コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

日経平均、週明けも値下がりか 週次1889円下落 AIブームに息切れ懸念

日経平均株価はイラン戦争開戦直後以来の大きな週次下落。原油価格の下落は好材料とはいえ、AIブームの息切れへの懸念は大きい。

Source: ブルームバーグ

Written by

小雲 規生

小雲 規生

シニアファイナンシャルライター/Senior Financial Writer

作成日

日経平均株価が急落した。日経平均の26日の終値は1週間前比1889.18円安で7万円台から陥落。5営業日中の3営業日で2500円を超える値動きが起きる乱高下の末、週次での大幅安に終わった。人工知能(AI)ブームの持続性への不安が、AI関連企業の業績への期待を上回った結果といえそうだ。一方、イラン和平の覚書発効後、ホルムズ海峡の開放が徐々に進みつつあることは、日本経済の見通し不安を和らげる日経平均にとっての好材料。また日経平均が7万円を割り込んだことで行き過ぎた割高感が薄れたことも、今後の急落懸念を弱めているといえそうだ。ただ、日経平均の4月以降の急騰はごく少数の銘柄の値上がりに支えられており、日本株全体をみわたせば、大半の業種がイラン戦争前の水準を回復できていない。こうした中、米国の株式市場ではAIブームの息切れ感が意識されており、週明け以降の日経平均がさらなる下落に見舞わわれる余地が残っていそうだ。

日経平均株価は週次1889.18円安 2500円超の値動きを連発

日経平均株価(N225)の26日の終値は前日比では3005.46円安の6万9360.88円。23日に前日の米国ハイテク株安を受けて2565円安となった後、米メモリ半導体大手マイクロン・テクノロジー(N225)の四半期決算発表を好感した25日に3191円高の急騰を演じたが、26日はその値上がりを吐き出す値動きに終わった。26日の急落は、マイクロンの好決算が示すメモリ半導体の価格上昇見通しが、大手ハイテク企業にとってのコストアップ要因であることを意識させた結果、米国の大手ハイテク各社の株価がそろって値下がりしたことが要因だ。週次での1889.18円安はイラン戦争開始直後の3月2-6日週(3229.43円安)以来の大きな値下がりとなった。

日経平均株価と週次の騰落額の推移のグラフ

AI関連株が急落 ソフトバンクグループは週次12.45%安

個別株の値動きをみると、対話型AIサービスChatGPTで知られるオープンAIに出資しているソフトバンクグループ(9984)が26日までの週次で12.45%安となり、日経平均株価を712円押し下げた。メモリ半導体のキオクシアホールディングス(285A)も週次15.12%安という不振で、やはり日経平均を385円押し下げている。日経平均を構成する225銘柄のうち、64%にあたる145銘柄が週次で値下がりしている。

日経平均を動かした構成銘柄の寄与額の推移のグラフ

またイラン戦争の和平への期待が強まった4月以降に株価が2倍超となった銘柄の中では、キオクシアのほか、AI向け半導体システムに用いられる積層セラミックコンデンサ(MLCC)が注目されている太陽誘電(6976)が26日までの週次で13.12%安という大幅安。半導体製造に不可欠なシリコンウェーハを手掛けるSUMCO(3436)も週次10.25%安となった。半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)も5週ぶり下落の週次3.24%安となり、4月以降の上昇率が2倍を割り込んだ。

太陽誘電、村田伊製作所、イビデン、キオクシアなどの株価の推移のグラフ

原油価格下落は日経平均の好材料 行き過ぎた割高感に落ち着きも

一方、イラン情勢をめぐってはアメリカとイランが合意した和平の覚書が17日に発効して以降、ホルムズ海峡の開放が徐々に進んでいる。原油先物市場の指標価格であるWTI(8月渡し、WTI原油)は26日の終値で1バレル=69.23ドルとなり、イラン戦争開戦前日にあたる2月27日(67.02ドル)以来の安値となった。原油価格の下落は日本経済の見通しを明るくする日経平均株価にとっての好材料だ。

また日経平均は7万円を割り込んだことで、行き過ぎた割高感が薄れている。ブルームバーグによると、日経平均の水準と今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)から算出される株価収益率(PER)は26日段階で24.9倍。引き続き高水準だとはいえ、22日段階での約26倍からは割高感が和らいでいる。26日段階の日経平均の予想1株当たり利益はイラン戦争開戦前との比較で19.63%増の水準で、日経平均の同じ期間での上昇率の17.86%高を超える期待の高まりを示していることからも、株価急落の懸念が弱まっているとの見立てが成り立ちそうだ。

日経平均株価と1株当たり利益の推移のグラフ

4月以降の急騰は6社に依存 AIブーム失速懸念は日経平均を下押しか

ただ、日経平均の4月以降の急騰はごく一部の銘柄に支えらており、脆さがあることは否めない。日経平均の26日の終値はイラン戦争後の底値にあたる3月末との比較で1万8297.16円もの上昇をみせているが、このうち1万3296.46円分は東京エレクトロン、アドバンテスト(6857)、ソフトバンクグループ、ファーストリテイリング(9983)、キオクシア、イビデン(4062)の6社で稼ぎ出されている。衣料品大手のファーストリテイリングを除けば、いずれもAI関連銘柄といえ、AIブーム頼みの上昇とみることができる。

実際、東京株式市場全体をみれば、日本株が好調さを取り戻したとはいえない。東京証券取引所全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)の26日の終値はイラン戦争開始前の2月末との比較でわずか0.63%高。全33業種別指数でイラン戦争前から値上がりしているのは11業種に過ぎない。金利高が逆風とになるとみなされる不動産は23.30%安、ホルムズ海峡封鎖が原材料調達や中東輸出の面で悪材料になってきた自動車などの輸送用機器は21.68%安だ。

TOPIXと33業種別指数のイラン戦争開始後の騰落率のグラフ

こうした中、週明け29日以降の日経平均にとっては、米国の株式市場でAIブームの継続性への不安が鮮明になっていることが悪材料といえそうだ。米国株式市場の26日までの週次での取引では「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社や半導体各社の株価が軒並み急落した。AIブームへの懸念は7月以降に行われる各社の2026年4-6月期決算発表でも膨らむ可能性があり、日経平均への悪影響が大きくなる可能性もある。

免責事項

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。