日経平均、最高値更新に期待 週次1020円上昇 ソフトバンクG急騰
日経平均株価は2024年7月の最高値に接近。AIブームへの期待が追い風になった。米国の7月CPIが試練になる可能性もあるが、楽観ムードも強い。

日経平均株価が人工知能(AI)ブームへの期待で沸き立った。日経平均の8日の終値は1週間前比1020.88円高の4万1820.48円。2024年7月につけた最高値まで1%未満に迫っており、記録更新が現実味を帯びてきた。7日に2025年4-6月期決算を発表したソフトバンクグループが週次20%近い値上がりで相場を牽引したことが要因で、企業業績への期待も高まっている。一方、海外投資家の日本株の買い越しは前週でストップしており、今後は日経平均への上昇圧力が弱まる可能性もある。また、米国で12日に発表される7月の消費者物価指数(CPI)が、日経平均にとっての厳しい試練になる可能性もありそうだ。ただ、AIブームをめぐる楽観ムードは米国でも強く、8月下旬の米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の決算発表への期待が日経平均の上昇に拍車をかける展開も想定される。
日経平均株価は週次1020円高 2024年7月の最高値まであと403円あまり
日経平均株価(N225)の8日の終値は前日比では761.33円高。ブルームバーグによると、週次での上昇は日米関税協議の合意が発表された7月21-25日週(1637.12円高)以来、2週ぶり。2024年7月11日の最高値(4万2224.02円)までは、あと403円あまりの上昇で到達する水準だ。

ソフトバンクグループは週次19.68%高 AIブームでの企業価値向上に期待
日経平均の値上がりを牽引したのはソフトバンクグループ(9984)。8日までの週次で株価は19.68%高となり、日経平均を461円押し上げた。7日に発表した4-6月期決算では6月末時点の時価純資産(NAV)が32.4兆円となり、3か月前から6.7兆円増加。この間、子会社の英半導体大手アーム・ホールディングスの株価(ARM)が51.46%高となったことが貢献した。また、ソフトバンクグループは4-6月期にソフトバンク・ビジョン・ファンド2を通じて、対話型AIサービス「ChatGPT」で知られるオープンAIに75億ドルを追加出資しており、AIブームの中でのオープンAIの企業価値向上がソフトバンクグループの業績の追い風になるとの期待が強まっている。

またソフトバンクグループと同じく7日に4-6月期決算を発表したソニーグループ(6758)も週次8.56%高と好調。2026年3月通期の金融事業を除くベースでの営業利益の予想を1兆3300億円まで引き上げるなどしたことが好感された。さらに半導体検査装置のアドバンテスト(6857)も週次2.64%高となって2週ぶりに反発。前週(7月28日-8月1日)は証券会社による投資判断引き下げが伝わり、週次11.14%安となっていたが、下落に歯止めがかかった。

日経平均構成銘柄の予想利益は大きく上昇 海外投資家の買い越しは17週で停止
こうした中、金融市場では企業収益向上への期待が出ている。ブルームバーグによると、日経平均構成銘柄の今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)は8日時点で2023.07円で、2024年末から4%ほど上昇。過去最高水準となっている。最高値をつけた2024年7月11日との比較では11%超高くなっており、1年1か月かけて企業収益への期待は格段に高くなっているといえそうだ。

一方、日経平均をめぐっては海外投資家の買い越しストップという悪いニュースも出た。日本取引所グループが7日に発表した投資家別売買状況によると、海外投資家は前週に東京証券取引所と名古屋証券取引所の合算ベースで、日本株を1892億円売り越し。連続買い越し記録は7月21-25日週までの17週連続で止まった。この間の買い越し額は6兆1395億円にも上っていただけに、今後、海外投資家の売り越しが続けば日経平均にとっては逆風になる可能性がある。

また、日経平均には引き続き、円高進行がショックとなるリスクがある。ドル円相場(USD/JPY)は8日のニューヨーク市場の終値で1ドル=147.74円。日本銀行の利上げに対する慎重姿勢が円高進行にブレーキをかけているものの、米連邦準備制度理事会(FRB)は9月の利下げが確実視されており、日米の長期金利(10年物国債利回り)は縮小傾向だ。
米国の7月CPIは日経平均の逆風か AIブームへの楽観とのせめぎ合いも
3連休明け12日以降の日経平均の見通しをめぐっては、米国で12日に発表される7月CPIが試練になる可能性がある。物価上昇の過熱が感じられれば、FRBの利下げ期待の後退による米国株安が投資家心理を暗くする可能性があると同時に、物価上昇の落ち着きが感じられて利下げ期待が高まった場合には円高を招くおそれがあるからだ。
ただ、AIブームをめぐる楽観ムードは米国でも強く、エヌビディアは2025年2-4月期決算を発表した5月下旬から足元までに11週連続での上昇を達成。過去最長タイの記録となっている。エヌビディアは8月27日に5-7月期決算を発表する予定で、好業績への期待が半導体株を押し上げることで、日経平均の上昇が加速するシナリオも考えられそうだ。
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