7)首脳会議にあわせて日米首脳会談を実現させ、関税見直しにこぎつけたい考えだが、トランプ氏がハードルをさらに上げているとも考えられそうだ。
また16、17日には日本銀行が金融政策決定会合を開催。17、18日には米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)も控える。13日のFX市場ではイスラエルのイラン攻撃後、次第にドルが買われる流れが強まり、ドル円相場は1ドル=144.07円で取引を終えたが、日米双方の中央銀行が示す金融政策の方向性次第では改めて円高が進む可能性もある。さらに中東情勢の悪化は原油価格の上昇という日本経済にとっての悪材料につながっており、投資家心理がいっそう悪化するおそれも拭えない。

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