日経平均、4万5000円の先は? 週次1749円上昇 日銀リスクも
日経平均株価は半導体株の復活で4万5000円超えが視野。一方、割高感は1年2か月ぶりの高さで、日銀の追加利上げの可能性で冷や水がかかる可能性もある。

日経平均株価の4万5000円台が目前に迫っている。日経平均の12日の終値は1週間前比で1749.37円高で、4万4000円台後半に到達。10日には3週間ぶりの最高値更新も果たしており、さらなる上昇で大台に乗せる可能性が出てきた。このところの株式市場では、人工知能(AI)ブームの再燃で、アドバンテストなど半導体関連株がそろって上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げへの期待が強まったことも安心材料となっている。ただ、日経平均の割高感を示す指標は1年2か月ぶりの高さに到達。日本の長期金利(10年物国債利回り)の上昇傾向を考えれば、日経平均のさらなる値上がりへのハードルは高くなっている。こうした中、日本銀行は18、19日に金融政策決定会合を開く予定で、植田和男総裁の記者会見などから年内利上げの可能性が高まったとみなされれば、日経平均をめぐる楽観ムードが暗転するリスクも想定されそうだ。
日経平均株価は4万4767.12円 週次1749円高は1年ぶりの大きさ
日経平均株価(N225)の12日の終値は前日比では395.62円高の4万4768.12円。10日に最高値を3週間ぶりに塗り替えてからは3日連続での記録更新で、4万5000円の大台まであと231.88円(約0.52%)で到達する水準となった。ブルームバーグによると、週次での値上がりは3週連続。値上がり幅は自民党総裁選挙が波乱要因となった2024年9月23-27日週(2105.65円高)以来、約1年ぶりの大きさだ。初めての4万3000台に乗せた8月中旬から1か月で4万4000円台に到達したことになる。


3社の株価は前週(1-5日)はそろって下落しており、日経平均の足を引っ張っていた。しかしアドバンテストの株価は8日終値では4.37%高の1万1940円となって、7月16日(1万1795円)以来の最高値を更新。ソフトバンクグループも11日に3週間ぶりの最高値を記録している。

オープンAIの積極姿勢やTSMCの好業績が追い風 米国の8月CPIも波乱なし
半導体株復活の背景となったのが、日本時間10日朝にアメリカのオラクル(ORCL)が2025年6-8月期決算発表に際して示した受注残高の急増。オープンAIがオラクルのクラウドサービスに対して5年間で3000億ドルを支払うとも報じられている。また10日に発表された半導体受託製造大手、台湾積体電路製造(TSMC、TSM)の8月の総収入は前年同月比33.8%増となり、市場予想を超えるペースでの成長が示された。いずれもAI関連企業の積極的な投資が半導体企業の業績の追い風になるとの期待を強め、日経平均は10-12日の3日間だけで1308.83円上昇している。

また米国経済をめぐっては11日に発表された8月消費者物価指数(CPI)が市場予想通りの結果となり、ドナルド・トランプ大統領の高関税政策による物価上昇圧力は想定の範囲内だと受け止められた。金融市場では16、17日の連邦公開市場委員会(FOMC)を含め、年内に3回の利下げが行われるとの見方が強まっている。ブルームバーグによると、米国の長期金利は11日の取引で一時、3.992%まで下がり、5か月ぶりの低さとなった。米国の長期金利低下は株式市場の投資家の安心材料で、日経平均にとっても好材料といえる。
日経平均の割高感は1年2か月ぶりの水準に 日銀の年内利上げ見通しが強まれば逆風
ただ、日経平均の急上昇は割高感の再燃も生んでいる。ブルームバーグによると、日経平均の水準と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率は12日段階で21.9倍。日経平均が初めて4万2000円台をつけた2024年7月の平均値(約22.1倍)が迫ってきた。また、日本の長期金利は3日には一時1.635%を付け、2008年10月14日(1.640%)以来、16年11か月ぶりの高さになっている。長期金利は12日終値では1.588%まで後退しているものの、依然として高金利が株式投資の魅力を想定的に低くしている状況に変わりはなく、日経平均のこれ以上の割高感の高まりは容認されないとの見方も成り立つ。このため仮に日経平均が4万5000円台に到達しても、上値が重くなることも考えられそうだ。

こうした中、日経平均の見通しは日銀の植田総裁が19日に行う、決定会合後の記者会見で左右されることも想定される。植田氏は7月31日の前回の決定会合後の記者会見では追加利上げから距離をとっていたが、その後の経済指標でも物価上昇の根強さが示され、利上げの必要性は増しているともいえる。植田氏の19日の記者会見が年内利上げの可能性を認めたと受け止められれば、長期金利上昇懸念が日経平均を下押しする懸念は拭えない。逆に植田氏の発言が利上げから距離を置く内容になれば、日経平均にとっては安心材料になりえる。
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