コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

米国株 週間見通し(12/15週):雇用統計とCPIでS&P500調整加速も、17日にマイクロン決算

IG証券のアナリストによるS&P500の週間見通し。再び調整ムードが漂う米国のAI相場。今週の注目材料は11月の雇用統計とCPI、マイクロン決算。株価指数CFD「米国500」の詳細なチャート分析。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 再び調整ムード漂う米AI相場:オラクル・ブロードコム決算でAI過剰投資の懸念強まる。ナスダック100が先週2%近く下落
  • 今週の注目材料:17日のマイクロン決算と米経済指標が今週の市場トレンドを左右。11月の雇用統計とCPIの内容次第では「米金利の上昇→ハイテク株売り→S&P500調整売り加速」の連鎖を警戒
  • S&P500の株価指数CFD「米国500」の週間予想レンジ:6700〜6910



再び調整売りに直面する米国のAI相場

米国の株式市場では再びAI相場の不透明感が強まりつつある。先週の市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に株高へ振れる局面が見られた。しかし、主要3指数のうちS&P500とナスダックが下落した。ハイテク株比率の高いナスダック100が2%近く下落する一方、ラッセル2000とダウ平均が上昇で終えた状況は、ハイテク株からバリュー株に資金がシフトしていることを示唆する動きと考えられる。

米株価指数の動向:12月8日~12日

米株価指数の動向:12月8日~12日

ブルームバーグのデータで作成

13日のIG日本株レポートで述べたとおり、オラクル(ORCL)とブロードコム(AVGO)の決算内容がAI相場の不透明感を強める一因となった。

今週、AI相場のトレンドを左右する材料の一つとして、半導体大手マイクロン・テクノロジー(MU、以下マイクロン)の9-11月期(第1四半期)決算に注目したい。

関連レポート
日経平均株価週間見通し(12/15週):米AI相場の懸念再び、4万9000円割れ警戒


17日にマイクロン決算、AI銘柄の反応は?

今週17日の取引終了後、マイクロン・テクノロジー(MU、以下マイクロン)が9-11月期(第1四半期)決算を発表する。オラクルとブロードコムの決算内容がAI過剰投資の懸念を強めた直後だけに、同社の決算は今週のAI相場のトレンドに影響を与える可能性がある。

マイクロンは第1四半期の売上高を125億ドル(±3億ドル)と見込んでいる。強気見通しの背景にあるのが、AI向け高帯域幅メモリー(HBM)の需要拡大だ。同社は今月、一般消費者向けの「Crucial」からの撤退を発表し、AI・データセンター事業へ集中する姿勢を鮮明にした。2026年まで続くと予想されているメモリーチップの供給逼迫も業績を支えることが見込まれている。

売上高の実績と予想の推移:FY2021以降

売上高 実績と予想の推移:FY2021以降

ブルームバーグのデータで作成
2Q予想:ブルームバーグのコンセンサス予想

業績見通し次第で株価の反応が大きく分かれると予想する。HBMの堅調な需要を背景に業績見通しが市場の期待を上回れば、マイクロン株は上昇が予想される。

逆にAI過剰投資の懸念が高まるなかで成長鈍化の懸念が意識される内容ならば、同社の株だけでなく半導体セクターの下落を警戒したい。半導体株売りはAI相場の調整売りが加速する要因となろう。


下げ止まる米金利、雇用統計とCPIを警戒

今週は、米国の長期金利(10年国債利回り)と超長期金利(20年・30年国債利回り)の動きもAI銘柄の調整売り要因となる可能性がある。

FOMC後のパウエル会見で長期金利は低下した。しかし、12日の市場では早くも下げ止まり、4.1%台で高止まりしている。20年債と30年債の国債利回りも同時に反発している状況は、インフレ再燃を意識した動きの可能性がある。

米金利の15分足チャート:12月10日~12日

米金利の15分足チャート:12月10日~12日

TradingView提供のチャート

今週、米金利の変動要因として注目したいのが経済指標だ。16日に11月の米雇用統計が発表される。18日には同月の消費者物価指数(CPI)が控えている。

米FRBは労働市場の下振れリスクを重視し、3会合連続の利下げを決定した。しかし、ドットプロット(FOMC参加者の政策金利予想)では2026年の予想中央値が3.4%と、9月時点の予想から変化がなかった。また、来年の利下げ見通しでは、19人の参加者のうち7人は来年の利下げが不要と予想し、1回利下げを予想した参加者は4人。2回以上を予想する参加者もいた。雇用とインフレの不確実性が見通しのバラつきの原因と言える。

来年の利下げパスに不透明感が漂うなか、雇用統計とCPIが予想以上に強い内容となれば、長期金利の上昇を警戒したい。金利上昇はハイテク株売りの要因になり得る。

米労働省によれば、過去最長となった43日間の政府閉鎖により、11月分の雇用統計とCPIは通常と異なる形式になるという。10月分の非農業部門雇用者数は11月分と併せて発表されるが、10月の失業率は遡及的にデータが収集できないため発表されない。CPIについては10月分の総合指数とコア指数が発表されず、一部品目のみが11月分と併せて公表される。10月分のデータに多くの欠損があり、11月の前月比変化率は算出できないという。


米国500の週間展望とテクニカル分析

週間展望
米経済指標で利下げ期待が後退すれば、今週もハイテク株売りを警戒したい。この場合、ハイテク株の影響を受けるS&P500は調整売りの加速が予想される。株価指数CFD「米国500」は、6,700台への下落を想定しておきたい。
一方、経済指標とマイクロンの決算がハイテク株の買い戻し要因となれば、6,900の再上昇が焦点となろう。しかし今週以降、次第にクリスマス休暇入りする市場参加者の数が増えることを考えるならば、6900レベルでは調整売りを警戒したい。

上限:6910
米国500の上昇局面では、1時間チャートにまとめたフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。特に12日の市場で相場の反発を止めた38.2%戻し6848レベルを突破すれば、反発の勢いが増すことが予想される。

6885レベルはレジスタンスラインに転換する可能性がある。このラインの突破は、6900をトライするサインとなろう。12日の市場で相場の反発を止め続けた6910を今週の上限と予想する。

チャートポイント:1時間足チャート
・6910:上限(予想)
・6900:レジスタンスライン
・6885:レジスタンス転換の可能性あり
・6876:61.8%戻し
・6862:半値戻し
・6848:38.2%戻し

下限:6700:日足チャート
日足チャートのRSIはデッドクロスに転じている。MACDでも同じ状況となれば、米国500は以下にまとめたチャートポイントを視野に下落相場を予想する。

最初の焦点は、6780レベルの攻防だ。このライン付近に50日線と25日線が上下に展開している。サポートラインに転換する可能性がある6800の下方ブレイクは、6780をトライするサインと考えたい。

米国500が6780を下方ブレイクする場合は、11月21日の安値と12月11日高値の半値戻し6715レベルのトライを想定したい。この水準には現在、日足の一目基準線も推移している。直下の6700を今週の下限と予想する。

チャートポイント:日足チャート
・6800:サポート転換を意識する水準
・6780:上に50日線、直下に25日線
・6715:半値戻し、基準線
・6700:下限(予想)
※移動平均線と基準線:12月12日時点の水準


米国500の日足チャート:今年11月以降

米国500の日足チャート:今年11月以降

TradingView提供のチャート

米国500の1時間足チャート:12月11日以降

米国500の1時間足チャート:12月11日以降

TradingView提供のチャート


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

米国株分析レポート

米国株を取引する際に知っておきたい情報はこちら。米国株式市場に影響を与えるニュースからトレンド分析まで、IG証券のマーケットアナリストが解説します。

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! デモ口座のみお持ちのお客さまには、2週間の期間限定での配信となります。受信を継続するにはライブ口座の開設をお願いいたします。 ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。