アドバンテスト、株価急騰 5日で17%上昇 日経平均の最高値に貢献
アドバンテストの株価は1か月ぶりの最高値更新が目前。日経平均株価の連日の最高値を後押しした。4-6月期の好決算と楽観的な見通しも上昇要因だ。

半導体検査装置のアドバンテストの株価が急騰している。13日の終値は5営業日続伸となる前日比5.43%高。この間の上昇率は17%超となった。アドバンテストは日経平均株価への影響度が大きい値がさ株として知られ、日経平均の連日での最高値更新を後押している。アドバンテストは7月29日の2025年4-6月期決算発表に際し、今後の業績の見通しに自信を示しており、投資家の期待が高まっているようだ。一方では、アドバンテストの株価には割高感が増してきているという不安要素もあるが、世界的な人工知能(AI)ブームが需要拡大につながるとの見立てが、今後も投資家の買い意欲を強める可能性がありそうだ。
アドバンテストの株価は5日続伸で1か月ぶりの最高値が目前に
アドバンテストの株価(6857)の13日の終値は1万1755円で、7月16日の最高値(1万1795円)に迫る水準。ブルームバーグによると、6日からの5営業日続伸での上昇率は17.02%に達している。このところのアドバンテストの株価上昇はアメリカの高関税政策に対する懸念の後退がきっかけ。ドナルド・トランプ大統領が6日に輸入半導体への関税について、米国に投資している企業にはかからないとの見方を示し、AIブームの継続がアドバンテストの業績の追い風になるとの期待が強まった。

こうしたアドバンテストの株価の好調さは日経平均(N225)の急騰の要因のひとつだ。13日終値段階でのデータでは、アドバンテストは1%の値上がりが日経平均を約32円押し上げる効果があり、日経平均への影響度ではファーストリテイリング(9983)に次ぐ大きさとなっている。日経平均の13日の終値は4万3274.67円で、前日に記録した1年1か月ぶりの最高値を塗り替えた。日経平均は13日まで6営業日続伸しており、この間、7.41%上昇している。
アドバンテストの2025年4-6月期決算は予想を超える好決算
アドバンテストの株価上昇の背景には好業績もある。アドバンテストの2025年4-6月期決算は、総収入が前年同期比90.2%増の2638億円。営業利益は約4倍にあたる1240億円だった。ブルームバーグがまとめた直前の市場予想は、総収入が2288億円、営業利益が866億円。発表された結果はいずれも、市場の期待を大きく超える好決算だった。

通期見通しも上方修正 ラフィーバCEOは2026年を「非常に楽観」
またアドバンテストは4-6月期決算発表とあわせ、2026年3月期の業績見通しを上方修正した。総収入は前年同期比7.1%増の8350億円とし、4月段階の見通しから800億円上積み。営業利益は31.5%増の3000億円とされ、同様に580億円上積みされている。アドバンテストが4月に示した業績見通しは総収入が3.2%減となる冴えない内容だったが、4-6月期の好業績を受けて一気に成長シナリオが描かれた形だ。
7月29日の決算会見でダグラス・ラフィーバCEOは、4-6月期の業績は想定外の前倒し受注で膨らんだとして、7月以降に反動による総収入の減少が起こりえると言及。同時に業績は10-12月期を底として上向くとの見方も強調し、2026年の業績については「非常に楽観的にみている」と述べた。AI関連の半導体需要の強さを受けて、アドバンテストの顧客企業が半導体製造の前工程や後工程での生産能力増強を進めており、アドバンテストの検査装置への需要も増すことが想定されるという。ラフィーバ氏は好業績を予想する理由として、マイクロソフト(MSFT)などを念頭に、「ハイバースケーラー」と呼ばれる大手ハイテク企業がAI関連の設備投資に積極的であることも挙げている。
アドバンテストの株価には割高感も エヌビディアの決算発表で楽観強まるか
一方、アドバンテストの株価には割高感も高まってきた。ブルームバーグによると、アドバンテストの株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は13日段階で35.5倍程度。株式市場でのAIブームが本格化した2023年以降の平均値(約35.7倍)と同水準となった。アドバンテストの予想PERは直近の5連騰の直前では30倍程度で、急激な株価上昇で一気に割高感が増したといえそうだ。

ただ、アドバンテストの業績への期待は今後も高まる可能性がある。アドバンテストの2025年3月通期の総収入の約12%を占める大口顧客の台湾積体電路製造(TSMC、TSM)は、7月の4-6月期決算会見で2025年の総収入の見通しを上方修正。今後も設備投資を続けていくとの方針を示した。TSMCに半導体の生産を委託する米国の半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)は8月27日に、5-7月期決算を発表する予定で、改めて好業績と強気な業績見通しが示されれば、ラフィーバ氏が示した今後の業績に関する楽観的なシナリオが実現する確度が高まりそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

こんなに豊富?IG証券のCFD銘柄は17,000以上
外国為替、日本株・外国株、株価指数、債券先物、商品(エネルギー、農産物、貴金属)など多彩な資産クラスをFX取引、CFD、バイナリーオプション、ノックアウト・オプションで提供
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。