TSMC、2026年の成長見通しは? 15日決算 AI関連株に波乱起きるか
TSMCの15日の決算発表は2026年の成長率の見通しが焦点。3年目の高成長実現の期待が示されれば、TSMCの株価の追い風になりそうだ。
半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)が15日に行う2025年10-12月期決算発表は2026年の成長率の見通しが焦点だ。TSMCは2025年は人工知能(AI)ブームによる半導体需要拡大を追い風にして、ドル建ての総収入が36%の成長を達成する見通し。2026年も高成長が続くとの筋書きを示すことができれば、最高値付近で推移している株価の上昇が勢いづきそうだ。ただ、AIブームをめぐっては、最先端半導体を購入してAI関連インフラを強化してきた大手ハイテク各社に利益面での不安が浮上。世界のAI関連株は2025年秋以降に失速した感もある。TSMCが15日に示す2026年の見通しが期待外れに終わった場合は、TSMCを含め、世界のAI関連株の値動きに悪影響が出るおそれもありそうだ。
TSMCの2025年10-12月期の総収入はドル建てで25%増の見込み
TSMCは台湾時間の15日午後2時(日本時間15日午後3時)に10-12月期の決算会見を開く。ブルームバーグがまとめた事前予想では、総収入は前年同期比20.9%増の324.92億ドルになる見通し。TSMCが米国で上場している米国預託証券(ADR)ベースでの1株当たり利益(EPS)は27.2%増の2.85ドルと見込まれている。総収入の伸び率は前四半期(7-9月期)の40.8%から成長が減速し、1株当たり利益でも前四半期(50.5%増)から鈍化することになる。
ただ、TSMCが決算発表に先駆けて9日に発表した台湾ドルベースでの12月の実績を踏まえれば、実際の発表内容は市場予想を超える可能性がありそうだ。TSMCの12月の総収入は3350.03億台湾ドルで、12月の台湾ドルの対ドルレートの平均値で換算すると106.74億ドル。10-12月期としての総収入は合計337.00億ドルとなり、ブルームバーグの市場予想を上回る前年同期比25.49%増になる。
ブルームバーグによると、TSMCの直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は8日時点で25.5倍。前回の決算発表があった3か月前の29倍程度から割高感が和らいでいる。アナリストが提示する目標株価の水準は369.41ドルで、足元の水準よりも16%ほど高い。30人のアナリストのうち28人は買い、2人は維持を勧めている。
TSMCの2026年の成長見通しが焦点 3年連続での高成長シナリオを示せるか
15日の決算発表では、TSMCが示す2026年の成長率の見通しに注目が集まりそうだ。TSMCの総収入は2025年の通期でみれば、前年比31.6%増の3兆8090億台湾ドル。ドル建てでは35.9%増の1223億ドル程度となる見通し。TSMCは2024年にもドル建てで30%増という高い成長を記録しており、2026年についても高い成長率が示されるとの期待は高い。ブルームバーグがまとめた事前予想によると、金融市場では2026年のTSMCの総収入は1494億ドルと見込まれており、2025年よりも22%ほど高くなるとみられている。TSMCは1年前の決算発表では2025年の総収入の成長率が20%台半ばになるとの見通しを示していた。
魏哲家(シーシー・ウェイ)CEOは10月16日の7-9月期決算発表に際して、AI関連の半導体需要は「3か月前に考えていたよりもはるかに強い」と述べ、今後の成長に自信をみせていた。AI関連の収入は2029年までの5年間、年率換算40%台半ばで伸びるとの見方も維持している。魏氏が2026年について強気な業績見通しを示せば、TSMCの株価の上昇の勢いが増す可能性がある。
AIブームの継続性には根強い不安 TSMCの見通しが弱気ならAI関連株に波乱も
ただ、AIブームに対する投資家の期待は10月下旬の大手ハイテク企業の7-9月期決算発表後、大きく冷え込んでいる。メタ・プラットフォームズ(META)やマイクロソフト(MSFT)は利益面での成長が大きく減速し、AIの開発やサービスの基盤となるクラウド事業での巨額の設備投資負担への懸念が広がった。また、対話型AIサービスChatGPTで知られるオープンAIの大規模AIインフラ構想にも資金調達面での不安があり、エヌビディアやオラクル(ORCL)などの関連企業の株価は下押しされている。エヌビディアの8日の終値は10月末比8.62%安、オラクルの8日の終値は同様に27.78%安で、S&P500種株価指数(SPX)の1.19%高から大きく見劣りする成績だ。
こうした中、魏氏が15日示す2026年の見通しが低調だった場合には、投資家の間でAIブームの継続性に対する不安が膨らむ可能性がある。この場合は、世界のAI関連株の値下がりにつながる恐れもありそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。