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TSMC、業績見通し上方修正に期待 16日決算 AIブーム追い風確実?

TSMCの16日の7-9月期決算発表は通期業績見通しの上方修正が焦点。AIブームの実像を示す結果として受け止められることも考えられる。

TSMC、業績見通し上方修正に期待 16日決算 AIブーム追い風確実? 出所:Adobe Images

半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)が16日に行う2025年7-9月期決算発表は業績見通しの上方修正への期待が高まる。TSMCが9日に発表した9月の台湾ドルベースでの総収入を踏まえれば、1-9月期の総収入はドル建てで40%超の成長になっているもよう。TSMCが7月に示した年間で30%増という見通しを大きく上回るペースになっている。人工知能(AI)ブームの火付け役であるオープンAIがサービス提供能力の大幅な拡大を打ち出していることも、TSMCにとっての追い風の強さを感じさせる。一方、オープンAIの投資戦略には資金調達の不透明さも指摘されており、AIへの期待が実体以上に膨らみすぎているという懸念は根強い。こうした中でTSMCが確実な成長見通しを示せば、AIブームの継続性の確度が高まり、世界の半導体株にとって好材料とみなされる可能性もありそうだ。

TSMCの2025年7-9月期決算は市場予想を超える結果に期待

TSMCは台湾時間の16日午後2時(日本時間16日午後3時)から7-9月期の決算会見を開く。ブルームバーグがまとめた事前予想では、総収入が前年同期比34.4%増の315.94億ドルになる見通し。TSMCが米国で上場している米国預託証券(ADR)ベースでの1株当たり利益(EPS)は31.4%増の2.55ドルと見込まれている。総収入の伸び率は前四半期(4-6月期)の44.4%増から成長ペースが鈍化し、1株当たり利益の伸び率も前四半期(66.9%増)から減速することになる。

TSMCの業績(総収入、1株当たり利益)の推移のグラフ

ただ、TSMCが決算発表に先駆けて9日に発表した台湾ドルベースでの9月の実績を踏まえれば、実際の発表内容は市場予想を超える可能性がありそうだ。TSMCの9月の総収入は3309.80億台湾ドルで、9月の台湾ドルの対ドルレートの平均値で換算すると、108.96億ドル。この結果、7-9月期としての総収入は合計330.49億ドルとなり、ブルームバーグの市場予想を上回ることになる。

TSMCの月次の総収入の推移のグラフ

TSMCの株価は半年で2.2倍 エヌビディアやアームをしのぐ上昇

TSMCのADRでの株価(TSM)の9日の終値は前日比1.52%安の299.88ドル。ブルームバーグによると、TSMCの株価はドナルド・トランプ大統領が相互関税の一部停止を発表する前日の4月8日に141.37ドルまで下落した後、足元までに2.2倍の上昇となっている。日本の半導体検査装置大手のアドバンテスト(6857)の3.2倍もの上昇には及ばないが、同じ期間で半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)が記録した99.97%高や、英半導体大手のアーム・ホールディングス(ARM)の98.86%高をしのぐ成績とみることができる。

エヌビディア、アドバンテスト、アーム・ホールディングス、TSMCなどの株価の推移のグラフ

ブルームバーグによると、TSMCの直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は9日時点で29.4倍。3か月前の4-6月期決算発表があった7月17日時点の24倍程度から割高感が増している。アナリストが提示する目標株価の平均は301ドル程度で現状とほぼ同じ水準。29人のアナリストのうち27人は買い、2人は維持を勧めている。

2025年通期の業績見通し上方修正に期待 オープンAIの積極展開が追い風か

TSMCの16日の決算発表は通期業績見通しの上方修正が期待される。TSMCの魏哲家(シーシー・ウェイ)CEOは3か月前の前回決算発表時に2025年の総収入の成長率についてドル建てベースで「30%程度」との水準を提示。一方、TSMCがすでに発表している9月までの台湾ドルベースでの総収入と実際の為替レートに基づけば、1-9月期のドル建てベースでの総収入は前年同期比40.3%増の886億ドル程度になっているとみられる。魏氏は前回決算会見で業績見通しについて「保守的な対応」をとったと述べていたが、2025年末まで3か月を切る中、より実績に即した見通しが示される可能性がある。

TSMCへの追い風への期待は、対話型AIサービスChatGPTで知られるオープンAIの積極姿勢でも強まっている。オープンAIは9月22日、エヌビディアとともに10ギガワット(1000万キロワット)超のデータセンターを建設する構想を発表。第一段階となる1ギガワット相当分のの展開は2026年後半になる予定だという。またオープンAIは10月6日にはアドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)とともに6ギガワット(600万キロワット)相当のデータセンターを展開する構想も公表した。2026年後半に着手するという。これらのデータセンターで用いられる最先端半導体の製造はTSMCが手がける可能性がある。

業績見通しが期待外れならAIバブル懸念を強める可能性も

一方、オープンAIの構想には資金調達手法の不透明感も指摘されている。オープンAIはエヌビディアと発表した10ギガワット超のデータセンター構築にあたり、エヌビディアから最大1000億ドルの出資を受けると公表。オープンAIは事実上、エヌビディアから受け取った資金でエヌビディアの半導体を購入する形になるともいえ、「循環取引」としての色彩も帯びる。またオープンAIはクラウド事業を手掛けるオラクル(ORCL)に5年間で3000億ドル超を支払うとする一方、オラクルは自社のクラウドサービスに、オープンAIに出資するエヌビディアの半導体を採用している。

こうした中で、半導体を実際に製造する立場のTSMCが今後の業績に強気な見通しを示せば、AIブームの実像を表す動きとして株式市場で好感される可能性もありそうだ。一方、業績見通しの上方修正が小幅になったり、2026年以降の業績に慎重な発言が出れば、「AIバブル」への懸念が強まるシナリオも想定される。


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