テスラ、株価急落リスク 28日決算 2026年の見通しに悪材料山積
テスラの10-12月期決算会見は2026年の見通しが焦点。経営環境の厳しさや投資家心理の悪さもあり、株価が急落する恐れもありそうだ。
電気自動車(EV)大手のテスラが28日に行う2025年10-12月期決算発表は株価急落のきっかけになる可能性がある。テスラの10-12月期は減収減益が見込まれており、投資家の注目は2026年の見通しに集中。2026年のEV事業や人工知能(AI)関連の取り組みで強気な姿勢が示されれば、株価が上昇する可能性がある。ただ、テスラの経営環境をめぐっては、昨秋のEV購入時の補助金の廃止に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しの後退といった逆風も目立つ。またドナルド・トランプ大統領が貿易戦争懸念に火をつけたことで投資家心理が暗くなっていることも、株式市場全体にとっての逆風だ。このため28日のテスラの決算会見で好材料がなかった場合には、株価が大きく値下がりする展開が想定される。
テスラの2025年10-12月期決算は減収減益の見通し
テスラは米国東部時間28日午後5時30分(日本時間29日午前7時30分)に決算会見を開く。テスラの10-12月期決算に関してブルームバーグばまとめた市場予想では、総収入は前年同期比1.8%減の252.34億ドルになる見通し。調整ベースの1株当たり利益(EPS)は26.7%減の0.44ドルと見込まれている。予想通りになれば、4-6月期以来の減収減益という冴えない結果になりそうだ。テスラは直近23回の四半期決算のうち10回で総収入が市場予想を超えられなかった。1株当たり利益では前回を含む11回で市場予想のクリアに失敗している。
テスラの株価は最高値から1か月で14.42%安 株価収益率は197倍
テスラの株価(TSLA)の20日の終値は419.25ドルで、前回(7-9月期)の決算発表があった2025年10月22日との比較では4.49%安。また、2025年12月16日につけた最高値からは1か月で14.42%安となっている。テスラの株価は11月下旬にFRBの利下げ見通しが強まったことを機に上昇に転じたが、12月中旬以降は下落基調となっている。
ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は197倍程度。最高値当時の244倍程度からは低下したものの、2023年以降の平均値(98.8倍程度)を大きく上回っている。アナリストが提示する目標株価の平均は406ドルで、現状よりも3%ほど低い。61人のアナリストのうち、28人は買い、18人は維持、15人は売りを勧めている。
テスラの2026年の業績見通しは? 成長への回帰を示せるか
テスラは2日に発表した10-12月期の販売台数が前年同期比15.6%減の41万8227台となっており、総収入や利益面での苦戦は避けられない状態。このため投資家の関心は2026年の業績の見通しに集まりそうだ。テスラは1年前の2025年1-3月期の段階で販売台数が13.0%減となっており、販売不振が一巡する中、2026年1月以降の業績が上向くことも考えられる。テスラは2024年10-12月期決算発表に際しては、2025年の自動車事業の見通しについて「成長に戻る」と言及。この成長予想は4月には撤回されたものの、今回の決算発表でテスラが改めて成長に自信を示すかどうかが注目点のひとつといえそうだ。
またテスラの株価はマスク氏が打ち出す理念で上昇することも考えられる。マスク氏は前回の決算発表会見で、テスラが人工知能(AI)を搭載した完全自動運転車などの技術で優位にあることを強調。ヒト型ロボット「オプティマス」の次世代型プロトタイプを2026年2月か3月に公開し、年末までの生産開始を目指すとしていた。マスク氏が今回の決算会見で、こうした「現実世界に根差したAI」について新たな展開を打ち出せば、投資家の期待が高まる可能性もある。
補助金廃止や金利上昇は業績の逆風 投資家心理悪化で株価急落の恐れも
ただ、テスラの経営環境は厳しさを増している。米国内ではトランプ氏が2025年7月に成立させた減税関連法案の結果、EV購入時の補助金といえる税額控除制度が9月末で廃止。テスラの販売に対するマイナス影響が当面の間は続く可能性がある。また、米国の金融市場ではFRBの次期議長人事をめぐる思惑もあり、利下げ見通しが後退。ブルームバーグによると、米国の長期金利(10年物米国債利回り)は20日終値で4.294%となり、8月21日(4.329%)以来、5か月ぶりの高水準となった。金利水準の高まりは、自動車ローン金利の上昇を通じてテスラの販売を下押しする要因だ。
さらにこのところの株式市場ではトランプ氏のデンマーク領グリーンランドをめぐる言動で、米欧間の貿易戦争の不安が再燃。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)は20日終値で20.09となり、11月24日(20.52)以来、2カ月ぶりの高さとなった。このためテスラの28日の決算会見でマスク氏から強気な情報発信があったとしても、投資家心理は容易には上向かない可能性がある。テスラの株価の予想株価収益率(197倍)は、他の大手ハイテク各社と比べてケタ違いに大きいこともあり、テスラの28日の決算発表が株価急落のきっかけになるリスクもありそうだ。
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