アドバンテスト、株価上昇期待 29日決算 見通し上方修正は?
アドバンテストの2025年4-6月期決算発表は通期の業績見通しが焦点。4月以降に株価が2.3倍となる中、強気な見方が示されれば上昇が加速しそうだ。

半導体検査装置のアドバンテストが29日に行う2025年4-6月期決算発表は業績見通しで強気さを示せるかが焦点だ。アドバンテストの株価は4月上旬を底値とした急騰が続いており、6月下旬には5か月半ぶりの最高値を更新。株式市場でのAIブームを牽引するアメリカの半導体大手NVIDIA(エヌビディア)が5月に発表した好決算が株価上昇を加速させている。一方、アドバンテストは4月の前回(1-3月期)決算発表では2026年3月通期の業績見通しについて慎重姿勢を示していた。このためアドバンテストが29日に業績見通しを上方修正するなどすれば、株価上昇が勢いづく可能性がありそうだ。また、アドバンテストの業績をめぐっては、台湾積体電路製造(TSMC)が17日に2025年の業績見通しを引き上げたことや円安基調も追い風で、やはり株価上昇期待を維持する要因となっている。
アドバンテストの2025年4-6月期決算は総収入が59%増の見通し
アドバンテストは29日午後3時30分に4-6月期決算を発表する。ブルームバーグがまとめた市場予想では、総収入は前年同期比59.4%増の2211億円になる見通し。営業利益は2.6倍にあたる799億円が見込まれている。アドバンテストは過去20回の四半期決算のうち3回で総収入が市場予想を超えられなかった。営業利益では前回を含む9回で市場予想をクリアできなかった。

アドバンテストの株価は3か月あまりで2.3倍に 最高値更新が続く
アドバンテストの株価(6857)の17日の終値は1万1705円で、2024年末比で27.26%高。米国のドナルド・トランプ大統領が発表した相互関税が金融市場を混乱させていた4月7日につけた5034円からは2.3倍にもなっている。6月26日には5か月半ぶりの最高値更新を果たし、その後も記録更新が続いている。

ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は17日終値段階で34倍程度。株式市場でのAIブームが本格化した2023年以降の平均値である36倍程度に近づいてきた。アナリストが提示する目標株価の平均は1万0679円で、現状よりも6%ほど安い水準とされている。7月以降は目標株価を1万6000円に引き上げる動きがある一方、7060円で据え置く慎重な見方もある。23人のアナリストのうち16人は買い、6人は維持、1人は売りを勧めている。
アドバンテストの業績見通し上方修正は? 1年前は株価が13%高に
アドバンテストの株価が急騰した背景にあるのはエヌビディア(NVDA)が5月28日に行った2-4月期決算発表で今後の見通しに強気な姿勢を示したことがある。エヌビディアはこの際、5-7月期の総収入が前年同期比1.5倍になるとの見立てを示しており、世界的な半導体株の上昇につながった。
一方、アドバンテストは4月25日の1-3月期決算発表では、2026年3月期の総収入が前年同期比3.2%減になるとの慎重な姿勢を示していた。ブルームバーグがまとめた市場予想を下回る弱気な見立てで、週明け28日の東京株式市場ではアドバンテストの株価が前週末比4.83%安となった。こうした中、アドバンテストが今回の4-6月期決算発表で業績の見通しを上方修正するなどすれば、急騰してきた株価がさらに勢いづく可能性もありそうだ。アドバンテストは約1年前の2024年7月31日に行った2024年4-6月期決算発表時に通期見通しを上方修正し、8月1日の株価は前日比13.83%高となった。
TSMCの業績見通し引き上げや円安基調も好材料に
アドバンテストの株価にとっては、半導体受託製造最大手のTSMCが17日の4-6月期決算会見で、2025年の総収入の見通しを前年比30%増とし、これまでの20%台半ばから引き上げたことも好材料だ。また、エヌビディアは日本時間14日に、これまで米国政府の中国向け輸出規制の対象となっていた半導体製品H20について輸出許可を得られる見通しだと公表している。
さらにドル円相場(USD/JPY)で進む円安もアドバンテストの業績にとっては好材料だ。アドバンテストが4月に示した2026年3月通期の見通しはドル円相場が1ドル=140円台で推移することが前提。これに対して4月から直近までのドル円相場は平均145円程度で推移している。

ただ、アドバンテストの株価はすでに急騰を続けてきただけに29日の決算発表で目立った好材料がなければ、上昇基調にブレーキがかかる可能性もある。とはいえ、世界的なAIブームへの期待は、アドバンテストの株価上昇を後押しする要因といえそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

こんなに豊富?IG証券のCFD銘柄は17,000以上
外国為替、日本株・外国株、株価指数、債券先物、商品(エネルギー、農産物、貴金属)など多彩な資産クラスをFX取引、CFD、バイナリーオプション、ノックアウト・オプションで提供
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。