日経平均、3週間ぶり最高値 長期金利低下追い風 米8月CPI試金石
日経平均株価は10日に3週間ぶりの最高値を記録。日米での長期金利低下が相場のムードを明るくした。ただ、11日発表の米国の8月CPIは不安要素だ。

日経平均株価に楽観ムードが強まっている。日経平均の10日の終値は前日比378.38円高の4万3837.67円となり、約3週間ぶりに最高値を更新。半導体検査装置のアドバンテストなどの値がさ株が牽引役となっており、日本株への期待の強さを示した。前日に米国の株価が上昇したことや、日米で長期金利(10年物国債利回り)が低下していることが安心材料となったようだ。ただ、日本時間11日夜に発表される米国の8月の消費者物価指数(CPI)は投資家心理を揺らす可能性がある。物価上昇の過熱感が出れば日経平均の最高値更新が勇み足に終わるおそれがある一方、物価上昇の落ち着きが感じられれば、日経平均の見通しが晴れるシナリオも考えられそうだ。
日経平均株価は4万3837.67円 約3週間ぶりに最高値
日経平均の10日の終値は、8月18日の最高値(4万3714.31円)を123.36円上回った。ブルームバーグによると、日経平均は8月12日、1年1か月ぶりに最高値を塗り替えてから、18日までの5営業日で4回の記録更新を達成。今回は2025年に入ってから5度目の最高値となる。


米国でもS&P500が最高値更新 日米で長期金利が低下
10日の日経平均の上昇の背景には前日(9日)の米国市場で、S&P500種株価指数(SPX)が前日比0.27%高となり、3営業日ぶりに最高値を更新していたことがある。米国の金融市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が9月16、17日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切ることが確実視されており、ブルームバーグによると、8日と9日のニューヨーク債券市場では長期金利が4か月ぶりの低水準にあたる4.036%まで低下。S&P500への影響度が大きいマグニフィセント・セブンと呼ばれる大手ハイテク7社の中では、iPhone(アイフォン)17の発表が想定内の内容にとどまったアップル(AAPL)を除く6社が値上がりしていた。
こうした米国の長期金利低下は日本の債券市場にも波及。ブルームバーグによると、日本の長期金利は9日には一時、1.537%をつけ、8月14日(1.505%)以来の低さとなっている。10日にも目立った上昇はみられていない。長期金利の低下は株式の投資先としての魅力を相対的に高める要因といえ、日米の株価上昇の裏付けになったとみられる。
11日の米国の8月CPIに注目 日米の投資家の思惑に影響
ただ、日米の株価の見通しには、米国の物価動向という不確定要素がある。米国東部時間の11日午前8時30分(日本時間11日午後9時30分)に発表される8月CPIで物価上昇率の根強さが確認された場合には、日米の金融市場でFRBの利下げの難しさが意識されて投資家心理が冷え込むおそれもある。逆に8月CPIが物価上昇の過熱を感じさせなかった場合には投資家心理が上向く可能性があり、日経平均が上振れる展開も考えられそうだ。
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