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アドバンテスト、急騰株価の失速も 28日決算 利益見通し焦点

アドバンテストの7-9月期決算発表は業績見通しが焦点。半年で3.4倍になった株価の割高感は強く、利益成長の道筋を示せるかが問われる。

アドバンテスト、急騰株価の失速も 28日決算 利益見通し焦点 出所:Adobe Images

半導体検査装置のアドバンテストが28日に行う2025年7-9月期決算は急騰してきた株価の真価が問われそうだ。アドバンテストの株価は17日終値段階で、4月の底値から3.4倍にまで上昇。対話型人工知能(AI)サービスChatGPTで知られるオープンAIの積極投資が半導体株の追い風になったことに加え、自民党総裁選挙での高市早苗氏の勝利が日本株を押し上げた流れにも乗っている。一方、アドバンテストの株価上昇のペースは予想利益の上昇ペースを大きく上回っており、期待先行での株価上昇である感は否めない。こうした中、アドバンテストが28日の決算発表で2026年3月通期の利益の見通しについて強気な見方を示せば、株式市場にとって安心材料となる可能性がある。逆に発表内容が期待外れに終われば、株価の失速につながるおそれもありそうだ。

アドバンテストの2025年7-9月期決算は総収入が24.4%増の見通し

アドバンテストは28日午後3時30分に7-9月期決算を発表する。ブルームバーグがまとめた市場予想では、総収入は前年同期比24.4%増の2369億円になる見通し。営業利益は49.4%増の949.2億円になると見込まれている。アドバンテストは過去21回の四半期決算のうち3回で総収入が市場予想を超えられなかった。営業利益では9回で市場予想を下回った。

アドバンテストの総収入と営業利益の推移のグラフ

アドバンテストの株価は半年で3.4倍 株価収益率は52倍まで上昇

アドバンテストの株価(6857)の17日の終値は1万6870円で2024年末比で83.41%高。アメリカのドナルド・トランプ大統領が発表した相互関税が金融市場を混乱させていた4月7日の底値(5034円)からは3.4倍にもなっている。前回(4-6月期)の決算を発表した7月29日からは62.92%高で、株価の急騰が続いている。

アドバンテストの株価と予想PERの推移のグラフ

ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は17日終値段階で52倍程度。株式市場でのAIブームが本格化した2023年以降の平均値である36.2倍程度を大きく上回っている。アナリストが提示する目標株価のの平均は1万3609円で、現状よりも19%ほど安い水準だ。23人のアナリストのうち14人は買い、7人は維持、2人は売りを勧めている。

オープンAIの積極投資がアドバンテストの株価の追い風 自民党総裁選でも急騰

アドバンテストの株価の急騰の背景には、オープンAIの積極投資をきっかけとしたAIブームの再燃がある。オープンAIがオラクル(ORCL)のクラウド事業に5年間で3000億ドルを支払うと報じられた9月8-12日週には、アドバンテストの株価は週次21.94%高。オープンAIはその後も、NVIDIA(エヌビディア、NVDA)、アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)、ブロードコム(AVGO)と個別に連携し、合計26ギガワット(2600万キロワット)規模のデータセンターを展開する構想を示している。

エヌビディア、アドバンテスト、TSMCなどの株価の推移のグラフ

またアドバンテストにとっては10月4日の自民党総裁選で積極財政を掲げる高市氏が勝利したことも追い風となった。アドバンテストの株価は総裁選後初の取引となった6日だけで前週末比14.02%高と急騰した。また、総裁選後にドル円相場(USD/JPY)で円安が大きく進んだことも海外で稼ぐアドバンテストの業績にとっての好材料だ。ブルームバーグによると、ドル円相場は10日には一時、1ドル=153.27円をつけた後も150円を超える円安水準で取引されている。アドバンテストは前回決算発表時の業績見通しでは、7月以降のドル円相場が140円で推移すると想定していた。

アドバンテストの株価とドル円相場の推移のグラフ

7月以降の収入に前倒し需要の反動のおそれ 2026年3月通期見通しの強気度は?

一方、アドバンテストの株価上昇のペースは利益予想の上昇ペースを大きく上回っており、期待先行の値上がりとみることができる。アドバンテストのダグラス・ラフィーバCEOは3か月前の前回決算発表で、4-6月期の業績は想定外の前倒し受注で膨らんだと説明し、7月以降の総収入の伸びが抑えられる可能性を示唆していた。ブルームバーグによると、金融市場で見込まれているアドバンテストの今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)は17日段階で前回決算発表時から2.10%減少しており、株価が約63%も上昇している動きとは対照的だ。

ただ、ラフィーバ氏は同時に2026年の業績については「非常に楽観的にみている」とし、「ハイバースケーラー」と呼ばれる大手ハイテク企業がAI投資に積極的であることを理由として挙げていた。実際、オープンAIなどによる巨大データセンターの展開構想を背景として、半導体受託製造最大手の台湾積体電路製造(TSMC、TSM)は16日の7-9月期決算発表会見で、2025年通期の総収入の成長率の見通しを「前年比30%台半ば」とし、前回決算発表で示していた30%程度から上方修正している。アドバンテストは4-6月期段階で台湾向けの売上高が全体の6割超を占めており、TSMCの強気さは好材料といえそうだ。

こうした中、アドバンテストが28日の決算会見で、今後の業績に前向きな見通しを示せば、投資家の間には安心感が広がりそうだ。なかでも営業利益の見通しが上方修正されるなどすれば、アドバンテストの株価の割高感が和らぐ可能性がある。逆にアドバンテストが示す業績見通しが、4-6月期の前倒し受注の反動の大きさを警戒させる内容となった場合には、期待先行で急上昇した株価が失速するおそれも否定できない。


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