テスラ、株価急落に拍車も 7日続落で10%安 EV販売世界首位陥落
テスラの株価は販売不振を背景に急落。1月28日の決算発表に向けた上昇もありえるが、引き続き急落リスクの大きさも意識されそうだ。
電気自動車(EV)大手のテスラの株価が急落している。テスラの株価の前週末2日の終値は1か月ぶりの安値で、7営業日続落の間に10%の下落を記録した。テスラは2日に発表した2025年10-12月期の販売台数が市場予想を下回っており、アメリカで9月末にEV購入時の補助金が廃止されたことが逆風となっている。また、通年の販売台数が163万台まで低下し、EV世界販売台数世界1位の座を中国のBYDに譲り渡したことも、投資家心理を冷やす株価にとっての悪材料といえそうだ。一方、テスラの株価はイーロン・マスクCEOが描く長期的な事業構想への期待で左右される側面も強く、今後の株価は1月28日の10-12月期決算発表に向けて上昇に転じる可能性もある。ただ、テスラの株価の割高感は依然として「桁違い」で、急落リスクの高さは明らか。テスラの株価は約1年前には3か月間で半減したこともあり、株式市場のムード次第で値下がりが加速する展開も考えられる。
テスラの株価は7日続落で10.37%安 1か月ぶりの安値水準に
テスラの株価(TSLA)の2日の終値は前営業日比2.59%安の438.07ドルで、ブルームバーグによると、2025年12月2日(429.24ドル)以来、1か月ぶりの安値。23日からの7営業日続落で合計10.37%安となった。「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社の中で、テスラを除く6社はこの間、2.47%安から2.81%高という値動きで、テスラの不振が目立つ。テスラの2日の終値は2025年12月16日の最高値(489.88ドル)からは10.58%安だ。
テスラの10-12月期の販売台数は15.6%減 通年ではEV世界首位の座から陥落
テスラの株価急落の要因は販売不振に改めて注目が集まったことにある。テスラが2日に発表した10-12月期の販売台数は前年同期比15.6%減の41万8227台。7-9月期の7.4%増から2四半期ぶりのマイナスに転じた。ブルームバーグがまとめた事前予想の43万7777台を下回る悪い結果だ。ドナルド・トランプ大統領が7月に成立させた減税関連法によって、EV購入時の7500ドルの税額控除などが9月末で打ち切られたことで、7-9月期の駆け込み需要と10-12月期の反動減が生じたといえる。
またテスラの2025年通年での販売台数は前年比8.6%減の163万6129台となり、前年(1.1%減)に続く、2年連続での販売減少となった。EVの販売台数をめぐっては、中国のBYDが1日に2025年の実績が前年比27.9%増の225万6714台だったと発表しており、テスラはEV販売世界一の座から陥落した。EV首位の称号を失ったことはテスラの競争力の低下を印象づける株価にとっての悪材料といえそうだ。
テスラの株価は2025年は11.36%高 決算発表に向けて上昇も
一方、テスラの株価は2025年の1年間を通してみれば、販売不振が極まり、マスク氏がトランプ氏と決別する中でも大崩れを回避してきたといえる。2025年の上昇率は11.36%高で、株価はマスク氏とトランプ氏の蜜月関係への期待が高まっていた1年前よりもさらに上昇している。このところはEVの完全自動運転やヒト型ロボットといった「現実世界に根差した人工知能(AI)」分野で圧倒的な優位性を築くとするマスク氏の構想や、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げへの期待が株価を押し上げる要因となってきた。このためテスラの株価が1月28日の10-12月期決算発表に向けて、期待先行での値上がりに転じる可能性もありそうだ。
株価の割高感は依然として鮮明 1年前に3か月で株価半減の記録も
ただ、テスラの株価の割高感は依然として鮮明で、株価が急落リスクにさらされ続けていることに変わりはない。ブルームバーグによると、テスラの株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は2日時点で207倍。マグニフィセント・セブンの他の6社の株価収益率が19-32倍程度であることと比べて、桁違いの高さだといえる。
テスラの株価はこれまでも急落に見舞われてきた。約1年前にあたる2024年12月17日(479.86ドル)から2025年3月10日(222.15ドル)にかけての約3か月間では株価が53.71%安となったこともある。FRBの利下げへの期待が後退したことや、トランプ氏の高関税政策への不安が高まったことが要因だった。このため足元の株式市場でも、AIブームの持続性への不安の高まりや米中対立への懸念、FRBの利下げ期待の後退などで株式市場のムードが悪化することで、割高感が際立つテスラの株価の急落に拍車がかかる展開も考えられる。
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