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TSMC、AI需要に自信 2025年見通し上方修正 半導体株値上がり

TSMCは17日の4-6月期決算会見で2025年の見通しを上方修正。米国株式市場ではTSMCやエヌビディアの株価が上昇した。

TSMC、AI需要に自信 2025年見通し上方修正 半導体株値上がり 出所:Adobe Images

株式市場で人工知能(AI)ブーム継続への期待が高まっている。半導体受託製造最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は17日の2025年4-6月期決算発表に際し、2025年の総収入の見通しを上方修正。これを受けたアメリカの17日の株式市場ではTSMCの株価が前日比3%超上昇したほか、半導体大手NVIDIA(エヌビディア)などの株価上昇にもつながった。TSMCの魏哲家(シーシー・ウェイ)CEOは決算会見でAI関連需要の強さを強調。生産能力拡充の必要性も繰り返し指摘し、株式市場では半導体市場の好調さが好材料視された。一方、魏氏は米国のドナルド・トランプ大統領の高関税政策がもたらす不確実性についても言及しており、先行きへの警戒感も緩めていない。ただ、魏氏は現状では顧客企業の動向に変化は出ていないとも述べており、当面は半導体株の見通しが明るくなることが想定されそうだ。

TSMCの2025年4-6月期決算は総収入が44%増 1株当たり利益は67%増

TSMCが17日に発表した2025年4-6月期決算は総収入が前年同期比44.4%増の300.70億ドル。米国に上場する米国預託証券(ADR)ベースの1株当たり利益は66.9%増の2.47ドルだった。総収入はブルームバーグがまとめた市場予想は下回ったものの、10日に発表されていた台湾ドルベースでの総収入をドルに換算した水準(302億ドル)とほぼ同じとなった。

TSMCの業績の推移のグラフ

2025年の総収入見通しは30%増に上方修正 エヌビディアやアームの株価も上昇

また魏氏は日本時間17日午後3時からの決算会見で、2025年の総収入の見通しについて前年比30%増になると説明した。4月の前回(1-3月期)の決算発表で示した「20%台半ば」の成長から上方修正した形だ。さらにTSMCは7-9月期の総収入については、318億-330億ドルとの見通しを提示。中間値の324億ドルは前年同期比37.8%増にあたり、4-6月期からは成長が鈍化するが、1-3月期(35.3%増)よりは高い水準となる。

TSMCの業績見通しの上方修正を受けた17日の米国株式市場では半導体株が上昇した。TSMCの株価(TSM)の終値は前日比3.38%高で、3日続伸。エヌビディアの株価(NVDA)も0.95%高となり、3日連続での最高値更新を果たしている。英半導体大手アーム・ホールディングスの株価(ARM)も2.13%高となり、やはり3日続伸だ。

NVIDIA、TSMC、アーム・ホールディングスなどの株価の推移のグラフ

最先端半導体の生産能力はひっ迫 設備投資額は51%増

半導体株への安心感が高まった背景には、魏氏がAI関連需要の強さに自信を示したことがある。魏氏は決算会見で「AI関連需要はどんどん強くなっている」と説明。生産能力と需要の差は、総収入の36%を稼ぎ出す回路幅5ナノメートルの製品ではひっ迫しており、総収入の24%を占める回路幅3ナノメートルの最先端製品ではさらにひっ迫しているとした。

こうした中、TSMCは生産能力の増強を進めている。4-6月期の設備投額は前年同期比51.4%増の96.3億ドル。黄仁昭(ウェンデル・ファン)CFOは決算会見で、設備投資の目的は将来の成長機会を得ることだとし、「設備投資額が年間で大きく落ち込むようなことは起こりにくい」と述べた。TSMCの生産能力が拡大していくとの見通しは、半導体関連企業にとっての追い風といえそうだ。

TSMCの設備投資額の推移のグラフ

トランプ氏の高関税は依然不安要素 顧客企業の行動は依然「変化なし」

一方、魏氏は半導体産業にはトランプ氏の高関税政策という不確定要素があることにも言及。トランプ氏は4月に発表した相互関税の対象から半導体などを外しつつ、別枠で半導体に課税する可能性も残している。こうした不安への警戒はTSMCが示した2025年の30%成長という見通しからも感じられる。TSMCは1-6月期ですでに40.06%増の成長を達成し、7-9月期も38%程度の成長を見込んでいることを踏まえれば、30%成長は控えめな目標といえるからだ。魏氏は決算会見で業績見通しについて「保守的な対応」をとったと述べた。

またTSMCの決算にとってはFX市場で進む台湾ドル高も逆風として働く。黄氏は17日の決算会見でTSMCの収入のほとんどはドル建てで得られる一方、物的なコストの75%は台湾ドルで支払われると説明。この結果、台湾ドル建てでの決算の数字では、台湾ドルがドルに対して1%強くなれば、1%の収入減少につながると説明している。

とはいえ、TSMCは先行きを悲観しているわけではなさそうだ。魏氏は「今のところ顧客企業の行動に変化はみられない」とし、4月の前回決算発表時の状況判断を維持。エヌビディアは日本時間14日に、米国政府から中国向けの半導体H20の輸出許可を得られる見通しだと公表しており、トランプ政権が中国への対抗措置として半導体産業への締め付けを強めることへの懸念は後退している。株式市場では当面の間、AIブーム継続への期待が高まりそうだ。


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